江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

山河令 その8 原作「天涯客」ちらっと見

「天涯客」も覗いてみました

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「山河令」の原作「天涯客」。これもちょろっと覗いてみました。
 ドラマ視聴済みの方、もしくは見る気ない方向きということで、とにかく「読書感想文」です。

 

 ほぼドラマと同じ流れで話が展開、「鎮魂」のように設定そのものが変えられているというようなことはありませんでした。

 主役二人や主だったキャラの背景や性格付けも大きな変更はなかったのですが、五湖盟や鬼谷、毒蝎あたりには変更というよりドラマの方が詳細に表現されています。安吉四賢なんかまったく出てきません。

 全体的にドラマの方が細かい描写がされている中、例外と言っていいのが温客行が鬼谷へ入っていく場面、それに連動して前谷主を討ち果たすところの描写ではないでしょうか?

 ドラマの中では、喜喪鬼が両親の復讐を果たす!と恨みに燃えている少年温客行にすべてを忘れて鬼谷の鬼になれと孟婆湯を飲ませる。それでもこの恨み、忘れてなるものかと抵抗し続けるという話になっています。
 原作では、少年はこのままでは自分も殺される、両親は顔も見分けられないほどに無残に殺された、復讐のためにこいつらの仲間になって生き延びる、そのためには鬼と認められなければならないと鬼谷の谷主たちも「こいつは!」と驚くような行動をとります。
 だから、前谷主を殺した時にもただ首をとっただけではない・・・十大悪鬼が温客行を「疯子」と呼ぶのも無理はない。

 とにかく子どもにさせていい演技ではないと思う常識人。

 

 顧湘と曹蔚寧は一番改編の影響を受けていないキャラですが、ほんといいカップルなのに・・・

 

 ドラマじゃあまり重要な役割をはたしていない七爺と大巫ですけど、原作では最終的に周子舒を助けるのは彼らの働きです。そこから雪山に籠るのは同じでも、こちらの二人も張成岭も一緒にいってます。

 

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 で、一番大きく変わったのが毒蝎の首領蝎王こと蝎子でしょうか。ドラマのような趙敬との義理の親子関係もなくて、どこやらけなげにも見えるキャラとは全く違っています。女遊びも男遊びもする、女性的な美少年は「せっかく男遊びするのに、女っぽいのはいらん」というような人物です。

 

 彼関係で一番笑ったのは、様子を探りに周子舒と温客行が行った時の話です。
 様子を見ると蝎王は情事の真っ最中。それを覗いてる方もちょっとその気になったりw
 蝎子は二人に情報が欲しければ賭けをしようと言い出す。蝎子が負ければ情報を渡す、勝ては楽しませろというわけで、一度は勝ったけど二度目は負けた二人。蝎子は服脱ぐか?風呂入るか?何かいるか?と畳みかけます。すでにそういう関係なのを見抜かれてます。この危機に周子舒は春画(しかもパラパラ漫画w)を描いて蝎子に渡し、二人を驚かせています。そういや絵は得意でしたっけw

 

 二人はイチャイチャやっていますが、そういう描写はあっさりしています。これから日本でも「魔道祖師」原作がでるそうですが、規制が入って削減された後のバージョンでも相当に濃厚な描写がされているのに比べりゃ水みたいなもんですw

 「魔道祖師」は相当なもんです。魏嬰が「俺が妊娠したら、どうするんだ?」とか藍湛をせめるくらいのものですから・・・と、削除された分だったかもしれない💦

 ただ最初から温客行が「阿絮~阿絮~」とせまっていくので、周子舒を「老婆」としているファンサイトみかけますが、どうなんでしょう?周子舒は温客行に「小娘子」「夫人」と呼びかけ、自分を「夫」と呼んでますし、温客行も周子舒を「相公」、自分を「妻」と言ってる。

 負けたら一晩一緒にと蝎子に言われた周子舒があっさり承知すると温客行が「一緒に寝るようになって随分になるが、そんなに簡単にうんと言ったことはなかった!」と嫉妬むき出してます。これが藍湛なら、もう蝎子は目で殺されてますなw
 
 原作とドラマの大きな違いはドラマの大物キャラがほとんど原作での扱いが小さいことにもあります。高崇もほぼナレ死、ドラマじゃ結構重い役になってる沈慎とかもさっさとナレ死してます。

 鬼谷のメンバーも結構詳細に描かれてるドラマに対して、原作ではほとんど「棒人間」程度の描写しかなくて、彼らなりのルールで谷主温客行を抹殺して取って代わろうとしています。

 ラスボスになる趙敬や蝎子に個人的なつながりはなくて、普通に反派。原作でもドラマでも一番腹の立つキャラは清風剣派の掌門。こういうところは変わりません。

 原作の方がドラマよりあっさりした感じを受けるのは量的なものもあると思うのですが、ドラマの画面作りのせいもあると思います。例えば原作では花咲き乱れる四季山荘には行っていません。楽しい年越しをするのは殺風景な龍淵閣こと傀儡山荘です。それだけでもずいぶん感じが違います。

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 もっとも温客行と付き合うようになって人格変わったと七爺と大巫カップルに言わせた周子舒と温客行の危ないやりとりは原作の方がたっぷりなのは当然でしょうか?

