32~47集
今年も夏の恒例武侠迷(邪派)のオフ会五覇崗会が横浜で開催され、参加していました。
毎回参加のみなさんに加えて、新しい参加者や10年ぶりという参加者の方も一緒にわいわいとほぼ丸一日武侠ネタで盛り上がりました。
昼間はお薦めのドラマや映画を紹介しあったり、少林問道などの新しいドラマをみんなで見たりと映像をネタにもりあがり、夜はみなで喋りまくり、気が付いたら日付変更線を超えていました。
詳しい報告はきっと掌門のどぅいちゃんがそのうち・・・ご参加の皆さん、いろいろご協力いただいたみなさん、差し出がましくも私からもお礼を申し上げます。
また、来年もみんなで集まりましょうね。
今年は不参加だったという方も、ぜひ来年はご一緒に!
さて、熱血書院。
最後まで見終わりました。
いや、おもしろかったです。一つ一つの話にはムラもムダもアラもあるし、探偵話にはつっこみっどころもいっぱいなんですが、それを差し引きして全体としての構図がおもしろかった。
なので、以下、盛大にネタバレというかストーリ展開ばらしてしまいますし、ついでにシリーズ前作の熱血長安までばらしていますので、ご了承ください。ばらさないと、何がおもしろかったか伝えられないんです。申し訳ない。
さて、前回の続きをざっと・・・相変わらず周校尉に頼まれたりして「少年探偵団」は大活躍。ところが、李璟玉が一度帰って来いと南唐に呼び戻される。ここでは軍に人気のある二皇子が璟玉の太子の地位を狙っているし、璟玉にいい縁談をと母が頑張っているし、何やら呪いの人形が出てきたと疑われ・・・とありがちな宮廷ドラマ展開。
璟玉は恩珠と結婚できるなら、太子なんかやめてもいいというわけですが、この話、なんと1.5回分くらいのキャパで片付いてしまいました。やってきた張誼が「ちゃんと弟と話せ」と場をセッティング、弟には太子を追い落とそうなどという気はさらさらないことが判明、さらに高麗の公主と太子が結婚すれば、江北を挟み撃ちにできますね~と張誼が王をそそのかし、王である父親も「お前にその気がないのは知っているが、王にふさわしいのはおまえだ」と言い出して、一件落着。二人は太乙書院を卒業したら、結婚するということになりました。
ちゃんと話をしないから、大ごとになるという武侠ドラマのお約束を逆手に取ったというかなんというか。
ここまでただの人の好い貴公子だった李璟玉が「太子」という自分の立場を自覚するようになってきます。帰途に張誼を卒業後は南唐に来いと誘って断られています。
でも、学院に帰るとまた「少年探偵団」もしてるんですが、江南と江北の緊張関係がますます悪化、ひと月も経たないうちには開戦かという状況になってくる。
そんな時に太乙学院に隠されている則天宝蔵の財宝を求めて山賊が襲ってきて、張誼たちを支えてくれた文素先生が殺されてしまう。張誼たちはとうとう則天宝蔵の謎を発見するが、それは財宝ではなく唐初の先人が残した大量の失われたはずの典籍だった。
そしてこれを将来のために隠したのが熱血シリーズ最初のドラマで第3季が出されていない「熱血長安」の主人公薩摩多羅だったということが太乙書院の校長たちからたった字幕2行分語られます。
彼らはそれぞれ一巻ずつ竹簡をもらって、学院にもどる。だが、その翌朝、江南と江北の戦争が勃発、学生たちは一日のうちに太乙書院を去るように命じられる。
当然、李璟玉は今や公式に婚約者の王恩珠と共に南唐へ。彼は再び張誼を誘うが、張誼は故郷を守ると江北へ妹や崔伽羅、張櫻と端木正を伴って戻っていく。
そして、北へ、南へと太乙書院の学生たちが去っていく。この後は語られていませんが、彼らのこれからはもちろん、江北と江南の間にある太乙書院の存続も隠されてきた典籍の今後も危うい。友情も学問も文明も日常の生活も踏みにじる戦争が黒い妖怪のように押し寄せてきています。
何一つも明るい未来が待ってるとは思えないラストシーンです。
李璟玉が南唐の太子として兵を率い、戦場で出会ったら、ひと声かけろというような話は早くからしていましたが、もうそれは二人の前にリアルな明日として迫っています。だから、うちの村は見逃してくれ…とかいう話にはならない。敵として戦場で会う未来を覚悟している。
則天宝蔵を探す道でも「国を作れるほどの財宝を手に入れたら、どんな国を作りたい?」と張誼たちが「平和な国、誰もが飢えない国、女性が差別されない国・・・」と夢を語る中「私にはもう国があるから・・・みんなの意見を参考にする」という李璟玉。彼にはもう国家は夢物語ではなく現実になっています。
こういう彼の「太子」としての成長が後半の見どころでした。
張誼は妹の治療のために故郷を出て来たという設定でしたが、ずっと故郷への思いは変わっていない。
二人が国家や故郷を切り捨てられず、そのまま戦争の場へと突き進んでいくんだろうという予想の中で、太乙書院を去っていく。
ところが、このドラマでたった字幕2行分語られたことで、熱血長安の主人公薩摩多羅は国家とか故郷とかを突き抜けていたことがわかります。彼は実は唐に滅ぼされた西域の亡国の王子で、彼を担いで国家再興の戦いを始めようと本人の知らないところで企みが現実化してきたところで第2季が終わり、第3季が作られないままになっています。
しかし、この2行があったために、薩摩多羅がその計画にのらず、将来の人々のために知的財産を保存しようとしたことがわかりました。これは物語的にはすごくうまい。前作からの視聴者の「あれからどうなった?」という不満を「ただ想像にお任せします」ではなく、その想像の方向性を示したことで、一挙に解消してくれました。
探案ドラマの主人公としては薩摩多羅と張誼はほとんど同じキャラなんですが、ここにきて予想外に薩摩多羅のキャラが深みを帯びてしまいました。たった2行、されど2行。
推理ドラマとしては、けっこう突っ込みたくなるところも多いんですが、ドラマ全体の組み立てとしてはとても楽しめました。
もう一つ、前作がこだわった全編CG処理。背景はすべてCGでそれを「自然」に見せる。これに対して、今度は普通のセットなども使いつつ、「CGで何が悪い」的な開き直りも感じます。いつも同じ蓮池とか毎回違う生物だけど風景は一緒とか・・・それもまあいいんじゃないのかと・・・
で、同じく周琳晧が導演の「法医秦明:幸存者」行きます!
しかし、なんでこの顔ぶれで、郭京飛出てこないんだ?カメオでいいのに~~
演員
梁大維 飾 張谊
張芷溪 飾 崔伽羅
張瑞涵 飾 端木正
艾暁琪 飾 王恩珠
李汶翰 飾 李璟玉
金夢陽子 飾 張櫻
曲少石 飾 校尉
宋金陽 飾 武陵
張译文 飾 文素
張黎明 飾 太守
傅 隽 飾 孟長山
都金翰 飾 李璟遷
職員
出品人 楊偉東、徐佳暄
制作人 蘆碩
監 制 李基業、張茹、楊徳華
導 演 周琳皓
編 劇 王雪嬌、石夏晨、陸宇星、褚麗雅、申麗穎、孫一鳴、李麗莎、左煜、李論、孫紫嫣、田茂入、令依稀
美術設計 徐亮
動作指導 蘇東、毛志強
造型設計 陳敏正
服装設計 劉春萌
視覚特效 程正