江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

人民的名義 その2

6~17集

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 大人気のうちに、放送終了したということですが、私はまだ3分の1くらい。
 やっと、なんとなく役職の上下関係も見えてきた程度。
 
 こちらは私が助けてもらっている役職説明図。中華サイトからの拝借もの。こういうの見ながら一所懸命、話追っかけているところですが、人間関係もけっこう複雑に絡み合ってて、ハードルを高くしています。
 
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 侯亮平の北京の家に訪ねてきた幼馴染蔡成功。彼が大事件となった工場の経営者で、今度の大規模な再開発にかかわる裏の事情を知っているキーマン。彼がそれを陳海に告発しようとしていたところ、陳海は車の事故で人事不省となる。
 そして、警察もすべて信用できない蔡成功は侯亮平に助けを求める。
 
 陳海の事故は、果たして事故だったのか?
 
 侯亮平は陳海に変わって、漢東省での汚職摘発に乗り出すことを決意。
 中央や漢東省の新任の省党委書記沙瑞金は、これを支持する。
 
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 沙瑞金は、現時点で登場人物最高クラスの権力者なわけですが、昔の恩人が、陳海の父陳岩石で、抗日戦争以来の老闘士。彼から腐敗の状況を聞き、彼は漢東省、京州市の腐敗状況が救いがたい状況であると、今まで好き放題にやっていた幹部連中に冷や水をぶっかける。
 
 逃げ回っていた蔡成功が侯亮平の説得で、姿を現すが、警察の中にも彼の口をふさごうとする力や、すべての責任を彼に押し付けようとする力がある。
 
 蔡成功の口から、この裏側には欧陽菁という人物がいることを知った侯亮平だが、彼女は市委書記李達康の妻ということで、簡単にはいかない。
 
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 現時点では、いったい丁義珍を逃がしたのはだれなのか、工場でのけが人が多数出た衝突事件116の本当の原因は何か、火をつけたのはだれなのか、陳海の事故は「事故」だったのか、と言う表向きの事案と、その裏にある腐敗の構造はどうなっているのか、とミステリ的にはざっくりと把握。
 
 でも、このドラマがなんでこんなに人気があるのかはちょっと見えてきた気がします。
 
 重たい危険なテーマにもかかわらず、ドラマの展開は侯亮平のキャラクタ設定に軽みがあること、「人民」サイドの関係者の家庭や職場での人間関係が和気藹々に展開することなんかもあって、そんなにドラマそのものに重苦しさを感じさせません。
 
 それに、視聴者が「きっとこうだ」「見たい」と思っているものがすかさず出てくる。
 
 工場での事件では、すでに引退しているかつての経営者鄭西坡やかつての副市長であった陳海の父親岩石らが乗り出して、老英雄の顔を立てる形でとりあえず事件を治める。ところが、その裏で、李達康たちは「いいチャンスだ、重機を入れて平地にしてしまえ」と裏で指示。やっぱりなあ~という展開。
 
 この事件で逮捕された従弟を助けるために、他に責任をとらせる人物を物色した市警察の警官が目を付けたのが鄭西坡ですが、彼の息子はITで起業しようと思っているくらいの人間で、あっという間に「老人が警察に連れていかれた」とネットに拡散。
 
 これを忌々しく思う幹部連中だけど、この老人の後ろには有力者もついているわけで、削除させるでもなく大慌てで対応に乗り出す。
 
 その結果、小ボス、ぺしゃんこ。
 
 ついでに、沙瑞金におもねろうと彼の昔の恩人陳岩石に鳥やら植木を送ってきたりとゴマすり攻勢の漢東省、京州市のえらいさんたち。自らスコップをもって庭仕事の省警察トップ祁同偉、ちょうど沙瑞金がやってきてラッキーと思うもあっさりスルーされて、ぺしゃんこ。
 
 と、まだまだラスボスはおろか中ボスにもたどり着いてないところですが、視聴者が適度に溜飲を下げられる場面も忘れずに盛り込まれています。
 
 日本も中国も「包青天」に期待するんだなと思ったのは、沙瑞金のキャラ。
 といって、案外この人、ラスボスかもしれないとかwもっとも、他にも一大派閥を構成している侯亮平の大学の恩師高育良とかその政敵李達康とか怪しげなのはいっぱい。
 皆が口々に腐敗の追及、人民への奉仕というんですが、本気でそう思ってない人物もいっぱい。話が進むと、次々に馬脚が現れてくるんでしょう。
 
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 省の幹部会議で腐敗を許さないと宣言した沙瑞金、まずしたのはその会議での学習会に陳岩石を招き、抗日戦争の話をさせる。この沙瑞金や侯亮平が老人たちを大切に扱い、尊重しているところも見せ所なんではないでしょうか?
 
 部下や老人たちの話をきちんと聞く上司沙瑞金とか、部下に手料理をふるまう侯亮平というのもかな?どこの国でもホワイトな職場は重要ですもの・・・
 
 こうやって、沙瑞金の上からの改革と、侯亮平の現場からの追及、謎解きがようやく始まった感じです。
 
 今のところ、二人とも外部からの視点でかかわっている感じですが、やたらに登場人物たちが親族だったり、恩師や同学、幼馴染だったりと「身内」が多い。そのうち、侯亮平もそこらでトラブルのかもしれませんね。
 
 17集あたりまで来て、工場を復活させるために、陳岩石や鄭西坡を中心に、資金を出し合って新組織を作ることになりました。毛沢東の言葉を引き合いに団結を訴えた老英雄たち中心にイケイケ~と盛り上がってますが、これもうまくいくんでしょうかねえ?
 毛沢東の言葉を知らない若者というのもいて、ちょっとびっくりしました。
 
 というところで中盤が近くなって、新しい事件の匂いがぷんぷんしてきました。
 
 で、なんか間違えてたら教えてくださいね~