 そもそも原作の二人には師兄と師弟という関係はない。この関係があるから、龍雀の話を聞いて初めて温客行とは何者だったかわかった周子舒が彼を抱き寄せたりする場面が審査を通ったんでしょうね。なるほど、制作陣よく工夫してます。

 同時に、一応「兄弟」なのでこの後の二人がいくらべたべたしていても、同性恋イメージが和らげられている。

 

 温客行の身バレからの死の偽装とか二度めの鬼谷攻撃とかは原作にはなくて、一気に話が進んでいます。ドラマは長さを保証するためにも話が膨らませてあるし、派手になってるのは仕方ないところ。と言って恋話の方に力点が行ってしまって、疎かにされてるという感じは受けませんでした。

 ドラマの大結局のその後というのが彩蛋という形で出ていますが、こちらまで含めると終わり方に大差はないように思います。でも、周子舒の命を助けるのは大巫なので、六合神功がらみの話も白髪の温客行もありません。
 三か月間昏迷していた周子舒が意識を取り戻すところで本編は終わってます。

 この後に、番外が長明山での日々の話、顧湘と曹蔚寧の死後の世界での話、葉白衣の話の三編。

 

 とりいそぎ、ざっとした「天涯客」紹介ですが、何度も書いてるように私の中文理解は未学習者が都合よく妄想してるだけなので、間違いだらけ確実です。話半分、いや十分の一くらいでお願いします。

 今回お世話になったのはこちらです。https://www.zhenhunxiaoshuo.com/tianyake/

 物は試し、覗いて見られてはいかががでしょう?

最近見た映画たち 晴雅集・侍神令

陰陽師」映画二作

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 陰陽師つながりの話題作二本を取り上げてみました。

 この二つとも日本の「安倍晴明」伝説をベースにそれぞれコンピュータを駆使、人気俳優を配役したアクションたっぷり映画で、それがまたほぼ同時期に公開されるという時点でもう話題になってました。


 その上、「晴雅集」が劇場公開10日で突然上映停止になるというおまけもついて、ますます話題になってました。日本には、結局劇場公開はなしでネットのみということになりました。その点は「侍神令」も同じで、これからの映画やドラマの公開にはネットのみでというパタンが増えてくるんでしょうかねえ。

 

 どちらも主役は「晴明」なのですが、「晴雅集」の方は夢枕獏原作の「陰陽師」をベースにし、「侍神令」の方はゲームがベースになっています。晴明は人と妖の間に生まれた子どもという点は共通、共に妖と戦い都を守るという展開も共通してます。でも、できた映画の雰囲気は相当に違います。

 どちらの作品も美術設計やCGは悪くない、演員もそれぞれ納得できるキャスティング、加えて音楽を担当してるのは日本人作曲家と、そういう意味では甲乙つけがたい。中華サイトの評価をみても、「侍神令」の方が少し高評価ですが、まあいい勝負。


 見た順に行きます。

 両方ともすでに日本でも見られるので、ストーリ紹介はスルーしてます。

 

「晴雅集」

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 こちらは「陰陽師」を原作に、もう一つ「瀧夜曲」という作品との二部作・・・のはずですが、「瀧夜曲」まだ出てないですよね。

 陰陽師というと安倍晴明源博雅のコンビが、持ち込まれる怪異な事件の解決に乗り出すというパタンがお馴染み。この映画でも晴明と博雅の二人が手を組んで、妖異に対抗していくところだけは原作に則ってるんですが・・・なんか違う。

 趙又廷の晴明のキャラもかなり原作からは離れているんですが、鄧倫の博雅が違い過ぎる。音楽にたけた心優しい男、惚れっぽくて純粋、でも正義感は強いという愛すべきキャラですが、映画の博雅は彼自身が法術を使うし、人を疑うところから始まるし、威丈高だし、博雅のキャラではない。この映画の「晴明」の相棒としての「博雅」はありかと思えます。

 版権を認められたとは言っても、原作のおもむきがほとんど見当たらない。それならいっそすっぱりと名前だけを借りたオリジナルにしてしまった方が気分良かった気がする。

 と思うので、原作に目をつぶって、この映画だけの話。

 

 晴明の師父賀茂忠行と不老不死の女性芳月との愛がすべての引き金となって、都を蛇妖が襲う。話の根幹はこの二人の関係ということになります。蛇妖をなんとかして防ぎ、都を守ろうとする晴明と博雅。博雅は自分の体を朱雀神に譲り渡し晴明の式神となって、妖異との死闘を繰り広げます。いや、格好はいいんですが、こんなの博雅じゃない・・・と思う原作迷。くどいw

 

 蛇妖の王鐸と博雅の鄧倫が二人とも上半身むき出しで筋肉美見せつけています。延々と続くこの戦いに裸の男二人がずっと取っ組み合いしてたのがだめだったんじゃないかと勘ぐる向きもあるようで。とはいえ、作品そのものより導演のこれまでの所業が上映中止になった原因ではないかという見方がまあ大勢のようです。七日間も裸でワイヤにつられて怪我までした挙句に上映中止の原因と言われたら鄧倫も王鐸もたまらんよな~と同情に耐えない。

 

 この巨大な蛇の造形とか都を守るバリアとかコンピュータで作られた部分はきれいにできているとは思うのですが、その「どこでもドア」だけは何とかしてくれと思ったw

 

