江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

剣王朝 その2

 18~34集

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 残り半分。
 武侠要素、ゲーム要素、「秦の始皇帝」要素に恋愛要素とかも取り込んで制作されたドラマで、どこかに深みにはまることもなく最後までするりと見終わることができました。

 ただ、後半になると「秦の始皇帝」要素を持った「蘅王元武」の他国との争いの話、そこに元武の跡継ぎを狙う次男が長男の太子を毒殺しようとする話とかも入ってきて、朝廷権力闘争の様相が強く出てきました。方や、丁寧や浅雪の方では、彼らを執拗に追う王后葉甄一味と仲間たちの協力を得て戦うという武侠色の濃い話が展開。


 予想通りの展開で、丁寧は実は10年前に文字通り燃え上がって死んだと思われていた梁驚夢が「九死蚕神功」の力で蘇った姿だということが発覚。これで、浅雪との関係が微妙になるわ、ほんとはあなたが好きだった的に葉甄が迫ってくるわ、浅雪を襲うわと恋愛話展開。

 立派なのは、白羊洞の大師兄で掌門を継承した姜黎、たとえ誰であっても自分にとっては師弟の丁寧だと動揺することがない。最初から丁寧を大事にし尊重してきた師兄なので、思いがけない丁寧の正体を知っても揺れる必要がないんですね。人間裏表がないって大事。

 悪人も大勢出てくる話ですが、太子元子初とかこの姜黎とかほんとに善良な人物の描き方も悪くないです。
 だいたいこの悪事もなんでも国を守れたらよいという蘅王朝廷では王の元武以下悪いのがうじゃうじゃいるんですが、元武は葉甄がまだ梁驚夢があきらめてないだろうと嫉妬してるし、葉甄は義理の息子の太子を大事にしてるし、次男は「善人」太子が気に入らなくて兄を殺そうとあれやこれや・・・といっちゃなんだが月並みなことでドロドロしてる。
 そこに復活した梁驚夢=丁寧が乗り込んでくるわ、周辺の国は手を組んで襲ってくるわと四面楚歌状態。

 

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 誰もいなかった九鏡まで到達した梁驚夢には八鏡の葉甄も元武も敵わないのが「武侠世界」的ルール。かつての恋人に手を下すことを躊躇した梁驚夢だったが、葉甄は自ら彼の剣に倒れる。元武も戦いに敗れるが・・・他国が襲ってくる中、今蘅国をまとめて他国に対抗できるのは元武だけ、国王不在では国が滅亡すると命を取らない。


 そして元武は瀕死の太子の枕もとで、お前が死んだら次の王がいなくなってしまう。だから毒を盛った次男を殺せない・・・と苦悩の表情を見せる。


 こちらの話は、武侠ドラマより政治ドラマになってきてます。「王上、八鏡おめでとうございます」とか言っていた臣下たちも、梁驚夢と元武の戦いを(横店影視城の秦王宮)の大階段にずらっと並んで見物していても彼ら自身が戦うことはしない。
 なんというか前半ではそうでもなかったのですが、後半になると武侠要素と歴史劇要素を無理やりつぎはぎした感じが強くなりました。
 蘅国存続のために元武を殺さないというのは武侠劇としては中途半端な感じもしますが、このドラマの展開ではこういう着地点になったのは当然かと思います。


 微妙な関係になった公孫浅雪と丁寧=梁驚夢の関係は、落ち着くところに落ち着きそうな場面まで来て、葉甄に襲われた浅雪が命の危機。


 それを助けようと内力を注ぎ続ける丁寧が成功したのかどうか?

 「陽亢難返之身」ってのは九鏡に到達してチャラになったのか?

 死の床にあるらしい太子はどうなったのか?

 蘅国と他国連合の戦いはどうなったのか?

 等をいっぱい曖昧にしたまま、いきなり10年後のクレジットが出て、どこかの仙境めいた山奥の家の周囲を剣が飛び回るカットでラスト。

 いったい最後はどうなったんだ?という書き込みもたくさん中華サイトで見ましたが、そりゃそうだよな~という気がします。


 最近、こういう終わり方多いんですよね。「ご想像にお任せします」というのか「ひょっとしたら続編あるよ~」というようなパタン。「慶余年」のように最初から第2季があるとわかっているのは別として、一応ちゃんと結末付けておけよ~というしかないです。
 まあ、これもおもしろくないわけではなかったのです。いや、けっこう楽しく見られました。


 急速に成長していく李現の丁寧、最後には九鏡にまで到達し白髪交じりになってますが、その衣装どうしたんだとか突っ込みつつ、変容を見るのが楽しかったです。武侠劇はやはり初めての主演だったようですが、アクションが豪快な感じでよかった。

 

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 李一桐の浅雪は、10年前の梁驚夢との別れ場面から演じているのですが、前髪があるかないかの違い。で、むっつりしてるか、まなじり決しているか、怒ってるか、泣いてるかで笑顔の場面を見た記憶がない。あの「鶴唳華亭」でさえ、最初の方は笑顔満開だったんですけどw

 この浅雪、梁驚夢を知るほかの人物が丁寧の正体に気づいていく中、なかなかそこに到達できない「靖王」状態でしたw

 

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 元武の劉奕君は、さすがに国王の威圧感も十分。今回は実子の劉怡潼が太子を演じていて、父子が絡むシーンも多かったのですが、息子氏、王としての気概を見せる父の迫力の演技に気おされていたのは演技というだけではない気がしました。


演 員     角色          配音
李 现  飾  丁宁          苏尚卿
李一桐  飾  长孙浅雪(公孙浅雪)  马海燕
刘奕君  飾  蘅王元武
姚 笛  飾  王后叶甄        张喆
赵圆瑗  飾  夜策冷         白雪岑
何润东  飾  梁惊梦         郑希
肖 旭  飾  谢长胜         梁晓强
李光复  飾  薛忘虚         宣晓鸣
刘怡潼  飾  元子初         钱文青
刘 凯  飾  姜黎          魏超
张维娜  飾  白山水         阎萌萌
刘海蓝  飾  谢柔          刘曼
宗峰岩  飾  百里素雪        吴凌云
马敬涵  飾  梁联          凌振赫
孙绍龙  飾  孙醒          王凯
卢庆辉  飾  林煮酒         林强
张明明  飾  陈玄          常进
何中华  飾  拓跋无愁        严明

職員

出品人 龚宇、郭雨程

制作人 戴莹、陆国强、卞江、郝笑雨、周征源、周可慧、陆添、靳林

監 制 冯小刚

原 著 无罪

導 演 马华干、苏飞

編 劇 饶俊、陈景怡、龚一洲、史益鑫

芸術指導 冯小刚

美術設計 华丕焓

動作指導 江道海、吴兴宇

造型設計 苏志勇

視覚特效 冯艺