21~28集
最初からぼやきなんですけど・・・・
ドラマ冒頭の戊戌の変法が1898年、ドラマが展開しているのは宣統3年、つまり1911年。12年後って・・・なんか計算があわない💦
初めは西暦年を単純に足し算して、辛亥革命の一年前かと思ってたんですけどね~宣統3年と言えば、もう辛亥革命の年じゃないかと今更ながら気づいた。宣統3年で気づくべきだった💦
で、こそっと間違い直してきましたが、やっぱりなんか釈然としない。足し算だと12年後は1910年なんだけどな~なんか計算間違ってる?
と、間違いを訂正したところで、個人的に一年繰り上がったドラマ世界。緊張感が一層高まりました。
それぞれのボスである内務府総監存清、淇親王の指示を受けた穆青、卓不凡は南少林の残した浄壇密蔵を探している。王家洛は相変わらず殺人犯卓不凡と于焕杰を追っていて、ついでに淇親王の指示で浄壇密蔵も探している感じです。
この浄壇密蔵を探す中で、穆青や王家洛は自身と南少林とのつながりを知っていくことになりました。達磨院など4人の伝承者が30年ごとに集まるとか如何にも武侠ドラマ的な設定と、その年が辛亥年であるという設定がダブってきて話をますます刺激的にしています。
そこに主人公たちそれぞれが直面するドラマが重なってきます。
穆青は結婚するはずだった淇親王の娘烏蘭珊格格の元に劉琳を預けましたが、ふたを開けてみればこの二人が同じ革命を志す仲間だった。かくして、穆青は二人から清朝支持でほんとにいいの~と責められることになります。
彼自身がもともと持っていた現状への不満や光緒への思いが、彼女たちの言葉と共に彼をゆさぶっています。
光緒帝の崇凌に額づいて自分がやっていることは本当に国家のためになっているのかと慟哭する場面は、素晴らしかったです。
この場面で、確かに穆青が男主1だと納得できました。
気の毒な王家洛はすっかり日本軍のスパイ林安静に騙され、彼女と結婚。だからと言って、彼女の方は淡々と任務を続行しています。儚げな表情で彼に抱きついたと思えば、その背中越しに見せるのは何の感情もない顔。名前すらない彼女のこれまでの人生の厳しさはともかくとして、最終的に身バレした時の王家洛がやっぱり気の毒でしょうな。
この二人に対して、大師兄の裏切りに気づいているのかいないのか、一門を引き連れた卓不凡は浄壇光蔵を探し続けています。ただ、彼が想定している以上に淇親王たちの政治的な駆け引きに巻き込まれてしまっています。
彼らのすべてを裏で操っているのが淇親王です。彼の指示で卓不凡や于焕杰だけでなく、娘婿の北洋軍閥の鐘海潮たちも動いています。彼と考えを異にする存清はとうとう淇親王の暗殺を企てますが、失敗。これからの穆青はどうする?というところで28集終了。
穆青は清朝を守るという立場で東奔西走していますが、その思いが揺らぎだしています。というかもともと彼は戊戌の変法さえ成功してればと歯噛みしています。
生真面目一筋の王家洛も林安静と結婚し、鐘海潮らとの交渉にしたたかさを見せるようになってきました。
彼ら二人に比べて、卓不凡は大きな変容はないようで、これからでしょうか?
愚直とまで言いたくなる愛すべき男主たちが価値観やらなんやらで揺らぎだしている一方で、革命派にしろ江湖の人間にしろ女主たちは揺らぎを見せません。
この話が武侠劇としての約束事を十分にとりいれ、目を見張るアクションシーンも見せてくれる一方で、動乱の歴史の中に置かれた人間たちの姿を描いていて、この二つがうまく融合しているのは見始めた当初から感じていました。歴史的な事実、例えば光緒であるとか摂政王載灃とかの名前が出てくると、さらにドラマ世界に広がりを感じます。
そこに存清が語る飴細工の場面とか王家洛と林安静が人買いに売られた少女を助けた一幕などは、なくても話は進むエピソードと言ってしまえば身も蓋もない感じですが、こういう場面が登場人物に厚みを持たせ、同時ドラマ世界を深めていると思いました。
この後、ドラマの舞台は福建の泉州に移っていきます。いよいよ浄壇光蔵の秘密を巡っての争いが本格化するわけでしょうね。派手なアクションシーンを期待するのはもちろんですが、ちょっとまだ辛亥革命勃発までには日数のあるこのドラマ内時間、こちら方面ではどんな「秘話」が語られるのかも楽しみです。