 演員的には早いタイミングで退場した法師瀧夜に春夏。この人が次の作品の主人公なんでしょうね、でればいいのですが。

 長平公主に王子文。登場時点の手の込んだ誰かわからないようなメイクは一場面だけでした。王鐸は最初に晴明の師父賀茂忠行の老けメイクで登場、法師鶴守月とのほぼ二役。この二人が長年にわたっていろいろな人間として巡り合うとか・・・「琉璃」で見たな、さすが郭敬明とか思ってしまうのは演員にとっては迷惑極まりないとはわかってるw

 

演 員     角色
赵又廷  飾  晴明
邓 伦  飾  博雅/朱雀神
王子文  飾  长平公主
春 夏  飾  泷夜
汪 铎  飾  鹤守月/贺茂忠行
孙晨竣  飾  杀生石
徐开骋  飾  狂画师
欧米德  飾  雪天狗
雎晓雯  飾  百目妖
芦展翔  飾  金灵子
王 倾  飾  发妖
職員
制作人   杨巍、刘博
原 著   梦枕貘
導 演   郭敬明
編 劇   郭敬明
撮 影   车亮逸
配 楽   川井宪次
芸術指導  屠楠
動作指導  孙诺
造型設計  黄薇
服装設計  侍慧
視覚特效  宋威


侍神令

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 こちらは陳坤、周迅が何度目かの共演。それに陳偉霆、若手の屈楚蕭、沈月らが加わって、豪華な画面となっています。直接に夢枕獏作品が原作とはなってないんですが、どうやら屈楚蕭の袁柏雅が源博雅、周迅の百旎が八百比丘尼、陳偉霆の慈沐が茨木童子と「原型」にはなってるようです。


 演員的にはこちらの方がキャラも多くて華やかでしょうか。加えて、CGキャラもたくさん登場して、人間のキャラと対等に活躍しています。初めに画像で見たときには子ども向きかと思ったんですが、そんなことはなかった。どこかスターウォーズの異星人たちであふれる酒場とかを思い出させるCGメインの場面と人間中心の場面が素直につながり、違和感もなく両者が共存してるのが技術の発達を実感させます。

 
 陳坤と周迅はこれまでにも「画皮」や「龍門飛甲」なんかで共演してますが、今回は、同じように陰陽師の修業をしていたが、晴明が師兄慈沐を殺したと追放され、立場を別にした。その慈沐が陳偉霆で、今回意欲満々な反派。

 こちらも途中で変身した慈沐が片肌脱ぐので、おいおい~と思いましたが、しっかり特殊メイクきめてました。


 彼の率いる妖異の群れが都に襲い掛かるのを防ごうとする袁柏雅や晴明の侍神たちが決死の戦いを繰り広げるところに、晴明が現れ妖と化した慈沐と戦う・・・

 「晴雅集」で郭守月が一体化してのっかってたのが蛇妖なら、こちらは蜘蛛妖のように見える巨大妖怪の上に慈沐がのってましたが、これ蜘蛛ではなかったwそこは茨木童子ということで、察しですか?

 

 こちらは晴明と百旎のつながりとか袁柏雅と枕月の神楽に恋愛要素のかけらくらいが見えるだけで、そちらは全くメインには置かれてません。

 ゲームはしたことがないですが、ゲームキャラの晴明は白髪なので、そこに至るまでの物語だったようです。 全体としては晴明が妖異たちのボスになっていくまでの話を描いているということでしょうか。

 

演 員     角 色  配 音
陈 坤  飾  晴 明  陈 坤
屈楚萧  飾  袁柏雅  屈楚萧
沈 月  飾  神 乐  沈 月
周 迅  飾  百旎音  周 迅
陈伟霆  飾  慈 沐  王敏纳
王丽坤  飾  桃 花  王丽坤
王紫璇  飾  雪 女  王紫璇
张双利  飾  西 残  刘 琮
CGキャラ   海坊主  孙红雷
王悦伊  飾  八彩
刘若谷  飾  少年晴明
艾 米  飾  少年百旎

職員
出品人   陶昆、刘国男、王中军、焦宏奋
制作人   王中磊、陶昆、刘国男
監 制   陈国富、张家鲁
導 演   李蔚然
編 劇   张家鲁
撮 影   王博学
配 楽   梅林茂(作曲)
芸術総監  赤冢佳仁
動作指導  李志忠
造型設計  易小雅
視覚特效  李治勇 、贾斯汀·琼斯、华特·琼斯、Andreas Jablonka

墓王之王 その2

17~32集(大結局)

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 文句言いつつ見終わりました。
 結論から言ってしまうと、やっぱり3,4年も塩漬けされるといろいろつらいよな~ということですか?
 話はわりにスタンダードに展開。攻墓派と守墓派の墓王争いに、それにかこつけて権力掌握を目指す太子の陰謀。恋愛話が駱時秋と林水瑶、桜満風と寒千落、林水瑶の弟雨琨と駱時秋の師妹千亦膤に慕容燁と櫻雪公主の4組プラスあれこれ。駱時秋と独孤漠の麒麟决同士対決、攻めてきた太子の率いる官軍と攻墓派守墓派が協力しての戦いといろいろあった挙句に、公主が皇帝から太子に「やめろ」という勅命を引き出して幕・・・あのな~~


