江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

天下長河 その4

25~29集


 
 短めの間隔で更新するのがくせになりそうです。やっぱり5集前後くらいの方がまとめやすいのは確か。

 で、今回視聴分は大洪水から始まって、もう笑ってる暇なんかない展開で、息詰まるというか胸が痛くなるというか。一応、蕭家渡で築堤が完成しましたが、この先もっとしんどいのは確実だと思うと、ここで一息つかないと持たない。

 

 とにかく今回視聴分の主役は、鬼気迫る演技を見せてくれた蘇可の于振甲にきまりです。

 

 

 秋の黄河が氾濫する時期を迎え、まだ黄河治水工事は途中だが、洪水の被害を最小限に押さえるための方策を考える靳輔や陳潢。

 彼らは、先に桃源県の堤を切って水の勢いを逃がし、下流で大規模な被害が起こるのを避けようとする。しかし、これを妨害したのが桃源県の県令于振甲。自分たちの家や畑を守るためにせっかくできた堤を切るなどありえないと民衆の先頭に立って、陳潢を妨害する。保証はあるわけだし、逃げる時間は十分にあるし、ここで計画通りに堤を切っておけばよかったんですけど・・・

 桃源県の堤は切られず、彼らの利益は守られたけれど、靳輔たちの予測したように黄河が大氾濫を起こし下流では三省千万の民衆が大洪水の被害に遭ってしまう。

 朝廷では、それ見たことかと靳輔たちを弾劾する動きが活発化。その先頭に立つのが索額图とその配下伊桑阿、彼らに河道の権益まで渡してなるものかと明珠や高士奇も動く。ここで、靳輔たちを守らなければ自分たちだけでなく、皇帝の立場も危うい。

 当事者の靳輔も陳潢も自分たちが責任を問われることはわかっている。取り調べにも素直に応じ、とにかく工事が続けられるようにと腐心している。といって、治水工事をやり直すための費用を負担できるはずもなく、朝廷がその金を用意し、二人に治水を続けさせることに康煕も手を尽くしている。

 桃源県の堤が無事だったことで于振甲は地元住民たちの拍手喝采を受けるが、下流での大惨事を自分が引き起こしたことに打ちのめされている。

 于振甲を殺してでも堤を切ればよかったと後悔する靳輔たちですが、後悔先に立たず。被災地では多くの人が亡くなり、一家が離散し、町が流され、飢饉と疫病が追い打ちをかけている。于振甲の視線で描写されるこの状況が、最初の康煕15年の災害より一段と細かく描写され、視聴者に突き刺さる。

 自分の死を求める于振甲に、康煕が命じたのは四品の欽差への昇進。朝廷を代表して被害に遭った人々を救済する任務を与えます。これは死を命じられるよりもっとすさまじい罰です。康煕の腹の内には底知れない怒りがたまってるんでしょう。

 

 自分の昇進をお祭り騒ぎで迎えてくれる桃源県の民衆、彼らが祝いの気持ちに于振甲の妻にと差し出した娘は黄河の氾濫で家族を失い、身を売るしかなかったという。売られた先の于振甲こそ、その洪水を引き起こした張本人と聞かされて、首をつってしまう。

 于振甲の行く先々では、すでに町中が死に絶えていて、官吏にできるのは死体を焼くだけというような状況が続く。自分のしたことを意味を次々突き付けられる于振甲がつらい。なまじ桃源県の父母官としての任務に燃えていたばかりに、大局が見えず、悲劇をまねいてしまった。

 

 あの時、自分を殺しているべきだったと靳輔に後悔を伝えますが、生きてよい官僚になれと言われます。しかし、この石頭の于振甲、なんかまだまだやらかしそうな予感。


 
 康煕は台湾が帰順したことにごきげんですが、何かこの話になると韋小宝のいない「鹿鼎記」みたいな雰囲気になってくる。

 

 康煕22年秋、ようやく蕭家渡での工事が完成、喜び合う靳輔と陳潢。これで死んでもいいと思った、いやまだまだすることはある、これから何十年も生きて二人で治水を完成させて、この世の繁栄を見るんだと言いあってます。けど、このドラマ、冒頭からずっと死亡フラグ立て続けているようなところがあるんですよね~長生き誓い合うのを見れば見るほど、う~~んとなっております。さすがにこれ見て、ブロマンスとか言い出す向きはいないと思われますがw

 

 ドラマ冒頭の康煕15年から7年が経っています。その間、官僚たちの帽子が夏、冬、夏、冬と次々と変わって、時間の経過を可視化している感じです。

 普段、辮髪ドラマ見ていても、あまり気にしたことはないんですが、なぜかこのドラマは官帽が目に付くんです。

 

 さて、今度は「卿卿日常」見ようっと。なんて理想的な中華ドラマ視聴ライフw