江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

九州・海上牧雲記 その1

1~14集

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 「九州神話」とか言われている古代神話風の小説のシリーズをベースにした75集のドラマ。80集って聞いていたが、いつの間にか減ってたw
 
 「九州」というのは、古代にあった九つの地方のある大陸で、ここに人族、羽族、鮫族、魅族などの6つの種族が暮らしていたという設定で、繰り広げられる神話風のファンタジー。この世界観に基づいた二次創作を自由にすることが認められてるとかで、膨大なストーリが存在するとか・・・
 
 すでに「九州天空城」という空を飛べる羽族を主人公にしたドラマが昨年に公開されましたが、正直外れな感じで2集めでサスペンド。夏にはこの天空城が地上に落っこちてからの話を扱った映画「鮫珠伝」が出ましたが、こっちもキャストを活かしきれてない感じで、今一つ。
 
 というところに、本命「九州・海上牧雲記」がまさに満を期して、配信開始になりました。
 
 ずいぶん期待はしていたんですが、反面掛け声倒れにならなきゃいいけどな~と思っていました。予算をいっぱいかけて、明星集めて、結果、頭かきむしりたくなるようなドラマや映画ずいぶん見てきたもんですから、疑い深くなっている。
 
 あまり事前に情報を仕入れないようにしてたんですが、ちらっと聞こえてきた話だと、子役の部分が長すぎる(成人するのは九集の途中)というのと、回想場面が多すぎるというのがテレビ局に嫌がられて、ネット配信だけになったらしいですが、まあその通りですw
 
 先に言ってしまうと、話はおもしろいし、配役もいいし、CGやセットも悪くなく、衣装は豪華で毎日楽しみに見ています。でも、やっぱりツッコミどころ満載。それもドラマ見る上での楽しみでもあるんで、十分以上に満足しています。
 
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 今度の話の主人公は、人族と魅族の間に生まれた皇帝の六皇子牧雲笙@黄軒、将軍の息子穆如寒江@竇驍、彼らの国に部族を亡ぼされたも同然の碩風和葉@周一囲の三人ということになりますが、この3人、一度は勢ぞろいしましたが、本格的にかかわってくるまでに膨大な物語が続きそうです。
 
 話の冒頭は、荒野に住むこの碩風和葉の部族が穆如鉄騎に襲われ、父親をはじめ一族の男たちが皆殺しにされるという話になります。この部族の「石器時代」感とかが中国版ゲーム・オブ・スローンズという売り文句の理由かと思います。話はしっかりしてるんですが、如何せん、人数が少ない。碩風和葉の父親を王とする部族と、彼らを奴隷というよりは家畜同様に扱っている穆如鉄騎。穆如鉄騎というのはどんなに恐ろしい集団かと思いきや、茫々たる草原の中にたった9騎・・・別に特別な怪人でもなければ、妖魔でもなく、普通の騎兵が9人。いくら装備が違うとは言っても、あんまりなw
 人数貧弱とはいえ、部族の方は20人以上はいたんで、もうちょっと頑張ればやっつけられたんじゃないかね~
 得意のCGとかなんかで人数水増しすりゃいいのに・・・
 
 ま、とにかく、一族の新しい王となるはずの息子碩風和葉が奴隷商人に捕えられ、奴隷として牧雲一族が皇帝として支配する土地にやってくる。
 
 将軍の息子として生まれたが、将来「皇帝になる」という予言をされたせいで、忠臣な父親から殺害命令が出ている穆如寒江。親を知らずに育ったが、父親が分かったとたんにやっぱり殺されかけたが、予言なんか信じないという皇帝に六皇子の護衛を命じられる。
 
 この六皇子は、皇帝と魅族の母の間に生まれ、「剣を手にすれば、天下は大乱となる」という予言を受けている。彼の母は天下一の美女と呼ばれていたが、現皇帝と帝位を争った牧雲栾によって皇帝は彼女を殺害せざるを得ない状況に追い込まれ、牧雲笙は父の顔も見ることなく冷遇されて育つ。
 
 皇帝に憎まれ、疎まれている皇后南枯明儀。その姪で、次期皇后を狙う月漓。
 ところが、次期皇后と予言されたのは、全く別の娘蘇語凝・・・こっちの皇宮の争い部分はまるっきり宮中ドラマ。
 
 冒頭の荒野の場面を過ぎると、いきなり毎度おなじみの中華古装劇の舞台。ただ、架空の世界設定なので、調度や衣装に一ひねりがされている感じはあります。お金のかかった衣装とか一見の価値ありですが、今配信かぶってる将軍在上のトンデモ衣装に何か通じるところもあって悩ましい・・・
 
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 そういや、こっちの皇帝牧雲勤と将軍在上の仁宗の中の人は同じ蘆芳生、しかも牧雲栾の妻は将軍在上の趙玉瑾の母の張瑶で同じく立場。
 猟場の熊青春の万茜まで出てくるし、ほんとなんで同時期に同じ人がこうもかぶって出てくるんだろう?
 
 キャスト的には、メインにはほとんど今までに何度かは見ている俳優が多く、ただ顔がいいだけではなく、演技力のある人が配役されているというのは素人目にも明らかです。
 
 ただ、今までのドラマから「なんかうっとおしい役」をする人が多いような気がするのは個人的不安要素。
 張P版射鵰英雄伝で、穆念慈を演じていた蒋勤勤が迫力たっぷりに体の自由を失った皇帝を虐待し、朝廷を意のままにする皇后を演じています。ほかの配役もこういう風に思い込みを打ち消してくれるといいのですが。
 
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 主要な登場人物でまっすぐ育ってるのは一人もいないし、一世代上の皇帝や皇后世代もいっぱい黒くて邪なものを背負っています。登場人物が80集にしてもずいぶん多い上に、名前がまた難しい・・・日本語で何て読むのかわからないのにはホント困ってるけれど、彼らのこれからには興味津々。
 
 特に大端朝廷が舞台になって以来、あっちこっちのストーリ展開に既視感がしてたまらないのですが、既出の脚本からのあからさまないただきはないようです。まあ、どんな風に既視感のあるエピソードを料理して、よいドラマを仕上げてくれるかお手並み拝見と上から目線な視聴者になっているところです。