 恋愛話の方も、おめでたく終わったのが二組、女性が彼を庇って死ぬか記憶をなくして蘇るかの悲劇の別れが一組、男性が黙って姿を消したのが一組とかバラエティはあったんですけどね~

 林水瑶が好きで駱時秋に敵対心むき出ししていた独孤漠が林水瑶のハンスト数日で「君の幸せはここにない」と解放するとか、とにかく突っ込みが足らない。

 そのくせ寒千落の「棺」を彼女を助けられる沐雪离のいる霊塔まで運んでいくのに、一人で血まみれになって引っ張っていくとか、それ何?馬車とか使えよ~なところでキャラに無駄に苦労させてるし、元からそういう話があるのかもしれませんが、脚本がね~~としか言いようがない。


 設定そのものにはユニークさも感じたのですが、繰り広げられた話が月並みすぎる。唐突に出てくる親子、親戚設定とかも何回繰り返されたことやら・・・

 制作の始まった4年前でもどうかな?というところはあるのですが、この4年の間にドラマの質がいろんな意味で向上していることを思うと今見るとやっぱり苦しい。

 それは演員的にもそうで、「刺客列伝」の出演者たちってあの時点ではほんとに「ぼくたちエキストラだから」と自分たちで言ってる程度だったかもしれないのが、そこから力も人気も伸ばしている。それなのに今これ出されて、営業的にもどうかな~と余計な心配までしてしまう保護者目線。

 「陳情令」にそっくりだというのが話題になった海報にしても、このドラマに耽改要素はかけらもないのに、何考えてるんだ?と見えてしまうのが哀しい。ついでに言うとこういう構図自体は結構見かけるわけで、「陳情令」前に出てたら話題にもならなかったはず。

 

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 配役的には易柏辰の主演に、お兄ちゃん馬振恒が付き合ったというところでしょうか?男主2の位置なのに、さほどドラマを動かしてないのがもったいない。陳雨成はまた「艮墨池」かと思いましたが、これは間違ってました。今回劉彤の方が「艮墨池」でした。と、「刺客列伝」クリアしてないとわからない説明w

 ヒロインズの方も4年の間に伸びた人もそうでない人もいるわけで・・・ま、そういうことです。


 過剰な期待をしていたわけではないんですが、タイミング的に「山河令」と「恨君不似江楼月」に重なってしまったのもあって、ずいぶん損してしまって気の毒なことになったな~というところでしょうか。


演 員     角 色  配 音
易柏辰  飾  骆时秋   王子尧
王玥婷  飾  林水瑶   刘 蕊
马振桓  飾  楼满风   邵 彤
孙露鹭  飾  寒千落   刘亦欣
陈雨成  飾  慕容烨   陈雨成
赵子络  飾  索连城   吴 韬
韩忠羽  飾  樱雪公主  张馨丹
刘 彤  飾  炙炎太子  王 聪
梁博文  飾  林雨琨   李 昕
王静薇  飾  千亦膤   杨 素
李晓峰  飾  独孤漠   王珍亮
李璐兵  飾  秦四海   余安琪
张 兵  飾  裘御铃   周 雨
姜萌轩  飾  沐雪离   刘 晴

 

职员表
制作人 吴静、周昊
監 制  林国华
導 演  孙恺凯、薛文华、祁扬
編 劇  张鹏宇
美術設計 钟志鹏

大侠廬小魚之夕陽紅戦隊

大侠廬小魚之夕陽紅戦隊

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「山河令」とか見ながら、合間合間に見てました。
 武侠ドラマのパロディです。ネタがわかると滅茶苦茶楽しい。武侠迷仲間で突っ込みながら見たかった。


 主人公の廬小魚も演じている廬正雨が自分で脚本も書いて導演もしているネットドラマ。bilibiliで公開されたというのも珍しいというか、ぶっちゃけマニア向け?

 この廬正雨、周星馳の「美人魚」とか「西遊・降魔篇」にもスタッフとして参加し出演もしているそうで、このドラマにも昔の周星馳の雰囲気があります。


 要するにあれこれの武侠もののキャラやお約束をいっぱい入れたドタバタ喜劇ということなんですが、最後にはけっこう暗転した大結局が待ってました。


 廬小魚は風清白大侠にあこがれる小さな村の貧しい青年。大侠になると夢を抱く彼は村人たちに軽んじられている。ある日、両親が殺され、ただの村人と思っていた両親に高い武功があったことがわかる。
 両親の仇を討とうと村を出た廬小魚は次々と江湖の奇人たちと出会い、仲間となっていきます。それが夕陽紅戦隊というわけです。
 その仲間たちは、死にたいと願うドラキュラであったり、甲賀忍者であったりで普通なら反派とか雑魚キャラ扱いされがちな存在。神雕をもじった雕宝もいます。

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 「梅長風」「滅絶師太」とかっぽいキャラも出てきました。他にも、楊過、小龍女、李尋歓、喬峯等を模したキャラも登場。

 そして、彼ら「英雄」たちを大衆のアイドルにして稼いでいたのがあこがれていた風清白の正体だった。それを知った廬小魚は・・・という話が全体の枠組みとなっています。


 1集の長さが20分もない短いドラマの上に、エンディング前にインタビューや「通販」なんかの小ネタが入ってきて、ドラマ自体は15分もない感じです。
 一度に見るというより他のドラマを見る合間に、気分転換に見ると言う感じでちゃくちゃくとクリア。


