長安十二時辰 36~48集(大結局)
最後まで見ました。おもしろかったです。
なんかネタバレ満載な感じになりそうなのをお断りして・・・
巨大な灯篭を組み立てている竹の中に油を仕込み、爆発とともに皇帝もろともに焼き尽くしてやろうという龍波の計画。一度は成功したかにみえましたが・・・ とにかく、皇帝と対峙する場面の龍波の周一囲の表情の変化がすごかったです。
これだけの仕掛けを作って、火を放って、ここがクライマックスで大結局!と思ってたら、そこから先のドラマが見ごたえ十分。
見てない人にはなんのこっちゃわからないと承知の上でいうのですが、このドラマ、「三国機密」で献帝2の劉平が最後に曹丕に政権を譲ってしまうのと同じような政治観を持ってるように思いました。ま、原作者は同じです。
龍波と彼をずっと追ってきた張小敬は、ともに安西鉄軍第八団の生き残りで、抱えているものは同じ。実はこのすべてを仕掛けた徐賓は「俺の方がずっと丞相の器なのになんであんな汚い林九郎なんかを寵愛するのか」と悶々としてるとか、今まで見えなかったものが一挙に出てきます。彼らが抱える闇と理想の間でドラマが進んできたわけです。
しかし、徐賓が裏で何かやってるというのは想像内でしたが、まさか最初からずっと時を告げていた龐霊が林九郎によって靖安司に送り込まれたスパイだったとか・・・やられました。ずっと黒幕は誰だ?と思っていたのですが、そんなものはいなくて、私怨私憤、不満を募らせた名もなき人間たちのつながりだったのですね。
彼に限らず、最初の方で出てきた床屋さんの父娘とか歌妓の許鶴子とか牢に放り込まれていた詩人程参とかそんな重要なキャラじゃないだろうと高をくくってたら、これも裏切られました。そして、一部の人を除いて、人がたくさん死んでいく・・・
登場してくる主要キャラがほぼすべて最初の印象というか見かけと違うものを持っているのも、このドラマの特色の一つですね。裏も表もなかったのは李必だけじゃないでしょうか?
もう政治を取る力をなくしてるんではないかと見えた皇帝=玄宗が、太子を信用せず、どう見ても太子を罠にかけ抹殺し権力を独占しようとしている悪大臣の林九郎を重用している理由が、できの悪い息子たちでは人民に太平をもたらせないからだとか、あらま~でした。そして、それを理解した太子が林九郎の悪事の証拠となる文書を自ら焼き捨てる・・・
これがこのドラマのラストなんですね。それを呑み込めない李必は長安を去り、どうやら命は許された張小敬は長安に何かあったらまた来るさとやはり長安を去り、壇琪一人があなたたち二人が去るなら私は厳羽幻のそばにいると長安に残る。
ドラマの中で安録山の名前は一度出てきただけですが、この先には安史の乱が待ち受けてる。それに向けてかと思われる台詞もありました。
長安十二時辰というこのドラマとしては、きれいに終わったと思うのですが、続編もできますね。張小敬リターンズ的な。
李必は最後まで太子を守ろうと命がけで駆け回ったのですが、すべてが無に帰した感じでしょうか。そもそも彼は徐賓たちにうまく使われた感はありますが、謎解きをしたのは彼ではなく程参で、海千山千のおじさんたちに振り回される有能だけど経験のなさすぎる若者。
張小敬リターンズが作られたとしたら、少しは世の中にもまれた彼が登場するのかもしれませんね。妄想ですw
最後まで見て思うのは、この政権を「天下に安寧をもたらしそうな」人物に託す、でも「人品は問わない」ってやっぱり現実社会のどこかにつながってるんだろうってあたりです。あれやらこれやら連想するところが実はいっぱいなのですが、まあ考えすぎかもしれません。
とにかく、面白いドラマでした。きちんと終わってるだけでも十分なうえにこのビジュアルにはすっかりやられ、はまってしまったのでしたw
演 員 角色
雷佳音 飾 張小敬
易烊千玺 飾 李必
周一囲 飾 龍波
杰曼・翰蘇 飾 葛老
徐 璐 飾 厳羽幻
彭冠英 飾 秦征
蘆芳生 飾 姚汝能
韓童生 飾 何執正
趙 魏 飾 徐賓
蔡 鷺 飾 崔器
余皑磊 飾 元載
呂 凉 飾 郭利仕
馮嘉怡 飾 聖人
尹鋳勝 飾 林九郎
呉暁亮 飾 曹破延
周陸拉 飾 李玙
葛兆恩 飾 永王
sukhee ariunbyamba 飾 麻格尔
徐正遠 飾 毛順
楊 溢 飾 聞無忌
熱依扎 飾 檀棋
王鶴潤 飾 聞染
李 媛 飾 魚腸
艾 如 飾 王韞秀
王思思 飾 丁瞳儿
高 葉 飾 李香香
曲柵柵 飾 許鶴子
周野芒 飾 老吏
伊利多斯 飾 伊斯
職員
出品人 樊路遠、林寧、徐康、毛攀鋒、梁超、馬焱洁、鄭志昊、劉国男、陳岩、
呉冰、朱琳、陳冠洋、許震、王飛、姫連強
原 著 馬伯庸
導 演 曹盾
編 劇 爪子工作室
美術設計 楊志家、金楊
動作指導 唐騰飛、孟戦争
造型設計 黒沢和子、楊丹、宋韜
服装設計 鄭春薇
視覚特效 庄厳