江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

紳探 その1

1~12集

イメージ 1
 
 去年から配信待ちしてた白宇主演の紳探、やっと出て来たと喜んで見始めたら「何、これ~こんなのだったの~~」の連続です。ほめてます。
 
 まず、冒頭で目が点になったのは白宇演じる主人公の紳探、名前が羅非。そうです、日本語でも「らひ」ですが、中文普通語でも「luófēi」と「暗黒者」の羅飛と音が同じ。
 
イメージ 2
 どんなネーミングするんだと画面に向かって突っ込みました。これ、わざとですね。このドラマにも小説版はありますが、原作ではなくドラマのノベライズのようです。
 
 こんな名前主人公に付けるくらいですから、「羅非」には「羅飛」の面影もぷんぷんとしてます。
 
 ドラマそのものはとてもおもしろいと思うのですが、ちょっとこういうの珍しいんじゃないかと思わざるを得ないくらいあっちこっちからの「いただきもの」というか「借りて来た」設定的なものがいっぱい。それなのにドラマの展開はオリジナルだし、セットや衣装、アクション、特別効果なんかにもしっかりお金と手間暇かけてる。
 
 ちょっとひねくれたところのあるドラマが好みの迷子さんとしては、こういうのいいじゃないか~と大満足で視聴中です。
 
 ドラマの舞台は民国時代の上海フランス租界。オリジナルのシャーロック・ホームズシリーズの舞台ビクトリア期ロンドンに似た雰囲気を醸し出しています。そして羅非の造形、フロックコートに傘とか持って何気に「イギリス紳士」さすがに鳥打帽はかぶってませんが・・・
 
イメージ 3
 羅非の警察内での位置づけが「顧問」で、この辺はホームズにならったのでしょうね。そして、彼の「相棒」になるのが、新人女性警官の秦小曼。この組み合わせは「エレメンタリー ホームズ&ワトソン」を思い出させます。
 
イメージ 4
 エレメンタリーのホームズは「愛する女性を殺され」麻薬におぼれ、そこから立ち直ってきたという設定。暗黒者の羅飛も同じく「愛する女性を殺され」精神を病み、第一線から退いていたがDarkerと対決するために戻ってきました。このドラマでは、犯罪集団を追ううちに「愛する妹を殺された」という過去を持っています。
 
 羅飛がDarkerを追い続けているのと同様に、羅非はCaptainと言う犯罪集団のボスを相手にすることになりそうです。
 
 警官で法医の本杰明は羅非の子どものころからの友達という設定ですが、季晨がイケメンで腕の立つ法医、でも羅非の「悪ガキ仲間」なコケティッシュなところあるキャラを見せています。
 
イメージ 6
 
 ただ、二人が阿吽の呼吸で秦小曼からかっていたり、本杰明の食べかけを羅非が遠慮なく食べてたりとか、やたらに身体的接触が多くて、こちらは「鎮魂」を連想してしまう。
 
イメージ 5
 3集で一つの事件を解決するパタンで12集まで来ましたが、謎解き場面等で立て板に水で事件を解き明かす羅非には、羅飛を思い出してしまいます。羅飛の中の人の郭京飛も、羅非の中の人の白宇もシリアスとコミカルな表情や演技をくるくると切り替える人で、そのあたりにも原因はあるのでしょうか?
 
 ここまでで、没落した良家の夫人の失踪事件、女性殺人事件と上海一という企業家恐喝事件、音楽家連続殺人事件、連続女性殺人事件と言う四つの事件を解決してきました。どの事件も最初の出だしとは全く違った様相を見せてくるストーリ展開が鮮やかでした。
 
 二つ目の事件では、街中での爆発、大規模な市街戦から始まって、秦小曼と彼女たちの上司沙威探長が犯人を追ってアクションシーンを繰り広げました。あまりアクションには期待してなかったので、意外でした。
 
 こんな見せ場を主人公ではなく、昔のステロタイプのドラマなら守られる存在だったヒロインと年長者にアクション場面を任せるというのは悪くないですね。しかもこういうこれまでにないパタンのアクションシーンとか増えている気がします。
 
 羅非には、「鎮魂」で注目した白宇。アクション担当でがんばってる秦小曼には「擇天記」の七間の尤靖茹、そして本杰明には「琅琊榜」の祁王、「開封府」の展昭、「醉玲瓏」の済王などで日本でも顔が売れてきている季晨。
 
 一つ間違ったら「ぱくり」と言われてしまいそうなほど、先行する作品の面影のあるドラマなんですが、全体としてみるとストーリにもキャラにもなかなかのオリジナリティがあって、楽しめるミステリ作品に仕上がってると思います。
 
 これも24集しかないのでちょうど半分ですが、第2季があるかないかは別にしてきれいに終わってくれたら文句はないです。