 誰にでもおもしろいよ~とお薦めできるような性格のドラマではないと思うのですが、武侠迷の方ならちょっと覗いて、くすっと笑うのもいいかもしれません。

 なお、同じく廬小魚キャラで「绝世高手之大侠卢小鱼」という短いシリーズもあるそうで、こちらは功夫ものに白眉とか、小龍女なんかが出てくるようですが、未見です。


 演員には、夕陽紅戦隊の画眉に蔡文静、彼女、最近「玲瓏」でも見たところですが、こんな役もしてたんですねw後、天邪孤老という見かけ子どものキャラに王滋潤が出ています。こちら、山河令の龍孝で出てました。
 それに風清白にはベテラン岳躍利。
 最後の演員表、キャラがおもしろいので全部転記して見ましたw

 

 まあ、こんなドラマもありましたというご報告です。でも、武侠迷仲間で見たら、絶対楽しいと思うんですよね~~残念です。


演 員     角色
卢正雨  飾  卢小鱼
蔡文静  飾  画眉
周卫星  飾  白眉
叶 峰  飾  千兵卫
森·安徒生  飾  德古拉
王滋润  飾  无邪孤老
杨晴瑄  飾  李建钢
岳跃利  飾  风清白
范 薇  飾  鱼水情三人组 老三
王 冠  飾  刘大侠
单林林  飾  雕宝
宫寿林  飾  卢父
包 蕾  飾  卢母
吴 健  飾  鱼水情三人组 老大
胡笑源  飾  鱼水情三人组 老二
郄 意  飾  强哥
邓紫飞  飾  柯莫多
刁 彪  飾  阿过
程 凡  飾  大龙女
王 瀚  飾  笑峰
周维克  飾  李作乐
白晶晶  飾  绝种师太
陶亚军  飾  魔七姑
刘煜宸  飾  小六
朱瑞祥  飾  风魔太郎

職員
制作人  任雪梅、裘梦婷、王思晓、孙帅、刘畅、王薪斐
監 制  果小丹
導 演  卢正雨
編 劇  卢正雨、曾云云、王熙铭、果小丹、李睦夏子(联合编剧)
美術・造形設計  李敏

山河令 その7

前回の続き 武侠迷の感想文

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 そういえば、私の温客行の武功の秘密とあの子犬に関する妄想はどっちも大外れだったようで、一安心してます。何妄想してたか?いや武侠迷ですからw「林平之」(@笑傲江湖)してないかとか思ってたw

 子犬はね~~~原作がらみでちょっといいにくいこと思ってた。

 話の展開や出てくるキャラに金庸武侠の影響を強く感じますが、主人公が男性二人とか鬼谷の設定などは古龍でしょうね。十大悪鬼なんてもろに「絶代双驕」の悪人谷の十大悪人だし、原作では男性の喜喪鬼を女性キャラにして女を泣かす男を始末するとかも同じく移花宮から来てるはず。

 

 主役はもちろん温客行と周子舒なんですが、張成岭の役割も大きい。金庸武侠劇の一つのパタンである少年の成長を描くという部分が彼に託され、ちゃんと成人し独り立ちしている姿も見せることで、彼の師父周子舒と師叔温客行の思いが結実していることも見られます。

 この張成岭、そんなに頭が悪いわけでもないのに、あの張大侠になんでこんな出来の悪い子がとかさんざん言われるのは郭靖@射鵰英雄伝へのオマージュかとか深読みしたくなる。

 郭靖と違うのは、武林全体が彼を利用しようと虎視眈々で、彼自身もそれを知って成長していくところでしょう。郭靖ならきっと利用されっぱなしw

 

 張成岭を四季山荘の後継者として育てることにした周子舒は登場時点ですでに3年の命、これまでの人生に疲れ果て、命を捨てて自由を得た人物。世を捨てた彼に再び生きる意欲をもたらしたのが温客行と張成岭。

 

 温客行は復讐のために親の仇である鬼谷に身を投じる。そこからの臥薪嘗胆の日々。彼が前谷主を殺して鬼谷に君臨して8年。彼の復讐計画が本番を迎えたのがドラマスタート時点ということになります。

 彼自身は早くに周絮が師兄周子舒だということを気づいています。だからこそ「阿絮~阿絮~」と連発してまとわりついています。残酷な子ども時代の短い幸せな思い出。「鬼」となって生きてきた温客行が再び「人」に戻ろうという気持ちを持つようになります。

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 周子舒が温客行が師弟甄衍だったと気づいてから、二人の関係は友情というより、さらに深い兄弟、家族のような雰囲気をもたらしています。二人ともこの出会いで再び生きることを思うようになったのですね。

  こういう関係は武侠劇では案外見かける気もします。

 

 原作とは違って恋愛要素は表向き排除されてるのもあって、後に行くほど耽美要素が感じられなくなっていきました。もっとも妄想しようとするといくらでもできるのは事実で、暗示もされていますし、くっついてもいますから、受け止め方ですけど。

 中華サイト巡ってると、ドラマ中に暗示されてるBL要素を細かく説明してたり、審査官が気づけなくてよかった!と喜んでたりする内容を見かけます。確かにそうで、実際にいくつかは私でも気づくほど見え見えなんですが、このドラマを「おもしろかった」と評価する第一の理由がそこではない武侠迷なので、その辺のことは他の方にお任せします。

