江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

金庸武侠世界 その2

11~20集

 

 今回視聴した10集で、郭靖は桃花島で周伯通に九陰真経を教えられ、欧陽克との婿争いをして、桃花島を追い出され・・・という桃花島話その1から、無人島、金国の船と経由して、大陸に戻ってきての武穆遺書探しミッション、大けがして牛家村で地下室にこもり・・・と大忙し。
 そうそう蒙古から華箏たちもやってきたけど、郭靖はこういうところではぶれないキャラです。

 ポイントになる見せ場のエピソードはちゃんとみんな入っていました・・・よね?

 

 その間に楊康は金の小王爺完顔康に戻ったり、楊鉄心の遺児楊康に戻ったりとぶれまくっています。本心は金の王子のままでいたい、けどそれだと穆念慈に見捨てられる・・・というところですか。今回それが顕著に出ている気がします。

 

 こういう感情のふり幅については、もともと郭靖より楊康の方が大きい。郭靖はいろいろな出会いを通して、武芸や恋愛感情だけではなく確実に多方面で自分を育てています。ところが、楊康は自分が楊鉄心の子どもと知って以来、彼が育てたのは自分や周囲へのマイナス感情だけ。

 郭靖からは暑苦しいまでに義兄弟と呼ばれ、黄蓉からは不信感しか持たれず、かつて溺愛してくれた父完顔洪烈の元に戻ってみても不信の目を向けられ・・・とどこへ行っても心を落ち着けられる場所のない彼にとって、唯一文句を言いながらも、彼から離れない穆念慈だけが間違いなく自分の味方。
 初めて「射鵰英雄伝」のドラマを見たとき以来、まっすぐ育っていく郭靖よりも楊康の方に物語的にはおもしろみを感じています。

 

 今回視聴分では、洪七公、黄薬師についで欧陽鋒、周伯通が登場、黄薬師以下、誰もかれもがめんどくさいキャラです。


 高偉光の欧陽鋒はちょっと線が細いというか西毒の貫禄が不足してるというか・・・ともかくあの蝦蟇功はアレで蝦蟇功のつもり?とか突っ込む。
 今回五絶も比較的若い演員が老けメイクで演じているのですが、洪七公も黄薬師もさほど違和感ないのに、欧陽鋒はひげ生やしただけに見える。もうちょっと老けて貫禄出してもよかったんじゃないですかね?

 

 周一圍の黄薬師は、一人娘溺愛、亡き妻溺愛というただめんどくさいキャラだけではない、孤高の超絶達人の貫禄を見せてくれて満足してましす。いろんな黄薬師見てきましたが、一番取り付く島もないと思わせる雰囲気でした。中の人、絶対狄仁杰よりこっちがいい。大勢入り乱れての場面で、主役も何もそっちのけで黄薬師にばっかり目が行っていたのは周一圍ファンだからだけじゃないと思う。


 この牛家村に大勢集まってきての大々的なアクションシーンは見ごたえありました。孟子義の梅超風の衣装が真っ黒ではなくて、赤が配色されているのも効果的だったと思います。

 

 老頑童周伯通の中の人田雷は、「大江大河」とかで見てるんですが、古装劇で見るのは初めて?こんなにはじけた老頑童になるんだね~と感心してます。

 郭靖を言いくるめて九陰真経を仕込むシーンとか戦闘シーンとかは満足する出来だと思うんですが、私としてはサメと戯れる老頑童シーンがなかったのは大いに不満です。

 

 その割に原作にもなくて初めて見る郭靖と楊康、黄蓉と穆念慈のお風呂シーンとかあって、なんじゃこれとなりました。
 最近の中華ドラマの入浴シーン、いろいろ注目ポイントなので、客寄せ?かとも思うんですけどね~仲良く並んで入ってる女主二人、なぜかでかい風呂おけの端と端にいる男主二人に苦笑。なお、風呂おけは壊れなかった・・・

 

 あと、桃花島奇門遁甲の陣、郭靖と老頑童がさんざんに振り回される感じが薄かったと思うのは、他との比較からかな?
 婿選び場面とか海のシーンとかも食い足りない、時間的にも短いし、CGで作って構成しているのにもっと派手な要素をとりこんでほしかった。完顔洪烈の船から、平和的に離脱するって、ものすごく拍子抜けした。鮫も出てこないし・・・

 CGと言えば、何かを修業するとかいうとすぐにスタートレックのワープシーンみたいになるのも、そろそろ見飽きた気がする。

 俳優の演技を支える意味ではそういうところをもうちょっとしっかり作り込んでほしかったけど、まあ全30集ですからね~短いのでしかたないかも。

 

 ドラマのつぎはぎぶりはますます目立ってきて、そんなところ別に回想シーンに持ってこなくてもいいのに、というほんの少し前の出来事までつぎはぎしてるw

 これで、全体短くできるんですかね?確かになくなってるエピソードとかもありますが、私が強く感じるのは科白が短い。もう少し、丁寧に会話していたようなところがあっさり過ぎて言っている気がします。まあ、大事なところは外してないように思いますが・・・これから、まだ桃花島話その2だの蒙古草原だの話は山ほど残っているのに、後10集ですからね~どうなることやら。
 同じような心配してる「慶余年」と違って、こちらはもう制作終わっているのだけは安心要素です。

 

 と、毎度とりとめのない感想文でした。