江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

西游之双聖戦神

西游之双圣战神

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 7月に入ってもう一週間。今日は7月7日七夕。もう七夕、なのに一度もブログ更新していない。6月は更新9回で、最近にしては少ないと反省したたら、7月はもっと更新回数が減りそうでめげてます。

 最近日本では「陳情令」の「一応」地上波放送開始とか、「慶余年」「燕雲台」「大宋少年志」「狼殿下」等々比較的最近の話題作がどんどん日本に上陸、つい数年前にはほとんど見かけることもなかった中華ドラマを取り扱ったムック本なども次々出てきてずっと低調だった華流ドラマへの関心が高まってきているのを感じます。
 テレビに限っても地上波、CS、BSに多くの放送局が存在していますが、それにネットで動画を視聴するサブスクの利用も拡大して、コンテンツの需要が高まっているのは素人目にもよくわかります。

 こんな風に日本で「華流ドラマ」の露出が増え、視聴者も増えているのは歓迎なんですが、現地公開に合わせて視聴しているせっかちな視聴者には大問題が出現。

 大陸で古装劇が出てこないのです。7月の配信予定というか配信されるかもしれないリスト見ていても、これと言って見たいのが出てこない。
 ということは新もの食いとしては見るものがないんですよ~

 見るものがないとブログの更新も滞るのはほぼほぼ「読書感想文」の内容ゆえですが・・・


 以前にもぼやきましたが、現在はネット映画と何本かの途中で視聴ストップしていたドラマを見ながら、「慶余年」の原作をとんでもなくいい加減に読んでいるところです。新作は「覚醒年代」一つだけというなんとも寂しい現状・・・

 なんとかしてください~~😭😭😭

 

 で、泣いてても始まらないので「西游之双聖戦神」
 孫悟空が五指山に封じ込められるまでの話になります。陳浩民の名前があったので、孫悟空をまた演じるのかと思ったのですが、もう一人の「双聖」二郎神こと楊戩の方でした。

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 この映画、とにかく暗い。画面も暗ければ、テーマも暗いというか、日本人の多くが連想する西遊記のイメージからはかけ離れています。
 そもそも冒頭の孫悟空が天庭に乗り込んでいくのも、仙人になれると騙されてやってきた人間たちを鉄面星君という三界の秩序を守るという神が酷使しているのを解放しようとしたから。

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 出てくる神仙はこの鉄面星君の他には太上老君他数人だけ。とにかくこの鉄面星君がやたらに高圧的で太上老君たちも頭が上がらない。

 楊戩は鉄面星君の手先となっていましたが、悟空によって天眼を開かれ、共に鉄面星君に立ち向かうことになります。


 どうしようもなく邪悪な天庭というと彭于妟の「悟空傳」も相当なものでしたが。こちらも鉄面星君が女性だし、楊戩はあっちからこっちに乗り換えるし、なんか似通ったところがあるような?ただし、こちらには恋愛要素はないです。
 次は多分狄仁杰もの見るつもりです。


演 員     角色
陈浩民  飾  杨戬
丁汇宇  飾  孙悟空
张楚萱  飾  铁面星官、琉璃
王千友  飾  杨天佑
邓立民  飾  太上老君
何其炜  飾  哪吒
韩银龙  飾  司命真君
张振福  飾  无寿真君
郭糖维  飾  少年杨戬
杨雪儿  飾  云华仙女


職 員
出品人  尹兴良、牟雪、王建章
制作人  穆鲲、卢又溪、邢雅丽、陈晶茜
導 演  罗乐
編 劇  于鹏、王瑞
美術設計 羊帅、钟未溪
動作指導 杨皓翔
造型設計 张婷
視覚特效 刘元富、柳新途

無双花木蘭

邦題:ムーラン ー戦場の花ー

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 今月WOWOWで見た映画三つ目。

 これ、「ムーラン 戦場の花」という邦題に思い切り視聴意欲削がれてしまいました。見てみれば予想通り、特にこの映画には、花木蘭が女性だからと引き起こされるよくあるエピソードも恋愛ドラマ要素もほとんどない。
 老父に代わって男装して従軍した花木蘭の物語は何度も映像化されています。最近だと劉亦菲が主演したディズニーの「ムーラン」が話題になりました。と言っても、covid-19での上映中止が話題になったので、劉亦菲を初めとする関係者の皆様にはお気の毒な限り。