 

 主人公二人に対して、おいおい大丈夫かとなったのが、反派の趙敬と蝎王の組み合わせ。このドラマ、こちらもきちんと描かれていて、特に蝎王の趙敬への心情の変容が見どころ。愛憎半ばするといいますが、どっちの方が強かったんでしょうかね?どうにもこちらの方にこそ同性恋の匂い、隠微な関係の匂いが濃いです。

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 温客行に六合神功を伝え、周子舒を助けさせた葉白衣も興味深いキャラでした。

 こういうこじれた性格の超達人とか、ひたすら高飛車な武林の盟主狙いの掌門たち、奇怪な風体の江湖の「名士」たちとか、武侠ドラマには欠かせないキャラがちゃんとそろっていたのが楽しい。

 彼らがまたお約束の行動をとるかと思えば、片方で大物感たっぷりだった高崇があっさり自死してしまうとか意外性もありました。

 

 こういう一筋縄ではいかない人物が右往左往しているのも武侠劇の楽しみの一つなら、もちろんアクションシーン、様々な武功の表現も楽しみの一つ。

 周子舒の軟剣、温客行の扇、顧湘の鞭等と武器も多様で結構華やか。功夫劇のようにはいかないのはもちろんですが、俳優さんたちなかなかがんばってます。やっぱりそれなりの身体表現のできる人でないとこういうドラマはそもそも無理だよな~と思う今日この頃w

 配役が大事なのはもちろんで、龚俊の軽妙洒脱な伊達男と冷酷な復讐者の両面を持つ温客行の表現も、張哲瀚のだんだん生気を取り戻していく周子舒の表現もよかった。

 それに武侠劇でお馴染みのベテランたちがまさにはまり役で顔を出してるのにも大満足。

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 造形や衣装、風景などの画面作りにどこか華やかな見栄えが意識されているのはさすが耽改劇と見ましたw

 俳優たちの動きにもそれがあって、例えばとにかく人が「跳ぶ」場面が多い。そこ、普通に走ってもいいんじゃ?というシーンでも、屋根の上を飛んでいく。その方が見栄えがするということでしょうか?

 

 もう一つ、どうでもいいことかもしれないですが、ちゃんと夜着に着替えて寝てる。靴はいたまま、マント纏ったままも当たり前の武侠ドラマでは貴重かもしれない。

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 なのに、中華古装劇名物といってもいい花びらいっぱいのお風呂がなかった!サービスカットなのか主人公二人それぞれ入浴シーンがあったけど、花びらなかった!これも貴重じゃないですか?

 とかどうでもいいことで感想文終わり。

 お付き合いありがとうございました!

 

 

演 員     角 色   配 音
张哲瀚  飾  周子舒   谷江山
龚 俊  飾  温客行   王凯
周 也  飾  顾 湘   徐佳琦
马闻远  飾  曹蔚宁   苏尚卿
孙浠伦  飾  张成岭   星潮
金 乐  飾  高小怜   聂曦映
柯乃予  飾  柳千巧(艳鬼)   乔诗语
陈紫函  飾  罗浮梦(喜丧鬼)  张馨予
黑 子  飾  高 崇   杨默
王若麟  飾  赵 敬   郭浩然
郭家豪  飾  沈 慎   齐斯伽
寇振海  飾  黄 鹤   张遥函
李岱昆  飾  蝎 王
黄宥明  飾  叶白衣   金弦
王 东  飾  晋 王   苗壮
魏哲鸣  飾  景北渊(七爷)   凌飞
范津玮  飾  大 巫   张赫
徐少强  飾  毕长风
梁家仁  飾  老守卫
沈保平  飾  老渔夫
王 岗  飾  傲崃子   赵铭洲
张双利  飾  龙 雀
刘瀚阳  飾  于丘烽   凌振赫
汪 融  飾  韩 英   魏一凡
马 兰  飾  桃红婆   马程
周小鹏  飾  绿柳翁   刘琮
杨万里  飾  邓 宽   刘康
王滋润  飾  龙 孝   张宇微

 

職員
出品人  戴玮 、马中骏
制作人  杨涵玉、张洋
監 制  谢颖、吴卫东
原 著  Priest《天涯客》
導 演  成志超、马华干、李宏宇
編 劇  小初、张晓佼、龙昱辰
美術設計 张学坤
動作指導 郭亚莎
造型設計 韩广仁
視覚特效 刘冲亚

山河令 その6

33~36集(大結局)

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 ちゃんと終わりました。と、まずこれが来る中華ドラマ迷。

 原作と比べるのは後にするとかいいながら、どうしても比べてしまうんです。何しろBLだの耽改だのへの興味はその作品そのものでなく制作と規制の「場外戦」にあるというへそ曲がりなので💦

 中盤までは原作よりドラマの方が二人の距離が近いと感じていたのですが、終盤に来ると同門の師兄と師弟という兄弟の情が強く押し出され、同性恋の雰囲気はすっかり薄くなっていきました。

 

 今回、ストーリ展開全開なので、ネタバレ上等の方限定でお願いします。

 

 温客行が死んだと思って、彼のやり残した復讐を果たすために、体に打ち込んだ七窍三秋釘を抜き去って本来の武功を取り戻した周子舒は、鬼谷に攻め入ろうという武林の一団の前に姿を現す。ところがそこに死んだはずの温客行も現れて、趙敬を告発。

