江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

冰雨火 その1

1~8集

 

 最近よくある「突然配信が始まる」パタンで出てきた冰雨火。

 王一博と陳暁のダブル主演ということで注目されていました。

 まあ、それも確かにそうなんですが、迷子的には導演が傅東育、脚本を書いているのが傅東育の他に麦利雅斯、張鳶盎らというところ。傅東育は「破冰行動」や「少林問道」の導演、張鳶盎は「暗黒者」や「執念者」「老九門」の脚本も書いていたし、麦利雅斯も「暗黒者」では視覚特攻、「罪夜無間」では導演と私好みのドラマにかかわっていた人たち。
 これが気にならないはずはないです。

 

 スタッフがこういうメンバーですから、演員にも王勁松や公磊、艾東たち「破冰行動」に出ていたメンバーと郭暁婷、張志堅、馮嘉怡ら「少林問道」の出演者が多く、それだけでも見ごたえがあります。そこに陳暁、王一博が主演して、その上劉奕君が出るときけば、これはもう見るしかない。

 

 しかし、陳暁の呉振峰の亡き父が「呉剛」というのは、なんかの冗談ですかねw
 最初の方には「王凱」ってキャラもいましたが、こっちはスタッフの「王凱」さんからかな~とか余計なことに気をとられる視聴者💦

 けど、原作はないそうなんで好き放題やってないかw

 

 というわけで、いそいそと視聴スタート。今一つ乗り切れない幻玄劇が目立つ今季のラインナップの中では断トツに硬派なドラマメイクです。

 

 ドラマは麻薬組織に果敢に挑んでいく警察の麻薬撲滅チーム禁毒大隊の活躍を描いたもの、と言えばあまりに端折りすぎですね。

 3年前に呉振峰の父呉剛が、麻薬組織によって殺される。呉剛には麻薬組織と関わりがあったのではないかという疑いがもたれ、息子の呉振峰は父の冤罪を晴らそうと暴走。その結果大きな被害が出てしまう。

 それを止めようとしたのが呉家の隣に住んでいたというつながりのある陳宇。呉振峰を追って単独行動をした陳宇は禁毒大隊から派出所勤務に移動させられる。

 

 3年後、陳宇は派出所の警官として勤務していますが、礼儀正しいようでとにかく態度がでかい。謎が解けるのは自分一人といわんばかりです。

 麻薬組織との関連が疑われる胡慶山の殺人事件をきっかけに、再び禁毒大隊に戻ることになります。彼を戻したのが王勁松演じる公安局の局長林徳賛。

 

 彼を含め、禁毒大隊に関わっている上司や年長者の誰もが麻薬組織に情報を流していたり、何かの形で悪事に手を染めているように見えるので、目を離せない。

 

 3年ぶりに雲河県に姿を見せた呉振峰は胡慶山を殺したのではないか、麻薬組織のメンバーではないかと疑われる。彼は父親は無実だと証明することをめざして、自ら組織に接近していきます。

 8集見たところですが、この主役二人呉振峰と陳宇はただの昔のお隣さん以上の深いつながりがあるとはわかるのですが、具体的なところがまだ見えない。

 陳宇は郭暁婷演じる楊玲の経営するレストランに部屋を借りて住んでいます。この楊玲の父、楊興権が劉奕君ですが、麻薬に対して強烈な嫌悪を持っています。

 でも、ただそれだけで劉奕君配役するかね?と眉に唾つけて見てるひねた視聴者💦

 

 早々からこんなシーンも見られてうれしい、琅琊榜迷。けど、琅琊榜じゃ二人が同時に出てる場面はなかったっけ・・・

 

 矯正施設から出てきた呉振峰を自分の部屋に住まわせることにした陳宇ですが、楊興権はもちろん楊玲にも嫌がられています。この父娘と林徳賛、それに陳宇の間にもまだこれから出てくる話がありそうです。

 

 ドラマ全体の4分の1が過ぎたわけですが、ドラマの全体像はまるでつかめていません。
 呉振峰は単独で麻薬組織に対抗しようとしているのか、誰かが指示・支援をしているのか、麻薬組織に情報を流しているのは局長の林徳賛なのか、禁毒大隊の隊長劉凱華は大丈夫かとか疑問が山のようにあります。


 多くの登場人物が出てきますが、誰もかれもが過去やら裏やら秘密やらを持っている様子で、人間関係も複雑、なかなか一筋縄ではいきそうにない。こういうところは「破冰行動」にも共通するのかもしれないです。

 

 陳暁の呉振峰の造形は、泥水を飲んでも父の無実を晴らすという決意ではりつめ、人を寄せ付けない孤独な復讐者。鋭く光る眼が印象的です。

 

 それに対して王一博の陳宇は捜査官としての能力も高く正義感にあふれる一途な若者です。ただ、この陳宇、とにかく態度がでかい。自分の捜査や推理に自信を持っていて、それをぐいぐいと前面に押し出し先輩たちを巻き込みます。自覚のないオレ様キャラということろ。
 今までいくつか王一博のドラマ見てますが、こんなに押しの強いキャラは初めて。

 それにしても王一博、いろんな役に挑戦する機会をもらえてますね、大事にされていると思います。

 

 林徳賛の王勁松は「破冰行動」の林耀東の圧倒的な大ボス感が忘れられません。今回は、どことなく気弱な小物感も漂わせていて全く違ったキャラです。だいたい善悪どちらなのかもまだ曖昧なんですよね~
 今回は弟の林宗輝だった公磊も登場。こちらは麻薬集団の大ボス東哥で思い切り悪い奴です。

 

 麻薬組織は勿論ですが、警察サイドの方もヤバそうな人物ぞろい。これから騙しあい、潰しあいが続きそうです。

 

 ドラマの最終は麻薬組織が壊滅されるには決まっているはずですが、そこに至るまでの人間関係や諸々がまだまだ雲をつかむような感じです。でも、そういう感じは嫌いじゃないですから、当然視聴継続。個人的には禁毒テーマでは「破冰行動」が一押しなのですが、これを超えられるかどうかもドラマ視聴のポイントになりそうです。