 この映画「無双花木蘭」という原題だけあって、主人公の花木蘭が柔然軍との戦いに大活躍するのが前半、後半は孤立した城塞常平倉を木蘭たち数人の兵が死守するという話になります。
 一応、木蘭が女性であることがばれかける、いやばれるとか言う話も出てきますが、こすっからい裏切り者が彼女を窮地に追い込むとかするのか、めんどくさ~とか思っていたら、ちょっとそんな空気が流れただけでほぼスルー。


 とにかく話の中心は、攻めてくる圧倒的な柔然軍からどう城塞を守るか、というところにしかない。老父の代わりに出てきただけの木蘭が国を守り、民を守るという強い使命感で兵たちを鼓舞し、戦いの先頭に立ちます。

 

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 戦闘場面は結構多いんですが、量的にも質的にもかなりしょぼい。個別のアクションは結構がんばってましたが、逆に「無双」過ぎて笑えて来るレベルとも言える。


 そして、話のテーマは国と人民を守る兵たちの活躍というより彼らの犠牲にあるように見ました。

 

 最後に生き残った木蘭と李亮が柔然軍に囲まれ、もはやこれまで!というところに王子拓跋碩が援軍を率いて現れましたが、果たして二人は救われたのかどうかもよくわからない。
 これほど戦いの悲惨さを前面に押し出した花木蘭というのはちょっと記憶にないです。にもかかわらず、「戦場の花」などという邦題つけるセンスがわからない。男ばかりの戦場に女一人だから「花」という古臭い固定観念がしんどい。

 ネットを見てるとディズニーの映画と間違えてレンタルしてしまったというような嘆きもたくさん見かけます。まあ、予算も何もけた違いと思えば、これはこれでそんなに悪くもないかと・・・

 でも、やっぱりこういう海報はまずいね~こういう要素も場面のかけらもないのに、劉亦菲版まがいw

 大陸でも海報詐欺とか言われてしまってるのはしかたない。

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 とはいえ、視聴者が木蘭の話を知っていること前提の展開でいろいろ詰めが甘いし、広げた大風呂敷回収できてない感はぬぐえないのは残念。


演 員  角 色
胡雪儿  花木蘭
魏 巍  李亮
吴建飞  拓跋碩
職員
編劇・導演  陳成
動作特技   赵尚宝

覚醒年代 その1

1~15集

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 中華古装劇に見たいのが来ない~と嘆いていたら、こちらを薦められました。

 私、古装劇迷なんですけどね~武侠迷が本業で、最近の新作に多い甘やかなラブコメとか、ねっとりした愛憎劇とかがどうにも苦手で、たまに見るとおもしろいものが全くないわけではないんですが、連続してみる根気と勇気と元気がない。

 それよりはずっしりした歴史劇とか政治闘争劇なんかの方がまだ敷居が低いんですよね~とはいえ、辛亥革命後の民初の時代にはほとんどなじみがないんで、ついていけるか不安。

 けど、まずは3分の1くらい見たわけですが、今のところ視聴意欲も途切れないし、十分続きを楽しみにして見ています。


 20世紀の初めに中国で起こった新文化運動、「新青年」、魯迅とか胡適の名前は知っていたし、学生時代に魯迅の「狂人日記」とか「阿Q正伝」くらいは読んだ記憶もあります。

 けど、今回のドラマの主人公陳独秀とか李大釗、蔡元培になると、今回初めて名前を覚えたという程度の知識レベル。

 

 もっとも今回「阿Q正伝」再読していたら、陳独秀の名前も出てきて、本というものは何度読んでも新しい発見のあるものです。

 ドラマは、陳独秀と李大釗が早稲田大学で出会うところから始まります。そこから舞台は上海、北京へと移っていきます。

 

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 登場してくる人々は実在の人物がほとんどと思われますが、とにかくキャラが立っている。

 陳独秀袁世凱と相いれずに日本へ亡命していたのですが、家族は置き去りにされてしまう。激しく憤る長男と次男は父親の思想には敬意を払うが「父」としては認めない。

 李大釗は家族の生活を顧みることなく給料をすべて施してしまう。

 こういう「革命家」とその家族の話がドラマの中で浮くことも、バランスよく取り込まれています。

 1917年、蔡元培に招かれた陳独秀新青年ごと移っていった北京大学、北大は、また多士済々。

 陳独秀や李大釗らの改革派とあくまでも大清帝国に忠誠を尽くす、中国の伝統文化を守るという保皇派が対立しています。

 この蔡元培が学長となって北大改革を進めている中、無能なイギリス人教授を解雇しようとしてイギリス政府から難癖付けられると、対立する教授たちが共に交渉に臨むとか話が対外ということになると協力し合うわけです。