 周子舒、固まっています。温客行が自分の死を偽装したことを知らなかったのは彼一人に近い感じ?教えてやれよ~

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 鬼谷の谷主ではなく、四季山荘の弟子として復讐を果たした温客行は周子舒や張成岭と共に去ろうとする。ところが清風剣派の掌門莫懐陽が彼を鬼谷の谷主とだと告発、再び一同に囲まれる。

 そこに現れた葉白衣が温客行に鬼谷に戻って二度と出てくるなと言い渡す。圧倒的存在である葉白衣には逆らえない一同は不承不承承知せざるを得ない。

 

 しかし、このやりとりの全てが温客行の書いた筋書き。蝎王の裏切りも、葉白衣の登場もみんな計略だったわけだが、それを知らなかった周子舒は七窍三秋釘を抜き去ってしまって、いつ死ぬかわかならない状態。そのことを言い出せないままに復讐を果たしたお祝いムードの温客行や張成岭、七爺たちの中にいる。

 鬼谷では顧湘と曹蔚寧の結婚の準備が進められ、沸き立っている。幸せいっぱいな二人に、温客行や周子舒たちにも笑顔があふれている。

 

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 そこへ清風剣派が祝いに来たと鬼谷に到着、師父の許しが出たと喜ぶ曹蔚寧と顧湘だが・・・

 

 ここからドラマは悲劇に変わる。

 師父の手で曹蔚寧が殺され、それをきっかけに清風剣派や毒蝎たちが鬼谷を襲う。惨劇の中、顧湘も命を落としてしまう。

 曹蔚寧はほんとに善意の人なのに、師父が邪悪・・・ま、武侠ドラマあるあるです。

 

 この顧湘と曹蔚寧のカップル、原作でも同じように死を迎えたのですが、改編するならこの二人の悲劇はなくしてほしかった。前回視聴分で、死んでもまた来世で結ばれるという話が出てきて「あ~~」と思った。本編の後の番外編の一つにまさに二人が来世で結ばれるという話があるのです。

 幸せではち切れそうなところを信じていた師父に殺された二人、この二人の姿に誰もがなんとかならんのかと思ったんでしょうね。

 悪いけど、こちらの悲劇の方が後の話より強く心に残りました。

 

 顧湘たちの復讐を果たした温客行も重い傷を負って、倒れる。

 そこに現れた蝎王が温客行を殺害しようとするが周子舒に妨げられる。

 この蝎王、温客行に協力する代わりに鬼谷にあった武庫の鍵と趙敬の命をとるなと要求していて、体の自由を失った趙敬をさらにしゃべれないように毒を飲ませて、義父~と連れまわしている。蝎王は趙敬が狙った武林の盟主など小さい、自分は武庫を手に入れて皇帝になると高ぶっています。

 そして、周子舒は蝎王たちを阻止しようと武庫のある雪山長明山へとやってきます。

 蝎王が持っていた鍵は偽物で、本物は温客行が周子舒に贈った簪子だった。で、追ってきた温客行と周子舒だけが武庫の中に入り、蝎王たちは雪崩で命を奪われる。

 温客行は葉白衣から周子舒の命を助けるための方法を聞いたと六合神功を周子舒に伝える。しかし、それは自分の命を捨てて他人を助ける種類のもので、五感を取り戻した周子舒が見たものは白髪と化した温客行の姿だった。

 「生き残る方がつらいに決まってる。師兄ならそっちを引き受けろ」と意識のない周子舒に語ったようになったのでしょうか?経脈は断たれても、命は長らえた?
 こういう言葉に私は同性恋よりも兄弟の情を強く感じるわけです。恋人同士なら同じことをしてもまた違う物言いをするんじゃないですかね?よくわからんけど・・・

 

 その後の二人の様子は描かれないままに、短い後日談がありました。すっかり立派な掌門になった張成岭が四季山荘でたくさんの弟子に囲まれ、周子舒と温客行の話をしている。そこに彼の娘と高師姑と呼ばれる高小怜が現れる。
 幸せそうな彼らの姿に、周子舒と温客行が得られなかった穏やかで温かな日常があり、四季山荘や龍淵閣の後継も育っていることが描かれ、ドラマは終わりました。

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 きれいに終わってます。

 

 ドラマには含まれなかった映像に、長明山で周子舒と白髪の温客行が共に・・・というのも見かけるんですが、そういうプロットもあったんでしょうね。正式に出された分は「ご想像にお任せします」になってます。

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 大結局の方向に複数のアイデアがあったと聞いてますが、やっぱりそれから二人は幸せに暮らしましたとさ・・・にはできないんでしょう。原作は「鎮魂」同様に、甘々で終わってるんですけどね~

 

 

 長文になってきたので、この続きや演員表とかは「下集に続く」!

 

 追記

 

 このシーン、本編からカットされたというのではなく、特典映像でした。Twitterで教えていただきました。

 おまけということですか?

