江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

2020年版鹿鼎記 その4

34~45集(大結局)

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 なんというかあっという間に終わってしまいました。
 麗春院での一夜はただ一つの床に六人を寝かせただけで、何事もなかったようで。とはいえ、建寧以外に阿珂と蘇荃には子どもができるんで、別々にそういうことになったという話にしてしまったみたいです。

 この後は、北京に呼び戻された韋小宝の二股がばれる、通吃島で鄭克爽が陳近南を殺す、通吃島に7人の妻と籠る、台湾経由で北京に戻って、ロシアとの戦争に出て行って・・・と一応原作通りに展開。

 と最後までをたった12集で展開。

 

 そこにやっぱり建寧を連れて行こうと瘦頭陀と毛東珠が現れ、建寧にお前は公主じゃないと告げたあげくに彼女をかばって死んでしまうというようなオリジナル展開もちゃんとぶち込んでくる。

 

 台湾とロシアへは行ってきた!という程度の扱い。黄暁明版の時には、大量カットになった分が香港での放送時には復活してたということがありましたが、その後の韓東版でもやはりばっさりカットされてたから、現状では仕方ないんでしょうかねえ?

 そして、大手柄を立てた韋小宝を自分の家臣として縛り付けようとする康煕と、絶対君主の家臣でいることにも天地会の人間でいることにも耐えられなってくる韋小宝の懊悩、最後の一家あげて北京を脱出していく話へとつながっていきます。

 

 今回は冒頭から小宝と康煕の関係が、康煕が思ってるほどに「幼馴染」感がないので、韋小宝はずっと彼との関係にもやもやしてます。大事な友人でもあるということに違いはないんですが、この一事に関しては子役たちががんばった黄暁明版にはかなわないと思う。

 韋小宝一家が北京を去っていく船の上での彼の独白でドラマが終わってます。

 

 全体として起伏が乏しいと思い続けたこのドラマ、突然雰囲気が変わったのは帰辛樹一家の康煕暗殺の失敗の後、韋小宝に「すべて知ってるぞ、天地会とは手を切れ」と康煕が怒りをぶちまけた場面から突然シリアスになりました。

 康煕から「お前は私を殺せたのか?」と問われた韋小宝が「できない。でも皇上はどうなんだ?ぼくを殺せたのか?」と繰り返し問うと康煕は「できる」と答える。

 この後に、ロシア話も出てくるんですが、今まで通りにきゃわきゃわやってるようで、韋小宝の心理にはずっと薄寒い風が吹いてる。このあたりの韋小宝の感情の動きはよく演じられていたと思います。

 ただ、とにかく時間がない。45集というのは「鹿鼎記」には足らない。なんでも元は60集、いや80集もあったそうで、それが大幅カットになってしまった結果の45集。全体としてダイジェスト版っぽい感じをうけるのはしかたないのかもしれない。

 

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 最後は韋小宝のこの独白で終わりましたが、なんかぶつ切れ。真面目な顔してますが、話し相手はおさるさんw

 韋小宝と同行している妻や子どもたちも北京脱出以後姿を見せません。というかその後の話がほぼなくなってしまってる。

 逃げだすについては妻たちとしっかり相談してるし、建寧も含めた韋小宝の妻たちが最年長の蘇荃のしきりで組織として有効に機能しているのは今回の見どころだったんですけどね~

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 そして気になるのは、康煕に韋小宝一家が消えたという報告が入った時に、うまいことに間者を入れてあるというんですよね、すると報告に来た家臣が「その間者も消えました」という・・・誰?

 大結局まで、ずっと評価は低いまま、それなのに見ている人は多いという状況でした。確かに、必要以上に小ネタで笑いととろうとするところがウザかったのは事実。最後に天地会の拠点を焼き払っていこうというような場面でこんなネタ入れてくる必要ない。

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 それもこれも、聞くところによると80→60、さらに60→45と大幅にカットになってしまったせいかと思うと俳優陣やスタッフには気の毒としかいいようがない。冒頭の過剰なコメディ演技とかにはいらっときたし、鄭克爽の扱いとか麗春院の夜の一件とか、建寧公主の出生とかはやはり改変なんでしょうね。金庸自身が改編した新版はこうなってるんだろうか?と思い始めると確信はできないわけですが・・・

 今度のドラマを通して、どうも韋小宝も康煕も陳近南もみんな性格が悪くなっているというか、なんというか・・・元々ろくでもない人物だった鄭克爽なんか、さらにひどくなってるw

 その分、建寧公主がやはりただのわがままお嬢さんから韋小宝と関わる中で、思いもよらない自分の出生を知らされるとかさんざんな思いをして、どんどんいいキャラに育っていきました。中の人唐艺昕の芸風がなんか夫の張若昀に似てきたような気がするのは、気のせいか?

 そして、とうとう最後まで7人の妻の顔が覚えきれなかった。朝廷の重臣たちの顔も覚えられなくて・・・なんかすまんです。

 

 なんだかね~やっぱりもうちょっと長いバージョンで見せてほしかったという思いが強く残りました。

 ということで、ただ今「狼殿下」視聴中。「大秦賦」も始まったし、また忙しくなってしまいました。もうしぶしぶ(失礼)ラブコメ見てる暇はなさげです。


演 員     角 色
张一山  飾  韦小宝
唐艺昕  飾  建宁公主
张天阳  飾  康熙
朱 珠  飾  苏荃
杨祺如  飾  双儿
郭 泱  飾  阿珂
关 芯  飾  沐剑屏
王祉萱  飾  方怡
钟丽丽  飾  曾柔
田 雨  飾  海大富
王 阳  飾  陈近南
于荣光  飾  吴三桂
刘天佐  飾  鳌拜
王秀竹  飾  太后
李淑桐  飾  九难
周 帅  飾  索额图
魏健隆  飾  康亲王
刘 超  飾  多隆
海 洋  飾  张康年
郭 峰  飾  赵齐贤
张 磊  飾  施琅
魏 凯  飾  赵良栋
黄小蕾  飾  韦春花
王翊豪  飾  风际中
萧岱青  飾  徐天川
张喜前  飾  玄道真人
甘 雨  飾  关夫子
宁小花  飾  钱老本
曾柯琅  飾  郑克塽
郭乙桓  飾  吴应熊
魏子昕  飾  陆高轩
任玉翔  飾  胖头陀
刘 金  飾  瘦头陀
王小伟  飾  冯锡范
谢 宁  飾  茅十八
甘婷婷  飾  陈圆圆

 

職員
出品人  薛继军、龚宇
制作人  王浩、杨蓓、房迎
監 制  庄殿君、王晓晖
原 著  金庸
導 演  马进
編 劇  王兆楠、申捷
美術設計 武明
造型設計 陈同勋
服装設計 宋凤如