 保皇派の老教授辜鸿铭は、すでに学生たちの嘲笑の対象になってる辮髪を誇り、どこへ行くにも従者二人を従えている。この頑固一徹な老教授、実はイギリスやドイツ、フランスにも留学し、外国語にも堪能、決してただ頑迷なわけではない。こういう人物の描写は絶妙です。
 なかなか込み入った人物で、今のところ一番の注目キャラ。とか言うと、怒られそうですw

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 ドラマは周樹人が魯迅の筆名で口語文による「狂人日記」を発表、注目を浴びるところまで進みました。

 この「狂人日記」も読み返しましたが、日本語で読むと当時の中国に衝撃を与えた口語体による小説ということが今一実感できなかったのが、ドラマに出てきた中国語だと迫るものがありました。仕方のないこととはいえ、翻訳の限界でしょうか?

 新青年、北大を中心とした新文化運動のドラマを見るのも興味深い。これまでこのあたりをメインに展開するドラマも映画も見たことがないので、新鮮でもあります。あくまでもドラマと映画なのが、中華ドラマ迷w

 

 特に興味深く見ていたのは、北大の教授会でも講義の場面、新青年の会議なんかでも、まず立って深く礼をして発言するというあたり。こういうのは新文化運動が批判した儒教から由来する士大夫の礼なんじゃないですかね~などと生半可な知識で突っ込んでました。真偽のほどは全く知らない💦

 そして、蔡元培たち新文化運動を進める人物たちが決して保皇派の辜鴻銘たちを排除しようとはしない、議論をしようという、そして彼らの発言権を否定せず、大いに議論する。「私は君の意見には反対だが、君が主張する権利は命がけで保証する」と言ったのはヴォルテールでしたか?そういう精神がこの時代には生きていたんだな~とあちらを見てもこちらを見ても思わずにはいられなかった今日この頃。

 

 演員的には、陳独秀に「軍師聯盟」の曹操他でおなじみの于和偉、胡適の朱剛日尭は「孔子春秋」の孔子、辜鴻銘の畢彦君は「琅琊榜之風起長林」の荀白水、毛沢東の侯京健は毛沢東をたくさん演じてますが張紀中制作の「鹿鼎記」の楊溢之が記憶に残っています。どのキャラも一癖ある感じで、なかなか興味深い顔ぶれになっています。

 ということで、現在このドラマ中心に、あちこちで見つかるネット映画、TwitterのTLにつられて「慶余年」やら「陳情令」なんかをつまみ見しているところです。

 なんか私向きのドラマこないかな~

伏虎武松

邦題:タイガー・ハンター 水滸外伝

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 こちらもWOWOWで見ました。日本では劇場公開もされたようですが、网络电影でしょうか?

 武松の景陽崗での虎退治をモチーフに、宋・金・遼の対立、遼の皇子の陰謀、婀娜っぽい老板娘を挟んだ義兄弟の話とかで話を大いに膨らませています。

 遼と金の対立が激化、金の存亡が危うくなっているとき、金の皇子二人が腐敗しきった宋の皇帝から宋軍を動かすための詔勅を得る。その詔勅を奪おうと遼の皇子耶律述は金の一行を襲うが、そこに現れたのが武松。息を引き取る前の金の皇子からその詔勅を景陽崗の三娘に渡してくれと頼まれた武松は耶律述の攻撃をかわしつつ三娘の店へと向かう。

 三娘とその未婚夫呂茅柴たちも否応なく冷酷無比な耶律述の攻撃にさらされることになります。

 見どころはもちろん酒を飲めば飲むほど強くなる武松のアクション。

 なかなか体をはったパワフルな武打シーンが続きました。血しぶきがめちゃくちゃ飛ぶし、情け容赦なく一般人が殺されるし、アクションもストーリもかなり重い目の展開。

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 そこに三娘の酒場でのコミカルなやりとりとか三娘を武松に取られまいとする呂茅柴とか、武松の筋肉とか三娘の太ももといった息抜きシーンも挿入されて、さらに武松と呂茅柴、三娘の間に通う心情も描写。

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 反派の耶律述はとにかく高飛車で冷酷な反派で、情け容赦なく武松を追いつめます。

 そして、景陽崗ですから、当然武松は虎を退治するわけですが、なんと虎は二頭登場。

 