 最初に音楽と回想シーンが流れるので、ついもういいわ~とスルーしてたら、最後にこんなものがついてました。まったく何があるかわからないw

 甘々じゃないですか~でも、やっぱり本編には無理なんですね。

大宋宮詞 その1

1~8集

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 なんだか不思議な感じのするドラマです。けど、幻想的だとか言うような意味ではないです。

 よくドラマで見る仁宗の一代前、真宗と劉娥を主人公に劉娥が亡くなるまでのドラマ、全61集。さて、最後までたどり着けるかどうか💦
 全68集の「上陽賦」はやめたわけではないけど、なんか視聴意欲がへたったままなんですよね~

 第一回配信分を見た限りでは、「上陽賦」よりはずっと見やすいかもしれない・・・という希望的観測してます。

 

 ドラマの初めの状況では、太宗趙光義の3人の息子たちは一番最初に孫を作ったものを太子にすると言われている。第一候補は王妃が臨月を迎えている襄王元侃だが、兄や叔父秦王はこれに不満を持っている。

 そこに大地震が起こり、戦場にいた元侃が死んだという報が宮廷に届く。その最中に襄王妃が男子を生む。死んだと伝えられた元侃は崖落ちして川に流されたところを、劉娥に助けられる。

 元侃は劉娥を伴って都開封に戻ってくるが、彼女は皇帝にも襄王妃にも受け入れられない。襄王妃の生んだ乳児が襲われ、抱いて逃げようとした劉娥の腕の中で刺殺されてしまう。彼女は犯人として囚われ殺されるところを蘇義簡の助けで生き延びる。開封を去る道で刺殺犯を見かけ、秦王府に侍女として潜り込む。

 で、彼女の活躍で秦王の陰謀が暴かれますが、彼女を襄王府に入れるとこだわる元侃に皇帝が激怒。劉娥は元侃の元から姿を消す。

 今度は皇子三人が黄河の治水を命じられ、三人そろってやってくるが、これで手柄を立てて太子になろうという許王元僖が次々と襄王の追い落としを図る。

 そして、元侃たちがやってきたその被災地に劉娥もいる。なんという偶然w

 許王の企みをかいくぐって生き延びた元侃はまた劉娥と彼女の生んだ息子を伴って開封に戻ってくるが、やっぱり認められない。でも、やっと元侃は太子に冊立され、趙恒と名前も変わりました。

 この状態で数年。太宗が崩御すると趙恒が即位。それでもまだ劉娥を貴妃とすることには重臣たちが反対。
 遼との和平のためにそれぞれの皇子を人質に交換することになったが、皇后は自分の息子を離せず、劉娥の息子趙吉が遼に行くことになる。
 この時の遼というと、「燕雲台」のころ。皇太后を初め、韓徳譲たちお馴染みの名前がずらっと並びました。そして趙吉と交換に開封にやってきた耶律康を劉娥があずかることになる。それぞれの人質生活にいろいろ事件が~というところで8集終了。

 導演は「紅楼夢」や「大明宮詞」の李少紅。「大明宮詞」はお薦めしてもらっているのですが未見、「紅楼夢」はどこか紗のかかったような画面が好みでした。この「大宋宮詞」も衣装や小道具、所作などに大変な考証をしていることはよくわかります。歌詞字幕の書体とかもあまり見かけないだし、片頭片尾の映像も独特のものがあります。何かこう、うまく言えないけどアート系?格調の高い?そんな風なドラマが展開しそうな感じなんです。

 なのに、どうも語られるドラマがどこか猥雑な感じを受けてしまって、なんかバランスがとれてない感じなんです。劉娥が潜入捜査?とかありとも思うし、何度も繰り返される劉娥はいい人、襄王は立派な人エピソードになんかもやもやはする。でも、違和感が大きくなる前にこのドラマならありかな?と納得させられてしまう。話の展開が早くて、結構大きな事件もさっさと過ぎていきます。これでよかったっけとか首ひねってるうちに邪魔ものがさっさと始末されていく感じです。某プロデューサー作品との違いは主人公が小賢しくないのと今のところ悪意がないことですかね?

 

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 でも、この後のことを考えると今のところ善意の塊のような劉娥がどこかで変身するんでしょうか?中の人が劉涛なので、どうしても「羋月傳」のことを思い出してしまうわけで💦

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 真宗には周渝民。今のところとにかく劉娥ラブでまっしぐらですが・・・そのうち、とか思うしかない💦

 私的に注目のキャスティングは太宗の涂们@左冷禅@李亜鵬版笑傲江湖と冦准の梁冠華。梁冠華は「大明風華」ももちろんよかったのですが、やっぱり狄仁杰のイメージ。今回も同じような役回りです。何しろ配音もしてるのでよそ見して聞いてると狄仁杰?とか思うw

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 61集は長丁場なのでこの先どう化けるかはわかりませんが、結構おもしろくは見ています。なのでとりあえず視聴継続。ますます危ない「上陽賦」ということになりまし

たw

 

 

《追記 2022年9月30日》

 日本での公開が始まって、なんかいっぱいこのサイトへのアクセスをいただいてます。ひょっとして「話が見えない」「話が速すぎる」あたりが原因かなと、余計な追記しときます。

 このドラマ制作時点では82集あったんです、それが削減するようにという指示を受けて、61集に。それでようやく公開ということになったと聞いています。日本版も61集なので、特に大きな改編はされていないと思われます。残念ながら、日本版見られてないので、間違っていたら申し訳ないです。

 

 こういうもんだということで、ドラマを楽しんでもらえたら・・・と思います。