38~49集
漢王朱高煦・趙王朱高燧という叔父2人と朱瞻基の帝位をめぐる争いから、オイラト族との闘い、朱瞻基の死と畳みかけるように話が進みました。
叔父2人との血族の争いを彼らサイドについた者たちを裏切らせるという手段で勝利を収めた朱瞻基。こういったやり口ってのはやっぱり朱家らしいというべきでしょうか。そして、朱瞻基は叔父を殺すなという祖父、父の言いつけを守って彼らを幽閉。趙王はすぐに手のひらを返して朱瞻基に「皇上~」とすり寄り、漢王の動きを伝えるスパイになります。しかし、こういったすべてが漢王の企みで、彼は自分たちを朱瞻基に殺させることで史書に悪名を残させようとし続ける。直接手を下さなくても、命じなくても、叔父漢王一家を死に追いやり、趙王を幽閉して死に至らせたのは朱瞻基であると・・・なるほどこういう勝負の付け方もあったんだ。
漢王の中の人俞灏明は「那年花開月正圓」の杜明礼と同様しつこく主人公を苦しめる敵役なんですが、ここでは鮮やかに退場、でも残された朱瞻基にはずっと続く痛手が残ってしまうというものすごく嫌な去り方。なのに、なぜか漢王の好感度高いんですよね。俞灏明、徹底した仇役ぶりがいっそ爽やかでした。
朱瞻基には孫若微と胡善祥のそれぞれに息子が誕生。漢王との関係を知られた胡善祥は廃位の上道観に追いやられ、孫若微が皇后になる。
しかし、オイラト族との戦いで、あろうことか馬哈木と一騎打ちして勝利を収めるが、自身も重傷を負う。これが早死にしてしまう前振り。
朱瞻基の死によって、空位となった皇帝の座をめぐって朝廷は揺れる。というのも皇后孫若魏の息子朱祁鎮は病がちで立たず、しゃべらず・・・これでは帝位は無理と誰もが思う中、突然走り出す少年という苦笑するしかない展開。
許されて息子とともに宮廷に戻ってきた胡善祥は黙っていても帝位は息子祁鈺のものと余裕の表情だったか、がっかり。
こうして、太后孫若微が政務を仕切ることになる。
9歳で皇帝の座についた朱祁鎮は、皇帝に寄生してうまい汁を吸おうという大監たちに囲まれていい気になってるバカ殿そのもの。バカ殿ぶりを発揮してる「刺客列伝」の執明との最大の違いは、国民の姿が見えてるかどうかですね~執明はバカやっていても、国民の幸不幸は意識してたけど、この朱祁鎮にはそういう視点はまるでない。そのバカ殿が「戦争ってのもおもしろそうだ」と再び力を付けてきたオイラト族との闘いに自分から出て行って、あっさり捕獲されてしまったところで49集。
私の予想より朱瞻基の治世の描写が短く、父や祖父の死から続く漢王との争いが丁寧に描写されてました。こういう頭脳戦は好み。
一方、朱瞻基との最初の子を妊娠したのに流産してしまった胡善祥が代わりの子どもを得ようと男を連れ込むとか後宮ドラマで見たことのあるような話はあっさり処理されていて、個人的には好感。かつて妹の手を放してしまったことを負い目に感じている孫若微は何くれと妹に協力するのですが、そろそろ破綻が見えてきた感じです。
40集過ぎて、永楽帝につながる皇帝一族が退場、朱瞻基の幼い息子二人が残されたことになります。政務を司り、幼い皇帝を良い統治者に育てようとする孫若微ですが、朱祁鎮には祖母になる太皇太后の扱いにも頭を抱えてます。まあ、最大の苦悩は息子の出来が悪いということでしょう。
その息子朱祁鎮を演じるのは張藝興。「老九門」とか「黄金瞳」とか見てきましたが、今度はさらに演技の質を求められるはずで正直ちょっと不安もありました。とにかくがんばって演じてますという意気込みは伝わってきます。ちょっと力こぶ入れすぎって気もしますがw
当初出てきたのがこういう画像だったので、イケメンルックス捨ててやり切るのかと思ったけど、普通でした。期待外れ?一安心?まだこれから?
「大明風華」の別タイトルが「大明皇妃・孫若微」ってのが納得できる大奮闘の孫若微です。ただ妹との関係、夫の母との関係も必要以上に突っ込まず、政治家としての描写の方に重点がおかれているので、私にも見られる。
「やった~戦争だ~」と遊び半分で出かけて行った朱祁鎮お気に入りの大監王振が、朱祁鎮を抱え込んで重臣や将軍たちとの間に立ちふさがり、皇帝親征を好機と待ち受けるオイラト族の思う壺にはまってしまう。
心ある臣下が皇帝に近寄るのを邪魔し、太后との間に波風を掻き立て、皇帝をただの遊び人にとどめ、自分は権力を握って巨額の財産をこしらえる王振はも皇帝同様まだ年若い大監。その王振が大勢の養子を持っていたり、自らひげを焼いてへつらう重臣も出てくるとか、大監の害はしっかり描写されています。ため込んだ自分のお宝を留守の間に盗られてはたまらんと馬車2台に積んで遠征に付き従った王振は、皇帝の気ままを煽り立て、オイラト族の襲撃の危険を説く将軍を皇帝に会わせず、この負け戦の原因を作っています。オイラト族の攻撃のさなか瀕死の樊将軍に撲殺されますが、時すでに遅し。明軍は壊滅、皇帝は一人人質として引き立てられていきました。
これでほぼ4分の3。いつ後宮ドラマになってしまうかとひやひやしながらの視聴が続きますが、この分では最後まで行けそう? さっさとクリアしないとなんかいっぱいリスト膨れ上がってきたのです。