 最初の虎は武松に髭を抜かれてすっかり更生、耶律述の操る黒虎と派手に戦いを繰り広げます。CGでこういうシーンが出てきても、最近はあまり違和感を感じなくなりました。以前は中華ドラマというとなぜか動物のCGだけが見劣りするというのが普通だったのですが、そういうこともなくなりましたね~

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 むやみに長い期間を取り扱わずに、ポイントを絞って脚色する方が作劇としてはうまくいくようで、これも武松というビッグネームをうまく作りたい話に当てはめた感じでもさほどの違和感もなく仕上がっています。
 中国网络电影というジャンル、注目していくのもおもしろそうです。

 

角 色    演 員

武 松    袁福福

贞三娘    闫佳颖

耶律述    张亚奇

吕茂柴    吕宇


職員

制作人  刘慧

導 演  崔炎龙

動作指導 罗杰

編 劇  崔炎龙,陈萍萍

 

江東戦神少年周瑜

邦題:三国志周瑜孫策

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 6月のWOWOWの中国ドラマは「燕雲台」、ドラマは「モンスターハント~王の末裔~」こと「捉妖記2」がまず目について、後はしっかりチェックしてなかったんです。

 「三国志周瑜孫策~」というのは原題「江東戦神少年周瑜」で、なかなか面白いという情報が入ってきました。

 最近、このテレビ局、中華ドラマのいいのを持ってきてくれるんでうれしい。加えてオンラインでも見られるので、テレビの時間に合わせたり、こまめに録画したりする習慣をなくした人間にはとてもありがたい。

 もうずいぶん長くWOWOWの視聴契約をしていて、結構お高いので、何度も「今度こそもうやめる」と思うのですが、そのたびになんか見たくなるのが出てくるんでやめられない。そもそも契約したころはディーン・ケインの「新スーパーマン」目当てだった覚えが・・・SF迷だったのよね~

 それが今では面白そうな中国ドラマやるから、契約切れないとかw
 
 
 とまあ、昔話は置いといて~~
 この「三国志周瑜孫策~」(江东战神少年周瑜)同日に放送された「ムーラン 戦場の花」(无双花木兰)「タイガーハンター 水滸外伝」(伏虎武松)がそれぞれトンデモ展開ながら、おもしろかったんですよ。

 先日、中華サイトで見た射鵰英雄伝の2作もそうでしたが、予算やらなにやらの制限の多い中で知恵絞ってるな~というところも楽しいし、突っ込みどころ満載でもエンターテインメントのツボは外してない気がしました。

 というわけで、WOWOWで見られるノーマークだった中国映画追いかけています。

 だって、私好みのドラマが来ないんですもの~

 

 とまあ、現状報告も置いといて~~
 まず「江東戦神少年周瑜」、邦題が「三国志周瑜孫策~」これを知らずに、真ん中あたりをいきなり見たりしたらこれが「伝国国璽を巡る周瑜孫策の話」とか絶対に見えない。普通にピリピリした武打シーンの続く武侠映画です。つまり私の好みw

 孫策周瑜はもともと友人だったが、袂を分かって周瑜袁紹配下の曲軍師の元でスパイ活動をしている。その周瑜が伝国国璽を私蔵して逃げている孫策と伝国国璽を探せと命じられる。

 ここから始まる孫策周瑜の争い、伝国国璽を奪おうとする謎の一団と二人の戦い、そこに巻き込まれた女侠小喬と姉の大喬と話が進みますが、基本武打シーンを見せる映画だと見ました。

 話としては孫堅が戦死し、袁術の旗下に入るまでの短い時期を描いているんでしょうが、そんなことはどうでもいい感じです。

 孫策周瑜は対立しながらも、共に次々襲い掛かる敵と戦い、再び友情を育てていきます。

 ほとんどの戦いは暗い中で行われるんですが、光と闇のバランスとかが私好み。緊張感も高いし、アクションの質も高くて満足です。

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 これが三国志かというとまあこういう話のアクション映画を撮りたかったところに三国志のエッセンスをまぶしたというところ?
 でも、十分楽しめたし、周瑜孫策が武術の達人でも、大喬小喬姉妹が女侠でも、笑って楽しめられるレベルに脚本もできてたと思うので、私は満足。

