江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

成化十四年 その2

21~48集(大結局)

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 もう最後まで見終わってしまいました。1集あたりが40分前後と通常より5分くらい短いのでとっととクリアできました。でも、早く見終われたのはそのせいじゃないですね。すごくおもしろかったです。


 35集くらいまでは、いろいろな事件を解決しながら、その裏に大きな陰謀を企んでいる勢力の姿が見えています。


 35集あたりで、主人公たちがであった3年前の爆発事件が回想され、ここから国を揺るがすような大事件へと物語は発展していきます。


 皇帝に関わる話も萬貴妃と皇太后の宮廷ドラマにはならなかったのはうれしい。

 一代上の英宗に帝位を取り戻されてしまった代宗の遺児が父の恨みを晴らそうとしたという展開はありがちなんですが、それにかかわる人物たちのキャラクター設計がよかった。

 

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 代宗の遺児固安郡主が夫に選んだのは、優れたメカニックだけど、人と関わることができないという障害を持つ王憲。この王憲の描写がとてもきちんとしていたのに好感を持ちました。普通に話ができない、幼児のような言動、でもメカニックとしては天才的な才能を持ち、彼をただ一人認め愛してくれている固安郡主のことはちゃんと理解しているし、固安も彼を愛し双方が夫婦の愛情を持っている。彼の内心ではそういうことをきちんと「話していて」、他の人のようにはしゃべれないという葛藤も表現しています。

 見るところ、自閉的傾向のあるキャラ設定なのですが、上から目線で気の毒な人物とするのでも、奇異な言動をとる困った人物とするのでもなく、淡々と固安郡主との愛を貫いていくストーリが展開しているのに好感を持ちました。

 とまあ、この固安郡主の登場するエピソードが一番印象的だったのですが、他のキャラもそれぞれの背景や性格付けがしっかりしていてただ奇矯な行動をするだけのために登場させたような人物は出てきませんでした。

 

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 物語全体は、憲宗の明朝を転覆させ、唐朝を復興させようという李子龍の陰謀ということになります。

 草原の部族や代宗の関係者を利用して、皇宮に爆発テロをしかけるというクライマックス。なんとなく「長安十二時辰」を思い出しました。実際かなりの部分でダブっている面はあるように思います。

 どちらも無駄なキャラがない、展開がスピーディーで目を離せないとか、ずいぶんドラマの性格は違うのに共通するところが多いように感じる視聴後です。


 成化十四年の原作は、唐泛と隋州のBL小説でまたしても原作を魔改造したという非難が原作ファンからあがっています。草原から来た朵儿拉と唐泛の間にできた「いい感じ」とかありえない~~とw

 「鎮魂」にしても、「陳情令」にしてもおもしろけりゃいいじゃないか~という「ドラマはドラマ」派なので、これで十分満足。正直なところ、主人公たちの人間関係もおもしろかったけどそれ以上に物語全体の展開の方が興味深かった。でもまあ、だんだん手をつないでたりするようになってるとかは楽しく見てたのですがw

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 憲宗や王植など実在の人物も多く登場してきますが、これまでのドラマなどのイメージとはずいぶん違っています。汪植は一面では友達のいない孤独な少年だとか、皇帝が危険だと鎧着込んで娘子軍率いる萬貴妃とか見たことなかったw


 物語の展開もおもしろかったのですが、なんといってもアクションが秀逸。さすが、成家班がかかわっているだけのことはあると感心。個性的な殺陣、流れるようなアクション、ここぞという場面での一瞬の静止画像とか、だらだらスローモーションを多用する作品とは比べ物になりません。これを見ただけでも、ドラマを見た値打ちは十分ありました。

 

 予想以上に武侠ドラマだったのはぜひ書いておきたい。アクションもそうですが、物乞いの少年たちが「少年探偵団」だったり、若い者は高齢者には勝てないとか、バレない女装に男装(しかもどちらもかなり高スペック)というような武侠ドラマのお約束も数多く出てきました・・・そういや崖落ちはなかった。惜しい。


 演員的には本当にお初の人が多かったんですが、どの人もしっかり動いていたし、キャラの性格にはよくはまってました。

 萬貴妃の賈静雯がかなりハードなアクションをこなしているのにも瞠目しました。いつ以来でしょうか?

 李子龍を演じているのは王茂蕾ですが、この人于正版「神雕侠侶」の趙志敬とか「軍師聯盟」の献帝とかいうような小物感丸出しの残念キャラをたくさん見るんですが、今回はラスボス。不気味さともはや時代遅れの復讐者の哀しさの混ざったキャラを好演していました。

 
 プロデューサーが成龍だし、最近は日本で多くのドラマが公開されることも考えると、きっとこれも日本でも見られるようになると思うのです。楽しく見られるんではないかなと思います。


演 員     角色 
官 鸿  飾  唐泛
傅孟柏  飾  隋州
刘耀元  飾  汪植
鹤 男  飾  朵儿拉
贾静雯  飾  贵妃
王茂蕾  飾  李子龙
毛 毅  飾  裴淮
蔡 珩  飾  皇上
张柏嘉  飾  青歌
李立群  飾  马林
辣目洋子 飾  东姑
余洺轩  飾  丁容
黄杨钿甜 飾  冬儿
潘时七  飾  唐瑜
张艺泷  飾  乌云布拉格
姜 峰  飾  高义
赵 阳  飾  朱见谋
赵晓璐  飾  固安公主
杨凯程  飾  王宪
熊 熊  飾  薛凌
陈威旭  飾  万通
魏允熙  飾  崔妈妈
高兰村  飾  万安
方晓莉  飾  周太后
李元元  飾  金三娘
苑 乔  飾  余秀莲

 

職員
出品人  龚宇、李密
制作人  杨蓓、李密、闫征、张济之、许晓楠、张芯源、柳彬
監 制  王晓晖、成龙
原 著  梦溪石
導 演  郭爽、杨欢、杨泰、温宝森、胡潇
編 劇  邵天、瞰景、程曦、孙文、魏军
美術設計 张仲兴
動作指導 王维韬
造型設計 何茜、林安琦、林小丽
服装設計 倪书敏