１～１２集
2017年に制作されたドラマ、ずっとお蔵入りになっていて、今頃出てきました。
主演が「太子妃昇職記」「将軍在上」で人気が出て上り調子の盛一倫。相手役にちょうどこちらも「歓楽頌」で人気になったころの王子文、加えてアクション監督が馬玉成というので結構期待してたんですよね。
ところが・・・
この手のＣＧ満載の幻玄ドラマで３年も塩漬けされていると、技術的な進歩が～～となるのはしかたないか。と頭では理解してても、さすがに今どきこういうガサガサした動物ＣＧ見せられるとげんなり・・・
３年前というと「九州海上牧雲記」とか「三生三世十里桃花」「擇天記」なんかのＣＧフルに活用したドラマがたくさん作られて、絢爛豪華に空想世界を展開させていたんですよね。そこから考えるとまずこのあたりで相当にあ～あという気分になったのは事実です。
舞台となる世界。５００年前に太古妖剣を封印するために帝西の妻で剣霊の姫凰が犠牲になる。帝蒼はその死に際して、後を継ぐ者に妖剣の災いを取り除けと命じた。九華門はその言葉に従って帝蒼の力を持つ星魂石の真の主人が出現するのを持っている。
妻が犠牲になった帝西は暗夜妖皇となって、人間界への復讐を果たそうと虎視眈々。
どっかで聞いたことが・・・そうなんですよ～途中で止まってる「天舞紀」とほぼ同じ。悪い予感・・・
３年前に出来てたし、原作もあるんで、パクったとかそういうことではないんでしょうが、「天舞紀」に限らず、どうもエピソードに新鮮味がない。あれこれ思い出しながらの、最初の設定を簡単に・・・
古羿国では皇帝が倒れ太子は年少無知であるとして、皇帝の弟羿横が摂政王として権力を一手に握る。国には秦家、莫家、白家、葉家の四つの世家がある。はやい話が秦家と莫家は忠臣、白家と葉家が奸臣です。
羿横にとって秦・莫の両家が力を合わせて皇帝や太子に与すると困るわけで、朝廷内の奸臣たちとかを利用して、まずこの両家を滅ぼそうと企んでいる。この羿横が、自分の息子に太子より派手な格好をさせて皇帝きどりとか・・・「軍師聯盟」の第二季思い出しますね～悲惨な末路。
盛一倫の演じる秦問天は秦家の義子、最初経脈が絶えている絶脈の者として、白・葉家から軽んじられている。初め白家から強要されて白秋雪と婚約していたが、権力が摂政王に移ったことで一方的に婚約破棄される。こっちは「闘破蒼穹」を思い出しますよねｗ
この秦問天が刺客に襲われて崖落ち、そこで謎の人物に出会い星魂石に主人として認められ、経脈が通じ五重天星魂を通じることができた。つまり一気に高手となったわけです。他にもいっぱい先例はあるけど、とりあえず段譽か虚竹か＠「天龍八部」というところｗ
そして、お約束の「入学試験」で実力発揮、世間をあっと言わせます。もう「擇天記」でも「将夜」でも好きなものを思い出していただきたいｗ
彼が入った九華門には、朝廷から逃れてきた太子羿无为、莫家の娘で皇帝によって郡主の称号を与えられている傾城たちがいる。
白秋雪や新たにその婚約者となった葉無缺らが太子や問天、傾城らの命を狙う中の「学校生活」です。
この古羿国での権力争いと「学校」での争いに加えて、暗夜妖皇の企みがうごめいています。
とにかく登場人物が多いし、話の展開が遅いので、なんか乗り切れません。
解説なんかを覗くと秦家を滅ぼされた問天が太子を助け、簒奪者たちを退けるというような展開（ありがち）なのですが、全52集のうち10集見終わった段階でやっと秦家への攻撃が始まったところです。
これが「少女大人」だと始まった時にはヒロインの一族はもう滅ぼされているわけです。10集以上見てから、この展開はちょっと辛い。
演員的には、盛一倫、王子文の他、向佐、景崗山、謝君豪、黄海冰とお馴染みの名前がそろってます。
ただどう考えても盛一倫や向佐の「学生」役はちょっと無理が・・・しかも「年少無知」と皇帝のそばから排除された太子が向佐・・・どうもあのやたらキラキラした映画の「封神伝奇」のムキムキ雷震子のイメージがよくなかったか？筋肉しか記憶に残ってない。
莫傾城の王子文ですが、絶世の美女なんですよね、この役。王子文ってそれを売りにしているようなキャラじゃないと思います。
それぞれにしっかりしたキャラを作れる俳優さんがそろってるのに、なんかキャスティングに違和感が付きまとってます。ただ、このストーリが学生時代あたりでとまらず、「大江大河」のようにずっと何年も彼らの人生を追っていくのなら話は違うと思うのですが・・・どうなんでしょう？
女性キャラで言うと莫傾城を除く他のキャラが似たような感じで区別つきにくい。白家の根性の悪い姉白秋雪と軽薄でウザい妹白晴のメイクがことにつけまつげビラビラで悪目立ちしてますが、みな同じような感じ。
というかこのドラマ、全体にメイクが今一つという気もする。
暗夜妖皇の配下なんか歌舞伎顔負けの白塗りですからね～もっときちんと特殊メイクしてもよかったに。
どうも期待したほどに、ドラマに乗り切れてないんですが、その原因がこういうＣＧや造形の残念さとか登場人物が多すぎてまとまりがないあたりにあるのは確かです。
でも、それよりも私がこれはな～と思うのは主人公の秦問天の影の薄さです。というか5分の1見てきてもあまり彼に目的意識がない。正義感があるし、仲間を助けるために義侠心を発揮することもあるけど、まだ何がしたいかはっきりしない。これから秦家一族滅ぼされ、一人生き残って、復讐を誓い、太子を助けて国を奪い返すというような展開になるのはわかるんですけどね～
まだ莫傾城の方が、暗夜妖皇の企みに対抗していく行動に出るとか目的意識がはっきりしてる。
ここから秦家滅亡、多分本人は葉無缺たちに追いまわされるというようなつらい展開が待ってると思うんですが、それを乗り越えて主人公が存在感を増してくれるのを期待しています。