 演員的には、最近何かというとチラチラ顔出す梁家仁が袁紹で登場、孫堅の孙蛟龙はあちこちでおなじみ、それ以外はごめんなさい、記憶にない、でなきゃお初・・・💦

 それにしても孫策周瑜の見分けがつかないのには参った。もうちょっと衣装あたりでアクセント付けてほしかった。


角 色   演 員

周 瑜   李先时

孙 策   王子宸

小 乔   孙 瑜

曲军师   贾金龙

袁 绍   梁家仁

高将军   海 子

大 乔   孙一心

孙 坚   孙蛟龙

職 員

導 演 :姜炫亦

動作指導:郭立鹏

造型設計:吴茂丽

出品人 :冉鸽美龄

編 劇 :耿峥,张琦,胡岳,王国军

監 制 :韩一

服装設計:张雪琦,汤渺珍

射鵰英雄伝之降龍十八掌

射雕英雄传之降龙十八掌

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 昨日の「射鵰英雄伝之九陰白骨爪」に続いて、ネット映画化された「射鵰英雄伝」です。

 う~~ん、結論から言ってしまうと「射雕英雄传之九陰白骨爪」の方がおもしろかった。

 

 こちらは砂漠から中原へとやってきた郭靖と家出してきて乞丐に混ざってる黄蓉の出会いから、崋山論剣で西毒を負かし、黄薬師に二人の結婚を認められるまでを実にコンパクトにまとめてあります。

 どのくらいコンパクトかというと、出てくるのは郭靖、黄蓉、黄薬師、江南七怪、欧陽峰と欧陽克それに洪七公、老頑童だけ。楊康と穆念慈も成吉思汗も完顔洪烈も誰も出てきません。

 

 とにかく飛ばしまくります。あっという間に恋仲になった郭靖と黄蓉が洪七公と出会い、桃花島に結婚の許しを得に行くとそこに欧陽峰たちがやってきます。江南七怪が殺されたのも郭靖がまだ桃花島にいる間、師父の仇~というのもあっさり欧陽克が「俺がやった」とばらしてしまう。

 九陰真経を郭靖が覚える必要があるので、老頑童は登場しました。

 その九陰真経を欧陽峰が郭靖から聞き出すのも、黄蓉を人質にしてあっさり。

 

 登場人物もエピソードも大ナタをふるっています。

  そのくせ最初の方で欧陽克の侍女たちが生足振り上げて郭靖を誘惑する場面なんかは延々と描写している。「射鵰英雄伝」を見るのにそんなもの見たいと誰も思わんだろうに。

 梅超風の話をドラマにするには原作にないエピソードを作って膨らましたわけですが、こちらはその反対。やっぱり原作を薄めてしまってます。無理してこんなに長丁場を描かなくても、例えば桃花島での比武で終わっておいたらよかったのに~とか思ってしまう。どうせタイトルは「射雕英雄传之降龙十八掌」なんだから、九陰真経を引っ張り出す必要もなかったかもしれないw

 

 演員的には今回は黄薬師の関礼杰と老頑童の林子聡がよく知ってる顔。

 後はほぼ知らない顔ばかりですが、こちらの黄蓉はあまり「黄蓉」らしくない。可愛さと聡明さに、邪気が加わってさらに郭靖にはデレデレという入り組んだキャラが黄蓉で、ただ元気なだけではないはず。

 郭靖の方は、普通に純朴な青年やってるんですが、変に賢さを見せることがあったり、とことん鈍かったりと何か違和感がある。郭靖の中の人は「天盛長歌」で寧昇の若いことをやってたそうで、企む人の方が向いてるのかもしれない。

 まあ、コンパクトバージョンですから、仕方ないか。やはりこの二人のドラマはじっくり時間かけて見せないと収まりが悪いんでしょうね。

 なんか昨日も見たような場面w

 

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で、今回の欧陽峰と欧陽克はこちら。そろってレゲエ風になりました。

 

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 林子聡の老頑童は、こちら。昔の香港制作のにあった感じ。

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 関札杰の黄薬師は厳屹寛版よりは「東邪」らしかったけど、いくらなんでも表情なさすぎでは?

