江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

贅婿 その1

1~10集

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 全くの予定外で飛び込んできたコメディ。
 
 豪商の娘の入り婿になった寧毅の活躍を描いたコメディと言ってしまえば、珍しくもない感じですが、これめっちゃ特別でした。特に「慶余年」視聴組には特別すぎて、もう大爆笑続きです。

 まず俳優陣。主人公の寧毅が郭麒麟。蘇檀儿に宋軼。つまり慶余年の范閑の弟范思辙と妹范若若。そこに、范家の父范建の高曙光、王啓年の田雨、柳如玉の趙柯、それに范閑の張若昀も顔出して、これで「慶余年」のスピンオフでもパロディでもないと言われても納得できないところ。

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 原作はあるんですが、大改編がされているそうで、話は「慶余年」のパロディの様相を呈しています。

 

 話の冒頭は現代。とある作家が今書いている小説の主人公「江皓辰」をさっさと始末して新しい小説を書けと編集者に攻められてるところから始まります。

 現実世界と小説内世界がかぶって、友人に裏切られて死のうとしている江皓辰がこのままでは死なない!と気を失い、目が覚めたら武朝の寧毅になっていたという設定。

 これ、すべて小説の中の話になるわけですが、この冒頭場面からして「慶余年」の枠組みっぽい。

 しかも、小説の主人公江皓辰を演じているのが張若昀、どういうわけか彼を裏切る友人役が張暁晨と豪華w

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 これで、出番終わり?なわけないよね~と言いたくなるw

 

 で、やってきた武朝。武周ではなく武という国のようです。蘇家の長男の娘檀儿が従兄や叔父を差し置いて、蘇家の後を継ぐためには入り婿をとることが必要で、そのためにだけいわば契約結婚をする相手と決まっていたのがこの寧毅。入り婿=贅婿がゲットできなければ、彼女は外に嫁に出されてしまい、蘇家の商売を継ぐことができない。

 まず入り婿問題をクリアして、次に新たに始める店を成功させて、一族の実権を握る祖父を納得させる必要があってなかなか大変。

 その上、次々と邪魔が入るわけです。

 なんとか檀儿の結婚を邪魔して、蘇家を自分たちのものにしたい二叔とその息子、彼女に勝手に惚れている別の豪商の息子なんかを相手に、寧毅の活躍が始まります。

 

 話の展開もいいし、品の悪いネタも出てこない、芸達者な演員たちが次々登場してくるだけで普通におもしろいんですが、これ絶対に「慶余年」を見てることを前提で作ってる。

 元々「慶余年」と同時に制作が決まっていたようですが、最初からこんなのにするつもりだったんでしょうか?

 何しろ、郭麒麟と宋軼というと、「慶余年」でむちゃくちゃ金勘定が早くて商売の才能があるどこかとぼけた弟范思轍に、どう見ても范閑にはブラコン、弟にはビシバシ厳しい姉范若若。この二人が、とりあえず「夫婦」で、だんだん寧毅を評価してくる檀儿というだけで十分に笑える。

 しかも、今どうなってるか知らないけど「慶余年2」では、また共演するんですよね?それを思うとまた笑える。

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 このドラマ自体は、檀儿が寧毅の助けを借りて商売を成功させる話と二人の関係が基本になっていくんだと思いますが、やっぱりなんか「慶余年」のパロディの感じ。

 范閑と同じく未来の知識を持っている寧毅がそれを商売に活かしたりもしてます。でも、寧毅が作ってるのは皮蛋。となんか可愛げw

 「慶余年」の「立て板に水」技として范閑の漢詩暗唱と並んで范思轍の利益計算というのがありましたが、今回もまた長大な計算をまくしたてています。寧毅は、范閑ほどではないけど、そこそこに戦闘力もあるし、商売の才能も高くて、一人で范閑と范思轍をやってる感じ。「不行不行~」も登場して、郭麒麟絶好調ですw

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 「慶余年」には出ていなかった演員でも顔なじみがたくさん。檀儿を追い落とそうとする二叔親子が岳暘と劉冠麟。劉冠麟は「大秦賦」の郭開とか虚勢を張るけど実力はあまりない腰ぎんちゃくの役が最近多いです。うまいからね~

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 後、檀儿の父が馮暉。なんというか、個人的には「岳父大人」三連発w

 物語は、寧毅の才知で危機を乗り越えてきた檀儿の店が彼女に邪な感情を持つライバル店の息子烏啓豪によって店を閉めざるを得なくなるところまで来ました。
 これを乗り越えるために、「入り婿」仲間たちや知り合った姑娘たちが力を貸します。

 どうにも寧毅がもう一人の范閑に見えて、この演員です。その上、皇帝ではなく大師が、宮廷の池で釣りをしてるとかどう見ても「慶余年」を連想させる場面が出てくるし、もうこれがパロディでなくてなんなんだ?という気分で一人盛り上がって見ております。

 

 中華サイトを見ていたら、「琅琊榜」と「偽装者」の関係と並べているところを見つけました。なるほど、そういえば・・・なのですが、それよりもっと関係性が深いと思います。