48~59集
嫪毐の謀叛後の話になります。
Youtubeで見た同時代扱った別のドラマの嫪毐謀叛シーンのしょぼいのには言葉もなかったのですが、このドラマ、戦争場面に惜しげもなく人と予算とロケ地を割いているのには毎回感心します。
ちなみに上述のドラマでは嫪毐他数人が謀反するぞ~と出てきたところに、嬴政と呂不韋が10人ばかりの兵を率いて出てきておしまいというものでした。比べるまでもないとは思うけど、やっぱりなんか言わないと口がかゆいw
ドラマのテーマというか何を見せたいかはそれぞれなのですが、やっぱり迫力ある画面を目の前に見せられるとそれだけでうれしくなれます。
嫪毐の乱の始末が着いた後は、今度は宗族の問題に直面することになります。嫪毐の反乱を抑えるために嬴政に協力した宗族は、嫪毐を大后のところに送り込んだ責任を問われた呂不韋が咸陽を去るのを満足そうに見送る。これで秦を治めるのは自分たちで、李斯たち外臣ではないと嬴政に迫ります。
呂不韋、最後に「呂氏春秋」を残して咸陽を去っていきました。段奕宏の呂不韋は徹底して「商人」の物腰を崩さず、つかみどころのない人物像でした。もっと権力欲に燃えた造形をするのではないかと思っていたのですが、どうも従来の呂不韋像に囚われていたようです。
宗族の要求に対して、李斯と嬴政がとった策は「やらせてみる」というもの。外臣追放の令が出て、大喜びの宗族一同。早速、各官職について実務をとろうとしますが、外臣たちが去ってがらがらの役所にたじろいだところから始まり、やる気だけでは何一つうまくできない。
それにいち早く気がついたのは宗族の長である嬴傒。結局、外臣抜きには秦の現在の姿も、ずっと目指してきた天下統一もないと、宗族は外臣と協調していくことを受け入れます。
嬴政母子が咸陽に到着して以来、この嬴傒もずっと登場しているんですが、どんどんいい様子で老成していくのが良い感じです。
国内が治まるといよいよ天下統一だと六国に矛先を向けます。
まず、どこから攻める?などと、嬴政と重臣たちが計略を練る場面がたびたび出てきますが、そこが秦の現時点、ドラマの進行を確認するにも役立っています。
ということで、趙国をターゲットにした計略が進行。並行して趙サイドの動きが描かれます。
もともと幼いころに趙で人質として艱難辛苦をなめてきた嬴政です。ここは狸を決め込んで、趙王に罠をしかけます。
趙の方でも、嬴政を牽制するために雍城に置かれている趙姫を攫おうと丞相の郭開を送り込んできます。結局この計画は失敗して、趙姫は咸陽に戻ることになります。
この郭開を演じている劉冠麟。「龍門鏢局」以来どちらかというとコミカルな演技を見てきたんですが、おべっか使いで卑屈、自分の利益優先というこじれた人物像を演じきっています。
趙国内でも、趙偃に王位を奪われた趙佾が暗君趙偃を葬ろうとしているなど、不安要素が大きくなってきている。
趙との盟約を結びたいと言ってきた秦にやってきた趙国王趙偃ですが、疑り深い彼はなかなか盟約を結ぼうとしない。まあ、嬴政たちの計略にひっかけられようとしているのですから、そう簡単にひっかけられてはつまらないw
秦と趙が盟約を結ぼうとしていると聞いて、それが実現すれば趙に攻められるのはうちの国だ!と焦った燕王は太子丹を秦に送り込んできます。
太子丹も幼いころに趙で嬴政たちと共に趙偃に苦しめられた仲間。嬴政は彼に対してそれなりの友情も感じていますが、太子丹は嬴政の国王としての深慮遠謀が理解できず、溝が深まっています。
そして、趙が燕を攻撃。
これをチャンスとして、秦が一斉に趙を攻め始めます。
この戦争場面が見ごたえ十分。この場面、凍り付いた湿地のようなところでされてるんですね、呉磊の「奇星記」でも凍った川の上で撮影されてましたが、だから何?俳優さんたち気の毒に~って感じでした。でも、今度は違う。氷の上での戦いがこれでもかと表現されていました。
寒いさなかに毛皮をまとっているのも各国それぞれでそれも楽しい。
騙された趙王は、とうとう血を吐いて倒れますが、すでに郭開は秦に買収されているし、疑い深いせいで有能な将軍は遠ざけられてしまったし、彼を支えるのは娼妓から王后にまでのし上がってきた倡后。内部に爆弾抱えながらも趙がここまで大国として存在してきたのは、彼女が裏で男たちを操った成果かもしれません。
こうして、天下統一へと進みだした秦ですが、すでに文字の統一や道幅の統一などの動きも始まっています。
長いようで、残り20集を切りました。1日3集ずつ更新ということは年内には大結局を迎えるわけです。趙高も登場して、いよいよ最後へ向けてのクライマックスということで、テンション下がらないままの視聴者です。