射雕英雄传之降龙十八掌
昨日の「射鵰英雄伝之九陰白骨爪」に続いて、ネット映画化された「射鵰英雄伝」です。
う~~ん、結論から言ってしまうと「射雕英雄传之九陰白骨爪」の方がおもしろかった。
こちらは砂漠から中原へとやってきた郭靖と家出してきて乞丐に混ざってる黄蓉の出会いから、崋山論剣で西毒を負かし、黄薬師に二人の結婚を認められるまでを実にコンパクトにまとめてあります。
どのくらいコンパクトかというと、出てくるのは郭靖、黄蓉、黄薬師、江南七怪、欧陽峰と欧陽克それに洪七公、老頑童だけ。楊康と穆念慈も成吉思汗も完顔洪烈も誰も出てきません。
とにかく飛ばしまくります。あっという間に恋仲になった郭靖と黄蓉が洪七公と出会い、桃花島に結婚の許しを得に行くとそこに欧陽峰たちがやってきます。江南七怪が殺されたのも郭靖がまだ桃花島にいる間、師父の仇~というのもあっさり欧陽克が「俺がやった」とばらしてしまう。
九陰真経を郭靖が覚える必要があるので、老頑童は登場しました。
その九陰真経を欧陽峰が郭靖から聞き出すのも、黄蓉を人質にしてあっさり。
登場人物もエピソードも大ナタをふるっています。
そのくせ最初の方で欧陽克の侍女たちが生足振り上げて郭靖を誘惑する場面なんかは延々と描写している。「射鵰英雄伝」を見るのにそんなもの見たいと誰も思わんだろうに。
梅超風の話をドラマにするには原作にないエピソードを作って膨らましたわけですが、こちらはその反対。やっぱり原作を薄めてしまってます。無理してこんなに長丁場を描かなくても、例えば桃花島での比武で終わっておいたらよかったのに~とか思ってしまう。どうせタイトルは「射雕英雄传之降龙十八掌」なんだから、九陰真経を引っ張り出す必要もなかったかもしれないw
演員的には今回は黄薬師の関礼杰と老頑童の林子聡がよく知ってる顔。
後はほぼ知らない顔ばかりですが、こちらの黄蓉はあまり「黄蓉」らしくない。可愛さと聡明さに、邪気が加わってさらに郭靖にはデレデレという入り組んだキャラが黄蓉で、ただ元気なだけではないはず。
郭靖の方は、普通に純朴な青年やってるんですが、変に賢さを見せることがあったり、とことん鈍かったりと何か違和感がある。郭靖の中の人は「天盛長歌」で寧昇の若いことをやってたそうで、企む人の方が向いてるのかもしれない。
まあ、コンパクトバージョンですから、仕方ないか。やはりこの二人のドラマはじっくり時間かけて見せないと収まりが悪いんでしょうね。
なんか昨日も見たような場面w
で、今回の欧陽峰と欧陽克はこちら。そろってレゲエ風になりました。
林子聡の老頑童は、こちら。昔の香港制作のにあった感じ。
関札杰の黄薬師は厳屹寛版よりは「東邪」らしかったけど、いくらなんでも表情なさすぎでは?
今回これはいい造形!と思ったのはこちらの王重陽。今は亡き于承恵を思い出させる造形で満足。
加えて残念なのは、このタイトルなので期待した降龍十八掌を初めとする武打シーンがしょぼかったこと。九陰白骨爪の方が遥かに見ごたえがありました。
といって、箸にも棒にもかからない不出来な作品ということでもなく、武侠ドラマに飢えている私にはそれなりに面白かったのも事実です。
郭 靖 耿业庭
黄 蓉 林妍柔
欧阳锋 杜德伟
黄药师 关礼杰
欧阳克 朱鉴然
王重阳 骆应钧
周伯通 林子聪
洪七公 岳东峰
職員
導 演 朱凌锋,刁羽
編 劇 朱先中、王師尭、黄嗣軒
動作指導 王程
造型設計 王熙雨
美術設計 九宬
芸術指導 傅鸫
視覚效果 向飞