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 今回これはいい造形!と思ったのはこちらの王重陽。今は亡き于承恵を思い出させる造形で満足。

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 加えて残念なのは、このタイトルなので期待した降龍十八掌を初めとする武打シーンがしょぼかったこと。九陰白骨爪の方が遥かに見ごたえがありました。

 といって、箸にも棒にもかからない不出来な作品ということでもなく、武侠ドラマに飢えている私にはそれなりに面白かったのも事実です。


郭 靖   耿业庭

黄 蓉   林妍柔

欧阳锋   杜德伟

黄药师   关礼杰

欧阳克   朱鉴然

王重阳   骆应钧

周伯通   林子聪

洪七公   岳东峰


職員


導 演   朱凌锋,刁羽

編 劇   朱先中、王師尭、黄嗣軒

動作指導  王程

造型設計  王熙雨

美術設計  九宬

芸術指導  傅鸫

視覚效果  向飞

 

射鵰英雄伝之九陰白骨爪

射鵰英雄伝之九陰白骨爪

 

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 ネットで公開される映画というのは映画って言っていいんでしょうかね?とずっと思ってる。

 映画というのは映画館か何かの大きなスクリーンでゆったりと映画の世界に浸るもの、その場にいる観客とその世界がもたらすものを無言のうちに共有するものと思う。ネットで見る映画は何か物足りない。

 网络大电影、ネット映画というジャンルはもう確立している感じだけど、個人的には「火曜サスペンス劇場」とか「土曜ワイド劇場」的な位置づけですかね~

 とはいえ、こうドラマ日照りだとそっちの方に興味が移ってしまってる今日この頃。

 当たりはずれも大きいけど、予想外に結構楽しく見たのがこの「射鵰英雄伝之九陰白骨爪」

 梅超風が黄薬師の弟子になるところから、死ぬまでの彼女の一代記です。冒頭から凶悪無比と知られる梅超風の知られざる愛とかなんとか言ってたのが不安要素で、まあ確かにそうなんですが、後半になるとあまり気にならなくなりました。

 

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 まあ、突っ込みどころいっぱいで一人でキャーキャー言いながら見てました。

 冒頭、梅若華こと将来の梅超風が市場でかっぱらいをしているところを若き日の黄薬師に拾われます。もちろん黄蓉と郭靖の出会いから持ってきてますな。

 この網劇で唯一私が知っていたのが黄薬師の厳屹寛。今回はほんとに他の演員は誰一人知らない。でも出てくるキャラは全員よく知ってるw

 

 桃花島で師父や師兄弟たちと楽しい修業ライフ。彼女は黄薬師に恋心を育て、師兄陳玄風は彼女に恋心というあたりがめんどくさい💦

 彼女の恋心に気づいた黄薬師は彼らを置いて一人島を離れ、二年経って戻ってきたときには妻と半分の九陰真経が一緒。

 これで陳玄風と共に桃花島を去ることになり、二人で草原へと移動。

 ここからはほぼ原作の通りに話が展開、郭清が陳玄風を殺し、楊康が梅超風を師父に、大人になって最後は帰雲荘に一同が集まってきます。

 有名キャラを演じる演員たちはそれなりに「らしい」造形。でも、こういう欧陽峰は珍しくない?

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 子ども時代の郭靖が予想外に小さい子でかわいくて、びっくり。

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 青年になった郭靖は今どきの線の細いイケメン、

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楊康の方がらしいでしょうか。

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でも、二人ともちょろっと顔出しただけw

 

 笑ったのはこちらの黄蓉が何となく胡歌版の時の林依晨、

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 欧陽克が楊旭文の時の劉智揚を思わせる。

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 そういや若い時の梅超風はごく普通の造形で主人公感がないと思ったんですが、後半になるとなぜか眉毛ぼうぼうで李亜鵬版以前の「怖い梅超風」イメージに寄せてきている。

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 オープニングに「鉄血丹心」を使ってるし、衣装とかメイクとか何かとこれまでのドラマとか映画をつまんできてる?気のせい?

 ただ一人著名な演員厳屹寛の黄薬師は「東邪」感が薄いのが残念。どうも梅超風の実らぬ恋の相手という位置づけの方が大きいようです。梅超風の死の場面、こんなだし~w

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 これ、武侠仲間で一緒に突っ込みながら見たら、どんなに楽しかっただろうな~

 ストーリ展開も、某トンデモ神雕侠侶とかに比べりゃ十分個人的許容範囲内だし、アクションもスピード感があって、悪くなかったので、それなりに満足できるんじゃないでしょうかね~


演 員  角 色

严屹宽  黄药师

阮 巨  梅超风

黄曦彦  陈玄风

何昶希  欧阳克

更登彭措 欧阳锋

汪小敏  冯蘅

林柏叡  杨康

杨秀措  韩小莹

廖银玥  黄蓉

刘 涵  郭靖

職員

導 演  傅鸫

編 劇  曹红红,双艺

美術設計 九宬

造型設計 苏志勇

服装設計 李萌