1~10集
2017年のドラマ「河神」の続編。3年前にぶっつり終わったところから、始まってます。
私のこの横溝正史っぽさもある話が好きだったので、続き待ってました。
もっと早い時期にできていたように聞いてたんですが、公開されるのに3年もかかってます。
待ってたんですが、スタッフもキャストもほぼ同じメンバーなのに~なんか違うよ~という嘆きの感想文。
河神と呼ばれる水死人を引き上げ、祀るのを専門にしている特殊なプロフェッショナルの郭得友と科学万能主義者の丁卯、巫女の顧影、新聞記者をしてる肖蘭蘭の4人の男女を主人公に、天津の町で起こる不気味な事件に取り組んでいくというのが前回のお話。
魔古道との戦いの最後の結末がどうなったかわからないままにエンドマークが出てしまって大いにストレスだっただけに、続編をとても楽しみにしていました。
不安要素は二つ、なんと言っても主役の郭得友の李現が降板したこと、2018年当時幻玄劇とかタイムトラベル系、怪談系なんかへの規制が強くなってきたころに作られていること。
どうも不安的中のようで・・・
李現の代わりに郭得友を演じる金世佳は年齢も李現より5つばかり上のベテランで、「愛情公寓」なんかに出演している人だそうですが、私にはほぼお初。ただ元水泳の選手だったそうで、そこはこのドラマの主役にはちょうどいいかな~とか思ってた。
ところが、ふたを開けてみると水中シーンはほとんどない。
キャストが彼以外はみんな前作から引き続いて出ているし、特徴のある衣装も変わってない、ヘアスタイルも李現の時とほぼ同じ…という状況で、金世佳という俳優の持ち味を生かすというより、李現バージョンに合わせてしまった。さらに言っちゃえば李現の代役にしか見えない。なのに李現の持ってたシャープでミステリアスな雰囲気は金世佳には薄く、どちらかというとふんわりとソフトで人懐っこい雰囲気と地に足の着いた印象がするんですよね。ドラマの内容によってはその方がいいでしょうが、ここでは求めているものが違った気がします。
さらに、規制のせいもあってと思うのですが、10集まで見てきた事件にホラー風味がない。「河神」というより他の民国期を舞台にした推理ドラマ、「民国奇探」や「民国少年探偵社」なんかと大差ない事件が起こって、河神である必要もなさそうな探偵役を郭得友たちが担当している感じです。「神探」とか「罪夜無間」の方がよほどおどろおどろしい展開でした。
世界観が変わってしまっているのに、主役たちの極端な髪形や衣装と言った造形や設定が前作と同じなので、整合性が取れなくなっている。重量感のある伝奇的な雰囲気やエピソードがあってこその造形だったと思うんですよね。もったいない。
すっぱり路線を変えて、新しい主役を生かすような衣装とか設定とかすればいいのにと・・・気の毒に思えてくる。
といっても、ガチに前からの続きなんで仕方ないかね~~
これ、「河神2」でなければ、それぞれの事件も、大枠を作っている水質汚染とかの環境問題、それにまつわる古来の文化と欧米から入ってきた新技術の対立なんかの話は結構興味深く見ていられるんです。
同じようなパタンで主役含めてごっそり入れ替わった「将夜2」ってのもありましたが、あれは世界観そのものは変わってなかったから新しいキャストへの違和感はあっても、それにがっかりするってことはなかったんですけど、今回はキャストの変更より世界観が変わってしまったことにがっくり来てます。
全24集しかないんで、もう半分近く見たことになるんですが、後半で立て直すってことはないでしょうね・・・なんか悲しい。でも、見る!