目中無人

　同タイトルの他の映画もありますが、これはネット公開されたばかりの謝苗主演の武侠映画。

　いや～おもしろかったです。

　内容は実にわかりやすい。盲目の賞金稼ぎがたまたま知り合った娘にかわって、彼女の仇を討つというもの。

　低予算のネット映画です。それでも謝苗の武芸はキレッキレだし、ちゃんとロケもしてるし、画面作りが丁寧で美しい。

　アクションシーンや流血シーンも多いので苦手な人もあるとは思います。でも、ラストバトルの構成とか舞台劇の美術を見ているようでよかったです。もともと押さえた色調の作品ですが、ラストが近くなって雪が降りだし、最後にはほとんどモノクロのような画面の中、賞金稼ぎとすべての元凶が対決します。

　謝苗の武打シーンは、派手さというか、外連味は少ないのですが、かっちりとメリハリが効いているところが好み。今回、目を閉じたままのアクションシーンに初めて挑戦したそうで、それも含めてたっぷり楽しませてもらいました。

　なにしろたった７３分しかない映画、そこに結婚式で権力者に兄や新郎を惨殺され、凌辱されてしまった娘の恨み、公道を求める彼女を次々襲う残酷な仕打ち、元は将軍であった成乙と共に戦っていた琴娘の話なんかをおりこんで、最後に一対悪の元凶宇文英とその他大勢とのバトルへと一直線にドラマが展開。一気に見てしまったのは、短さのせいではないです。

　武侠迷にはぜひお薦めしたい映画です。