江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大侠霍元甲 その3

35~45集

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 陳真が本気で霍元甲に入門してから大結局まで一気に行きました。

 さすがに陳真が騙されたまま霍元甲殺すとかいう話にはならないだろうとは思いましたし、実際そうはならなかったんですが・・・いやもうびっくりしましたw

 いつもはドラマのネタ晴らしは極力避けるんですが、今回はばらし放題させていただきます。というのは、一つには霍元甲の話を映像化するのはこれが初めてじゃないし、私がそうだったように外国人との試合の最中に毒殺された霍元甲の仇を弟子の陳真が討つという流れはある程度周知の事実だと思うからです。もう一つは、このドラマものすごく功夫シーンが迫力あって素晴らしいのです。ぜひ、日本でも多くの人に見ていただきたい。となると、ネックになるのが仇が日本人というところになるのですが・・・

 今回、そのあたりのドラマメイクがずいぶん違ってるように思います。


 ということで、今回珍しくネタばらしてしまいますw

 霍元甲は旧来の門派間が対立する武林を近代的なものに改めねばならないと考えて、自らの精武体操会を設立します。ここにはかつて霍元甲の命を狙った鷹爪派や上海の各派の掌門たちも指導者として参加、中国武術の世界を刷新することに力を注ぎます。

 

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 このドラマ、ずばりここで終わっているのです。


 さて、そこまでの話ですが・・・

 鷹九は陳真を使って霍元甲を始末しようとした計画が失敗。今度はかつて霍元甲を監禁し麻薬中毒にしたフランス人ベルトランや日本人と手を組みます。
 かけ試合で中国人武術家を次々餌食にしていた租界の外国人たちはこれに反対する霍元甲を排除しようと企みます。


 このあたりは「知ってる」展開なので、あ~これから日本人武術家とかイギリス人拳闘家とかと試合して、毒盛られるんだな~とか知ったかぶりして、つらい展開を覚悟してました。
 ところが、まず日本の武術家阿部三郎一門との対決はベルトランに買収された審判がえこひいきしても、阿部自身が負けを認めてしまいます。それを攻められた阿部は切腹

 毒使いの鷹九はやはり霍元甲の茶に毒を入れますが、それと知らない霍元甲がその茶を栄先生に献じてしまったために毒殺失敗。


  生き延びた霍元甲はさらに世界一強いというボクサーと戦うことになります。ところが、ボクサーとの闘いでも死にそうになったところを霍元甲に助けられて自ら負けを宣言。


 こうして霍元甲は中国人のヒーローとなり、「武林の盟主」的な存在となります。しかし彼は武術界の刷新のために精武門を改め精武体操会を立ち上げます。家庭内でも次男も誕生、大団円でドラマの幕が閉じました。

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 え?霍元甲、毒殺されないの? ということは陳真の復讐劇ないの?
とびっくりする展開でした。これはいいのかねw

 

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 釈小龍ってば、李小龍や甄子丹、李連杰たちとせっかく肩を並べたのに・・・ちょっと気の毒。


 このドラマ、通してみると、相手がだれであれ武打シーンそのものはまともなんです。やたらに強かったり、しつこかったり、憎たらしかったりするけど、手抜きはなし。久しぶりに功夫アクション満載のドラマを楽しませてもらいました。

 霍元甲というと中国武術界の伝説だし、非業の死を遂げた英雄というのが一番に来るイメージだったんですが、ここではそれより中国武術界を近代化した「武林の盟主」で良き息子、良き夫、良き師父という理想の人物という感じが強い。

 

 作り方によっては、正義の人は霍元甲とその仲間だけ、外国人はすべて悪人という描き方もあるのですが、このドラマではあまりそういう感触はしませんでした。

 どちらかというと清朝の役人たちの出来の悪さが強調され、呂鷹四のような私怨を晴らすために権力を使うものとか、何の能力もなくただ外国勢力や朝廷の圧力に唯々諾々としてるだけの地方官、お前が負けたら清のメンツが潰れるから姿を消せと言いに来る西太后側近の大監とかが勢ぞろい。心ある清官は最初に殺されてしまいましたし・・・


