江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

古董局中局之掠宝清単 その1

1~15集

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 夏雨が許愿を演じた「古董局中局」「古董局中局之鉴墨寻瓷」に次ぐドラマ化三作目です。ただし、今回は許愿の祖父許一城のドラマになり、舞台は1928年という激動の時代の北京になります。

 第1作は馬伯庸原作だし、喬振宇や夏雨という主演陣や脇を固めるベテラン勢の豪華さにつられて見始めたんですが、文化財への蘊蓄一杯、先の読めない展開をたっぷり楽しみました。

 

 ただ、今回の掠宝清単は許一城が主人公ということは・・・そうなんです、彼は第1作の中で日本に国宝を売り渡した売国奴として処刑され、そのために許家は五脈から絶縁されたということが明示され、許愿はこの祖父の冤罪を晴らそうとするのです。

 ということは・・・今回は主人公銃殺で終わる?とか思うと今一つ視聴意欲が高まらなくて、見始めるのが遅くなりました。

 

 見始めるとさすがに馬伯庸原作、登場人物がこれでもかといっぱい出てくる、みんなキャラも立ってる、微妙な時代背景の取り入れ方が視聴意欲掻き立てるし、立て続けに起こる事件も文化財を巡る蘊蓄もたっぷり。

 

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 その中で、いかにも「兄貴分」の許一城が正義感に燃えながら、中国の宝物を奪おうとする日本軍や五脈を潰そうとする勢力と戦うという話になります。彼の恋人になるのが海蘭珠という元清朝のプリンセス。この彼女、宇宙人を見つけたいというのが持ちキャラ。親の決めた結婚を嫌がって逃げだし、許一城に「ぼくの彼女になって」と言われて即OKしています。

 

 その主人公許一城は五脈の古いあり方に疑問を持ち、五脈の他の家とは距離をとり、海外への留学を希望しています。五脈もこの時代はまだ力を持っていますが、他の骨董商人たちからはウザい存在です。

 今作の五脈の現当主たちの息子たち黄克武、劉一鳴、薬来が

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第1作の許愿の時代の彼らになるわけです。

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第2作には中年期の彼らが出ていたし、頭整理するのが大変w

 
 許一城は彼らよりは少し年上、許叔と呼ばれていますが、年齢的にも関係性からも「兄貴分」です。

 骨董の鑑定はもちろん、人望もあり、広い知識と人脈を持つ許一城は死地に追いつめられた薬来の父薬慎行を銃殺寸前に助け出すなどして、若い三人から絶対的な信頼を寄せられています。なるほど、これが古董局中局の設定につながるんだと納得しつつ見ています。

 

 許一城の屈楚蕭はすっきりした髪形がよく似合う。海蘭珠には新版倚天屠龍記で趙敏を演じていた陳鈺琪。

 

 彼ら主役陣を押しのけて注目しているのが、なんといっても劉親王、中の人は慶余年の王啓年の田雨。すでにない清朝朝廷がいまだに続いているという設定で「当時そのままに」暮らし続けています。劉親王はまだ王爺として、同じように現実に目を背けている家来たちを従えています。ところが本当は権力もなければ、金もない。清朝の財宝を管理していたはずが、家来に偽物と入れ替えられてしまったという何とも言えない人物。彼は海蘭珠を妻にしようとしていますが・・・泣き笑いのキャラです。

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 他にも梁冠華だの黒子、海一天、胡冰卿、曽舜暉らがちょいちょいと顔を出しています。こんな俺さまな曽舜暉、初めて見たw

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 配役以外でこのドラマに目立つのは、時折はいる劇画と無国籍なBGMでしょうか?ラ・マルセイーズからのアメージンググレースだのドボルザークだの悪くはないけどびっくりしますわw

 演員は変わっていても、これまでに見た2作とちゃんとつながっているのは原作読んでいない視聴者にはうれしい。今年は雷佳音が許愿、李現が薬不然、辛芷蕾が黄烟烟という郭子健監督の映画も出るらしいので、それも楽しみです。