江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

三体 その1

1~11集

 言わずと知れた劉慈欣の大作SF小説のドラマ化作品です。2019年夏に日本版が出て以来、現在もまだ新作が出てきているところです。

 アメリカでもドラマ化が進んでいると聞いていますが、どうもゴジラハリウッド版とかドラゴンボールハリウッド版とかいろいろ脳内に浮かんできて、微妙なものを感じていました。いい意味で期待を裏切っていただきたいところ・・・

 そこに出てきたのが、この中国で制作された「三体」、原作の最初の一冊分ですね。


 もうCG技術とかに不安を感じることはなくなっています。主演が汪淼に張魯一、史強に于和偉、申玉菲に李小冉、葉文潔に王子文とずっしり重量級なのも視聴意欲を募らせます。

 と、そういえば馮紹峰が汪淼で呉剛が史強という映画もあったはずなんだけど、出てないですよね?どうしたんでしょ?アニメ版もあるけど、まだ見てない💦

 

 原作では葉文潔の話と汪淼の話、それに三体のゲーム世界、現在、過去がモザイクのように組み合われてエンディングへと進んでいく構造になっています。
 
 英語版をベースにした日本版原作の冒頭では、文革期の葉文潔一家が描かれましたが、ドラマはほんの少し紅岸基地での若い時代の葉文杰を見せるだけで、2007年へとワープ、オリンピックを翌年に控えた北京の様子をチラ見させ、科学者連続自殺事件へと続きます。原作本の大森望さんの訳者あとがきを読ませていただくと、中国版原作だと原作準拠の展開のようです。

 ドラマはここから汪淼中心に進みます。汪淼は科学辺境という胡乱な科学者グループへの臥底となることを連合作戦センターの北京地区トップ常偉思から要請され、刑事の史強と共に調査に関わっていくことになります。

 彼の眼前に出てくるカウントダウンの数字とか、三体世界の描写とか映像ならではの圧があります。

 原作では早くに出てくる「三体」ゲームの世界も、文革期の話もなかなか登場してこなくて、どうするんだろ?と思っていましたが、8集あたりからそういう場面も登場してきて、一気に世界が広がりました。

 先日見ていた「平原上的摩西」でも背景にある文革期の出来事がはっきりと描写されなかったことも頭にあって、こっちもかと思いましたが、そういうわけでもありませんでした。

 

 今回もいつもの「読書感想文」ですが、ドラマの話はこの程度にしておきます。原作もあるし、これも日本に入ってくると予想しているんで、これでも自重しています。

 

 このドラマでストーリを別にした注目は何と言っても配役。ドラマを進めていく主役陣の「役にピッタリ」感がすごいんですよ。張魯一と于和偉というと秦の始皇帝曹操だよな~とか思いつつ、すごい圧を作りだせる二人の俳優がそれとはまた違った演技を見せてくれ、もう一人「慶余年」の長公主を演じた李小冉とこれまた圧のある俳優が謎の組織を采配しています。それだけでも目を離せないところに加えて、他の配役がまた強い。

 常偉思には林永健(長津湖の鄧華)、葉文潔が青年期が王子文(晴雅集の公主)、現在が陳瑾(都挺好の亡き母)となんというか「レギュラー」部分が納得の配役なのは勿論、白沐霖に白客(万万没想到の王大錘)、慕星に楊蓉(最近じゃ明星大偵探かな?)、程麗華に孔琳(神雕侠侶の黄蓉)とかほぼワンエピソードの出演者も贅沢です。

 それにまして楽しいのがゲーム世界等に登場してくるさらにカメオ出演に近いメンバー。

 ここまででも、紂王で登場したのは「唐朝詭事録」の監督郭靖宇、伏羲は「九州縹緲録」の作者江南、妲己は「沙海」なんかの制作者蔡佳・・・そこに朱戩、張銘恩とか。作家やあんた他の会社だろ?という制作サイドの人はこれからまだまだうじゃうじゃ出てくるようで、もう楽しみでならない。
 ところが、特にゲーム場面では画面からこれは誰かを判別するのがなかなか難しいんですよね~朱戩や張銘恩という顔をよく知ってる俳優さんでも、「多分、このキャラ?」としか言えないのです。視聴済みのみなさん、見つかりました?あ、曲少石の張主任はきっちりわかったw

 そこで、珍しく視聴中に演員表チェック。普段はネタバレが嫌であんまりしないんですけど、原作しっかり読んでるからネタバレ怖くないw

 

 導演の楊磊の作品は「九州天空城」とか「鮫珠伝」くらいにか見たことがなくて、三体~?という気もしていましたが、杞憂だったようです。
 とりあえず、次は「琅琊榜」の制作者侯鴻亮の孔子登場を楽しみに更新待ちしております。