 全体としては、外国人にも中国人にも善人も悪人もいるという描き方がされていました。特に武術家については、最初霍元甲を殺そうと乗り込んできたり、師父の仇とうらんでたりもしましたが、試合をして、誤解が解けると互いに腕を認め合って、最後には精武体操会に集結していくというパタンが繰り返され、鷹四のような例外を別にすれば、国境も門派も超えて武術をする人はみんないい人的な表現になっています。


 それにその鷹四との戦いにしても、どの戦いにしても、とにかくアクションのレベルが高いし、きちんとした功夫場面で、爆弾やらピストルやら持ち出さないし、最初に決めたルールを途中で変えたりしないし、功夫自体へのリスペクトを感じることができました。


 ところが、予想外に大団円で終わったこのドラマ、後半の最大の悪人鷹九の結末がついてないのです。さては、続集かという声も聞こえてきます。


 とにかくこのドラマ45集、わかりやすくテンポのいいストーリ展開、大勢の達人による功夫場面をたっぷりと楽しむことができました。いろいろと突っ込みどころも多くて、見ながら「なんという偶然!」とか「やっぱり出て来た!」とかあまりの都合の良い展開に苦笑もしましたが、途中からドラマ全体が闇落ちしてしまったような展開に比べれば大満足。私の固定観念を破壊してくれたハッピーエンドも歓迎です。


 やっぱり私には、宮廷ドラマもラブコメもじっとりした恋愛ドラマも向かないということを痛感した45集の功夫ドラマ視聴でした。 

 で、あれこれ放り出して、ただいま「暗黒者」第2季リピしてますw


演 員     角 色  配音
赵文卓  飾  霍元甲   吴凌云
毛林林  飾  王云影   季冠霖
释小龙  飾  陈 真
王之一  飾  沙 燕   徐佳琦
贾宏伟  飾  刘振声   班闯
吴 超  飾  农劲荪   张原铭
郑斌辉  飾  沙 狼   范哲琛
寇家瑞  飾  黄文发   胡良伟
张春仲  飾  鹰 四   赵铭洲
高 雄  飾  霍恩第   高枫
哈斯高娃 飾  霍 母   邓小鸥
卢 琳  飾  霍家大嫂
鲁佳妮  飾  何玛丽   张惠霖
周 斌  飾  许大有   郭浩然
许政国  飾  高 奇   宋杨
黑 子  飾  大刀王五  杨默
梁小龙  飾  孙无疾   郭政建
王绘春  飾  荣先生   齐克建
周裕靖豪 飾  小 伍   朱祎
福乐克  飾  费德勒
张敬言  飾  小 莲
史梵希  飾  山 本
郭 伟  飾  鹰 九
钱 漪  飾  魏知县
大利  飾  赫尔曼
徐 敏  飾  薛知县
于洪州  飾  常德利
克拉克  飾  贝特朗
刘 威  飾  曹总编
廖崇儒  飾  左 叔
高玉庆  飾  徐大人
帕夫洛  飾  亚历克斯
刘牧梅  飾  黄公公
赵秋生  飾  阿部熊三
纪 沨  飾  藤 原

職員
出品人  薛继军(总)、龚宇(总)、廉洁、岳丽娜
制作人  王浩(总制片人)、李莅樱(总制片人)、王冰(制片人)、金宏宇(制片人)
监制   庄殿君(总)、王晓晖(总)、曾映雪(总)
导演   柏杉(总)、刘方、孔繁龙(后期)、田武林(执行)、吴艳杰(执行)
编剧   郭靖宇(总)、李梓逍、魏风华、董明鉴
美术设计 陈鑫(指导)、杨辰、张一博
动作指导 周洋、王林
服装设计 倪淑敏(组长)、张涛(副组长)