24~35集
前王時代からの頭の上の重しがなくなった昭襄王が、現場を知らない主戦論者范雎の耳障りのいい言葉にのって、イケイケどんどんと戦争を初め、白起の活躍で長平の戦いに趙に大勝するまで。
今度の視聴分の主役は白起です。
まずは、秦の丞相になった范雎が魏での主人たちへ品の悪い仕返しをするところから始まりました。それを認める昭襄王の株も一気に低下しましたな。
趙の方にもロクな人材がいない中、3年の間長平城にこもってなんとか秦の攻撃から国を守ってきた廉頗が罷免され、積極的に打って出ることを主張する趙括が新しく将軍に任命される。これが孫氏の兵法を暗記してるだけが取り柄の実戦経験もなければ、父親からも息子を将軍にするなと遺言されているような代物・・・
咸陽に残っていた白起は魏に使者として行って魏王を恫喝したり、自分は病気で戦場に出られないとか言っておいてスパイを使ったり、戦場に出るまでにも大活躍。
そして、長平に現れた白起の采配で秦軍は趙に大勝する・・・
30集から後はほとんど長平の戦いだけを秦サイド、趙サイドからかなり丁寧に描いています。趙軍にいる少年兵たちとかの描写も相当に描かれていますが、この子ども、将来の趙高なんじゃないか?と疑っているところ。
前線での戦いは、実写の映像は見ごたえありました。CGもまあまあなんですが、人馬まじりあった大群同士のぶつかりを高台から将軍たちが見てるような場面になると、砂粒のような人間の間を蟻のような馬が駆け抜けていくのに、馬のスピードだけが速すぎて空飛んでるみたいで、とたんに白けるというようなこともありました。
この長平の戦い、白起が投降した趙兵を生き埋めにしたという話で終わるんですが、これまでいくつか見たドラマではそれこそナレ死だったり、一斉に矢を放ったりとかでした。今回は、もともと降参した兵をどうするかというところで、兵も民も皆殺しにしろという非情な范雎と戦場で生き抜いてきた白起の降参した兵は国に返せばいいという意見の対立があって、それをどっちつかずのままにしている昭襄王という前提があります。
戦神白起に対して、戦場を見下ろして孫氏の兵法を朗読して喜んでる趙括がかなうわけもなく、趙括もろとも20万人戦死。46日間包囲に耐えたものの、飢えて投降した残り20万人をどうするのか?
白起は彼らにも食べさせてやりたいと兵糧の追加を求めたが、咸陽の王にも丞相にもその気はない。全部殺せの范雎、自分も趙の人間だと慈悲を訴える白起夫人、ここに至っても自分で責任をとらない昭襄王は白紙の詔勅を白起の元に届ける。
結局、白紙の詔勅で責任を押し付けられ、秦の兵に食べさせる食料もなくなった白起は、悩んだ末に趙兵を殺すことを決意。夜の闇の中、ただ剣をふるう音と人が切られる音がするという場面。これが結構長いの。見てて、肩凝った・・・もともと背中痛いのに。
このドラマ、この白起とか蘇秦、藺相如なんかの評価は高い感じなんですが、後は軒並みクズっぷりを発揮。これまでまあまあがんばってた昭襄王もここへ来て、朱に交われば赤くなった感じで急激にクズっぽくなった。
范雎は自分を助けてくれた二人を厚遇はするものの、後は趙括と大差ない口先の理屈で世間を乗り切ろうとしている。同じように口先三寸で秦を大国に導いてきた商鞅や張儀に比べ、人の器が小さく、欲深い小人物になっています。
なんか恨みでもあるんでしょうかねえ。
ともかく、長平の戦いが終わり、心身ともに果てた白起が固まっているところで続く。邢佳棟の白起、いい感じです。これだけ主役級の白起、中の人交代してまるっと取り直してるんですよね。それはそれで、すごいことです。
以上、ドラマ見た記憶で書いてますんでなんか間違ってたら教えてください。
とりあえず、大結局まで配信終了された様子でまずはほっとした。30集カットとか、まるごと消去とかされたらどうしようかともやもやしてた。