1~8集(全)
去年の「金庸武侠世界」の残りです。正直なところ、出なくてもいいけどな~出さなくてもいいのに~と思っていた金庸迷です。ま、出たら、見てしまうのも金庸迷だからで、見なきゃよかったと涙目になるのも金庸迷だから、見てよかった!と思わせてほしいのももちろん金庸迷だからです。
で、今回の残り部分。昨年に出た「鉄血丹心」がほぼ「射鵰英雄伝」を猛スピードで映像化していました。まあいろいろ端折ってはいるものの、そんなに原作から離れてないし、郭靖と黄蓉のキャラにもそんなに不満はなくて、ほっとした記憶。
その「鉄血丹心」が非常に不安を残したのが、キャスティング。師父世代にしては、東邪西毒南帝北丐に老頑童たちの中の人がみんな若い。老け役というまで行かないんですけどね~もう、オリジナル部分で出てくるオリジナル展開部分で何をしたいか丸見えじゃないですかね。
というわけで、恐る恐る見たのがなぜか「金庸武侠世界」から「崋山論剣」という大枠のタイトルに変わった今回の「九陰真経」
で・・・やっぱり・・・
幼い梅若華が目の前で両親を殺され、妓楼に売り飛ばされるというのがこの話のベース。成長した彼女の前に客として現れたのが仇の邱雲海です。親の仇!と打ちかかったもののあっさりかわされ、袋叩きになっていたところを通りかかった馮衡と黄薬師に救われます。
こうして、桃花島の押しかけ弟子となった彼女は梅超風という名を与えられ、師兄たちと楽しい修業生活を送る一幕。ここで、引っかかったのが弟子たちのナンバリング。曲霊風以下、弟子になった順だったはずが、なぜか年齢順だからといきなり陸乗風を押しのけて、三師姐におさまってしまいました。それにふさわしく、態度もめちゃくちゃでかくて、あんた新入りだろ!と突っ込み続ける。
ま、とにかく寒毒に侵されているという馮衡の治療のために吐血しつつ、内力を送り続ける黄薬師。薬を求めて、近くの島に乗り込む弟子たちとか、まあいろいろ。そのうちに陳玄風は梅超風を助けて、二人で黄薬師の目を盗んで九陰真経を盗み出し、彼女の仇を討つために島を抜け出していきます。
この黄薬師と馮衡メインのお話が、とにかく私にはうざったくてとしか・・・さすが馮衡の中の人が陳都霊だけのことはあるし、黄薬師の周一圍もなぜか恋愛ドラマになるとけっこうねばっこくなるんですよね~この組み合わせで、とてもじっとりした夫婦愛のドラマ展開。これは原作でもそうなんですが、特別濃くてじっとりしてた気がするw


それに対して、陳玄風と梅超風の方は、状況を抜きに見たら、結構順調な恋愛ドラマドラマ展開。これが梅超風が敵にやられて歩けなくなる、内力失うイベントからの、九陰真経盗み出し、敵討ちのために二人でがんばるイベントとか細々とつるべ打ちに話が進むんです。
ところが、「射鵰英雄伝」を知ってるということは彼らの行きつくところも知っているわけで、何を見ても、また話を盛りよって~としか見えない。彼らが九陰白骨爪を修業したのも何もかも仇を討つためで、桃花島に逆らう気はなかった。仇を討ったら、師兄たちに詫びを入れて二人で草原に行って幸せに暮らそうとしていたという展開。
草原の若者たちに交じってダンスしているとか、何見せられてるのかとぽか~~んとしてましたよ。
こんなに一杯イベントが発生するのに、ほとんどが何か余計な回り道に思えてしまうのは、二次創作としてはあまりよろしくないんではないですかね?
「黒風双煞」などという通り名がついたのは柯鎮悪兄弟のせい、それがなきゃ幸せに暮らしていけたのにというとか、何その無理やりこじつけと頭抱えた。まあ、柯鎮悪が「いらんことし~」なのは認めるw
単に仇を討ちたかっただけなのに、何をやっても裏目に出てしまって江湖ナンバーワンの大魔頭に仕上げられてしまった二人。彼らが桃花島の外であれこれやってるうちに、桃花島では馮衡が黄蓉を産み落として絶命、脚が不自由になった弟子たちは桃花島から追われるというイベント発生。しかし、この間に梅超風たちも桃花島に戻ってきたりするんですよね~そんなに出入り自由だったのか?
少年郭靖が陳玄風を刺殺してしまうとか言う話はそのままあるんですけどね、なんかもう無理無理こっちも持ってきた感じ。
とかなんとか、とにかく一つ引っかかりだすと果てしなく引っかかるんで仕方ないw
ほんとにこれが「射鵰英雄伝」とは無縁、梅超風とも陳玄風とも、まして黄薬師とも違う人たちの物語なら、それなりに楽しく見られたんではなかろうかと何か残念なのです。
あとまだ三つお話が残っているので、演員表とかはまとめて最後にさせてもらいます。