1~12集
あきらめ半分でいたところに、先月27日、突然配信開始になって、驚きました。
みなさんが楽しみにしてた話題作なので、ストーリ展開とかは他の方のブログにお任せするとして、いつものようにどうでもいい感想文。
「長安十二時辰」というタイトル通り、天保三年の正月十四日その一日24時間に、上元節で賑わう長安の街を舞台に起こる事件と長安を守ろうとする人々、長安を破壊しようとする人々、朝廷での権力争いに精を出す人々が活写されています。
でも、私の一番の注目は、そういった話を展開していく人々ではなく、賑わう街にあふれる庶民たち、薄暗いじめじめした街の暗所でうごめく人々といった「主役でない」登場人物たち、そして長安の街そのものです。
、「林九郎」は「李林甫」と「張九齢」を足して二で割ったようなむず痒いネーミングですが、どうも二人分の嫌われ役をやるようです。
なんか微妙に変えることで、史実じゃないです~とかいうんですね、うん。
とにかく冒頭に出て来た琵琶を弾くこの女性の化粧がまるで唐代の人形が動き出したようでそこからはまってしまいました。
登場人物も実に多彩で漢民族だけでなく、様々な肌の色、習俗、服装の人々が画面にあふれています。そして、彼らが主人公たちが通り過ぎていく背景で演じている唐代の庶民の生活ぶりを見るのが楽しい。うっかりするとそっちに目をとられてしまうくらいです。
ストーリは長安を破壊しようとする狼衛を捕えろ、奴らの黒幕は誰だ?というが一つの流れ。長安の治安を預かる靖安司の李泌はそのために死刑囚で元軍人、元不良人(末端の捜査官。岡っ引き的な感じ?誰か本当のところを教えてください)の張小敬を牢から出し、調査にあたらせる。
アメリカドラマの「24」と同じく、たった一日のうちにたくさんの人々が次々と起こす出来事がぎっしりと凝縮されていて、ほんとに目を離すともう話が分からなくなるという気を許せないドラマです。
原作と脚本は「三国機密」や「古董局中局」なんかの馬伯庸。ストーリ展開の巧みさはここでもいかんなく発揮されてる感じです。読んでませんが💦
導演の曹盾は「九州・海上牧雲記」の導演です。キャストにも共通している人が目立ちます。
配役は、始めに聞いたときは呉秀波とか尹正の名前がありました。でも、出てません。
張小敬には雷佳音。演技派ですね~彼は大量殺人の罪で死刑囚となっていたのですが、その裏にも秘密があるようです。事件を解決できたら死刑を免じると李泌に言われて、捜査に取り掛かるのですが、これが李泌の嘘。
それでも捜査を始めた張小敬ですが、彼を仇と狙う熊火幇に命を狙われたり、狼衛に捉えられたりとアクションシーンも本格的。
李泌から依頼された探索だけでなく、彼自身も死刑囚となることになった殺人事件の真相、軍隊時代に自分たちの守る砦が補給も増援も与えられず、生き残ったのはわずか9人という過去を抱えています。
なお、この戦場場面、本格的です。
靖安司を率いる天才少年李泌がTFBOYSの易烊千玺。バリバリのアイドルだし、私の脳裏には「九州天空城」のエンディングを歌ってた子ども子どもした姿が焼き付いてるので、大丈夫か?と思ったんですが、無用の心配でした。
当時17歳だったという易烊千玺自身より年長の23歳という李泌。飛びぬけて若い彼が祖父や父のような上役たちと渡り合い、張小敬をだまし、説得し、長安の治安維持のために粉骨砕身しています。そして、この李泌、将来は丞相になると言い切り、林九郎と対立する太子を支えています。
時の皇帝は、楊玉環に夢中の玄宗。政治に飽きて、すべて林九郎に任せたいとか言ってるので太子サイドは大変です。
この李泌、若いけど政治家です。天才少年のプライド、苛立ち、正義感がないまぜになった癇性な李泌を易烊千玺が好演しています。視聴率稼ぎのアイドル導入かと期待してませんでしたが、いい意味で裏切られました。演技派の先輩たちに囲まれておそらくはものすごく緊張していたであろう彼自身のテンションと李泌のテンションが重なって、ピリピリした李泌が出来上がっています。
他に張小敬と共に探索にあたる姚汝能に芦芳生。彼は「九州・海上牧雲記」でも「将軍在上」でも皇帝やってました。今度は現場を駆け回る捜査官です。
先週配信分12集を見終わったのですが、全部で60集予定だったのが、前期25集、後期23集になったらしいです。前期25集って、こんな設定のドラマ、半分で長いこと放り出されたり、最悪配信中止とかになったらどうしようというのが、ただ今一番の心配事。
おもしろいんですもの、全部ちゃんと見せてくださいね。