江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

鎮魂 その1

1~15集

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 これも原作はBLということで、ドラマにするについてはそこをどうごまかしているかというのが見どころとも言えます。
 ただ、前に見ていたSCI謎案集と違ってもともとが人類、魔族、妖族の共存する世界を舞台にした玄幻ものだったようでそのために原作からの改編度がSCI謎案集よりぐっと大きくなっています。
 
 何より地球を海星、地界で進化した人類を地星人、猫族や花族などの妖族を亜獣人と変えて、話を進めています。玄幻はだめでもSFはいいようです。今のところ。
 地界から人類の世界に出てきた地星人を捕えて地界に戻すために人類が作ったのが「特別調査処」。安定した世界が何万年も続くうちにだんだん地下に特殊な人類がいるということは忘れられて行っているけど、まったくの秘密というわけでもない。
 
 ドラマの主人公の趙雲瀾はこの特別調査処の処長。彼の部下には、副処長で猫に変身する大慶、メカの天才林静、死体を見て気絶する新人の郭長城、蛇族の祝紅、傀儡を操る筋肉系楚恕之、太陽光にあたれないエネルギー体の汪徴がいる。
 
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 そして、学生が殺された事件をきっかけに特別調査処と関わるようになった大学の生物学教授沈巍。実は、彼は地界からの使者「黒袍使」で、趙雲瀾との間には、何万年も前からの因縁があるらしい。それを知らない趙雲瀾は、何か変だと思いながら、だんだん彼と深くかかわっていくようになる。
 
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 始めは事件現場に始終姿を現す沈巍を怪しく思う趙雲瀾だが、そのうちに黒袍使と沈巍は同一人物ではないのかと考え出す。
 
 この辺の脚本の運びと俳優の演技がうまい。
 あくまでも、BLではまずいので、直接的なそういう演技や科白はないわけですが、それでも視線の動きとかから十分に二人の関係が読み取れる。特に、沈巍はずっと過去からの経過があって、現在の趙雲瀾にまず地星人の黒袍使であることを知らせるべきかどうかか迷い、正体がバレてからはそれ以上に詳しいことを知らせていいかどうか迷い続けている。趙雲瀾は、沈巍に初めてあって以来、どこかで親近感を覚え、何か普通ではないと気づく。沈巍と黒袍使が彼を気遣って言う言葉が同じだ、二人は同一人物ではないのかと気づいた趙雲瀾は犯人の罠にかかったふりをして沈巍の正体を確かめる。
 
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 規制すれすれのところで話が進められているので色んな意味でスリリングですw
 
 この「身バレ」あたりのドラマ運びがおもしろい。好奇心丸出しに目をキラキラさせて沈巍にあれこれ聞き続ける趙雲瀾。黒袍使であることは認めてもそれ以上は話したくない沈巍。二人の取引の結果、沈巍は他の人間には黒袍使であることを隠したまま特別調査処の顧問になることを承知する。
 
 沈巍を連れ歩く趙雲瀾に、彼に気のある祝紅が嫉妬する・・・とか、うまく二人の関係を浮きあがらせています。
 
 全体としては、地下世界に住む地星人が何万年も前に人類の世界である海星や亜獣人の世界に進出しようとしたときに失敗、地界に閉じ込められることになったのですが、すべてそろうととんでもない力を発揮するという四聖器があればそれが可能だという設定。
 その四聖器を狙って事件を起こし、特別調査処や沈巍の敵となっている地星人烛九との戦いが個々の事件と共に続いています。
 
 四聖器のうち二つは特別調査処がゲット、三つめが姿を見せたところです。
 
 趙雲瀾が初めて「黒袍使」と共に地界を訪れたところですが、趙雲瀾が温厚な沈教授と配下が畏れる地星の領袖黒袍使大人の切り替えを興味津々楽しそうに見ているところです。こういう場面の処理が視聴者目線でおもしろいです。
 
 実際このドラマ、おもしろいんですよね。ミステリ的な部分は正直大したことはないのですが、キャラの設定や場面展開、歯切れのいいセリフを楽しんでいます。私としてはいちいちBLかどうかという区別は必要ないです。恋愛ドラマで探案もので、異世界物ということがわかれば十分。
 
 時代背景が違うだけで、実は鍾馗促妖記も同じような設定なんですが、あちらがどうしても「とにかく普通におもしろい」としか言えないのに比べて、こちらはせっせと見ようと思わせる面白さです。ほんとなにが違うんでしょうねw