江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

夜凛神探

1~24集(大結局)

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 一応第1季、第2季各12集の計24集となってますが、事件のど真ん中で第1季終了して、何事もなかったかのように第2季に続いています。というわけで、全24集一気に見ました。1集が35分前後の短いのもあるので、わりにするっと見終わりました。
 時間的なこともあるんですが、ドラマ自体にあまり盛り上がりがないというか、華がないというか・・・地味?いや、地味というよりなんかこんなもんでいいか~という投げやりな感じがしてしまうところもあるんですよね。で、何か盛り上がらないままに大結局にたどり着いてしまいました。


 ドラマの根幹は一応古装劇の探案ものにラブコメ絡めているというよく見るパタン。
 中華サイトによると完璧なイケメン成楊と推理の達人君無咎の男性二人と、武功抜群の蘇文月とわがまま放題の欧陽楚楚の女性二人が事件の解決にとりくみ、さらにその裏にある真相に迫るというような紹介がされています。


 ところがですね~これをいうとファンの方に怒られるかもしれませんが、この主人公グループ4人がちっとも光ってない。キャラも立っていない。

 一応主人公その1らしい成楊は安査司という捜査機関の役人、上司の欧陽定賢の下で、師妹の蘇文月、CSI的な仕事や謎解きに活躍する推官君無咎、成楊哥哥は私のものとけたたましくまとわりつく上司の娘楚楚と共に事件に取り組むところはきちんとしてます。

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 そして、このウザい娘を甘やかし、特にこれと言った能力もないのに安査司の仕事をさせることに同意した父親欧陽定賢と、父親の冤罪を晴らしてくれと同行するようになった鏢局の袁雅琳を合わせた6人がメインメンバー。

 ミステリ部分にはさほど文句つけるつもりはないんですが、なんか全体が変に見えるんですよね・・・ なので、ミステリ以外の部分はネタ晴らしご容赦を。

 

 まず、この欧陽父娘。いくら娘が可愛いからといって、「私、この制服似合うでしょ」「成楊哥哥と一緒にいたい~」とか言われて、押し切られてしまうとかねえ・・・こんなのを「大人」と呼ばされる下役の皆さんがほんとにお気の毒。

 

 この楚楚、始終何かしら超絶まずい料理を作って成楊に持ってくるんですが、こういうパタンもよく見る、そのたびに、君ら味見をしないのかと突っ込む。こういう自分勝手な思い込みキャラはひと時乱発されていましたが、最近はちょっと見なくなっていたんですけどね~なんかもう古臭い感じのするキャラになってます?
 そして、途中から登場した侠女袁雅琳に成楊が一目ぼれ、またひとしきりキーキーと騒がしくなりました。

 

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 もう一人の蘇文月は一応武芸の方は一流なんですが、これがまた人の話をちゃんと聞かずわめきたててうざい。
 その相手になるのが君無咎なんですが、こちらは頭は切れるが武芸はからっきしという組み合わせ。
 この君無咎の中の人李熹子。刺客列伝や櫃中美人なんかで見ていますが、主役で見るのは初めて。

 

 まあ新人に近い人ばかりです。それが悪いとは思わない。それで大成功した「陳情令」のような例もあるわけです。でも、このドラマの場合、どうもスタッフに彼らを引き立てるような演出をしようという部分があまりなかったのではないかと思ってしまうのです。

 例えば、メイクや結髪。3人の女性のキャラは明らかに違うのに、うっかりすると文月と楚楚の区別がつかない。いずれにしても二人とも安査司の制服着るとコスプレしてる中高校生くらいとしか見えない。

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 この二人に比べるとまだ袁雅琳はキャラが区別されてますが、この袁雅琳と欧陽楚楚に成楊の三角関係も成楊が煮え切らない、袁雅琳がまた煮え切らない、楚楚が状況無視してけたたましいので見てるとしんどいだけで、コメディにもなってないし、恋愛ものとしても中途半端。ひたすら君無咎をコケにする蘇文月と逃げ回ってるようで彼女をうまくあやつっている君無咎の組み合わせの方がまだラブコメ感がある。


 そして、ミステリは個々の時間が最後に大きな事件へと転がっていって、捜査チームそれぞれの肉親やら何やらがそれに関わっていて・・・という中華ミステリにはよく見る展開となりました。


 文句ばかりになってきましたが、この辺の「偶然」の積み重ねで事件を解決していくというのはまあ笑って見過ごすとしても、人間関係の整理が雑なんですよね~唐突に死んでしまう楚楚とか、その後これから死んだ者のためにもみんなで頑張ろうと笑顔で祝杯上げているシーンがラストとかあまりに雑な展開でないか?楚楚の死などというのも、成楊を挟む関係の清算がうまくできなかったからではないかとか邪推している・・・

 

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 今回李熹子の他に知っていたのは、この欧陽定賢を演じる宗峰岩。どうもこの人、善悪老若硬軟どんな役でもこなすので、今回も最後まで立ち位置がわからなかったのはさすがというところでしょうが、まさか「来、来、来、干杯~」でドラマが終わるとは思わなかったです。

 

 もう少し俳優もキャラも大事にしてくれたら、もう少しドラマも引き締まったんじゃないかと思うのですが、いろいろクライマックスにし損ねている感じで可もなく不可もなくなままでドラマ終了しました。


演 員     角 色
陈子由  飾  成 杨
杨馥羽  飾  苏文月
李熹子  飾  君无咎
朱容君  飾  欧阳楚楚
杨棋珺  飾  袁雅琳
王胜凯  飾  初 一
宗峰岩  飾  欧阳定贤
陆 莹  飾  霓 裳
職員
制作人 王译
導 演 苏飞
編 劇 雨泽、戴星月、刘同

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