江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

唐朝詭事録之西行 その3

17~24集

 

 内容としては、「千重渡」と「通天犀」の二つのエピソードになります。前回の「風雪摩家店」のラストで姜威から託された摩什大師の舌舍利(ただし半分)を残りの半分のある寒州の寺に届けるために、寒州経由で任地の雲鼎に向かおうとします。

 「千重渡」は「通天犀」へのつなぎ的な話になり、実質2集分もなく、メインの「通天犀」がみっちり6集分という配分になってます。前回、「千重渡」の前で一区切りしたのは正解だったようです。
 
 この摩什大師の舌舍利という宝物、そもそも舎利なら知ってるが、舌舎利?骨のない舌なのに舎利?骨?えらいおどろどろしいもん考えたな~とググってみたら、これがドラマや原作の創造物じゃなかった。高僧がなくなって荼毘に付された後に結晶体ができることがあってそれを舌舎利というとか・・・ほんと、世の中は知らないことだらけです。

 もちろん、この舌舎利も彼らを厄介な事件に引き込むことになります。

 

 

 その前に、起こったのが「千重渡」のお話。

 旅を続ける一同は、河を渡るために千重渡までやってきます。ところが、ここで船頭が官船でないとないと渡れない、夜には渡れないとかさんざんケチをつけてきます。ようやく船は出向しますが、日本人的には「鳴門の大渦」のようなのが出現、そこへでかい怪物まで出現します。

 あやしい船頭たちは逃げ出し、蘆凌風一行と同乗している監察史謝年祖たちは必死に船を操って、海と怪物相手に戦うことになります。

 ようやく命拾いした彼らが発見したのは、大量の武器。蘇無名と蘆凌風は造反を企む大規模な組織太陰会の存在に気づいきます。

 

 

 そして、次には雲鼎に近い寒州へとやってきます。そこで、蘆凌風は預かっていた摩什大師の半分の舌舍利を残り半分を所蔵している寺に納めようとしますが、この寺の住職たちに不信を覚えて、しばらく町に滞在して様子を見ることにします。

 ということで、早速家を借りるわけですが、そこの井戸で死体を見つけ・・・という「琅琊榜」で見たような展開。

 

 この家を持ち主をたどるところから、染物屋をしている宋阿糜に出会い、彼女が夫に虐待されていることを知って・・・という話になっていきます。一方で、この街が唐に恨みを持ち反逆を企んでいる太陰会に支配され、官にも民にもその一味が深く入り込んでいることに気づきます。

 

 蘆凌風は、自分も唐朝には不満があるとしてこの太陰会の一人冷狐朔に接近します。傍目に見ても、次々左遷されてる彼がそう言っても不思議はない感じです。冷狐朔の信用を得て、一味の本拠地へと潜入することに成功します。

 太陰会には厳しい身分制度がひかれていて、トップに立つのは誰も姿を見たことのない会主。この正体は?ということも謎の一つ。

 

 いよいよ太陰会が寒州城を攻撃してくるという結構大掛かりな合戦シーンも登場します。このドラマ、どうもこういう時にCGのアラが出てしまうんですよね~CGで水増ししている軍勢がふわふわしてたりするんですよね~ま、笑ってスルーしてますがw

 この二つのエピソード並べて、海あり山あり砂漠も街中もありと舞台もいろいろなら、話も海洋冒険テイストから、スパイものテイスト、昼メロテイストに、戦争ものテイストと盛りだくさん。

 

 エピソードとしては長めですが、次々と局面が変わっていくので視聴意欲が落ちる感じはなかったです。

「仵作の死」でも同じように次々局面が変わり、最後の最後までどこに落ち着くのか読みにくいところがありました。今度はそれよりはクオリティが低いという指摘も見ました。「仵作の死」がミステリ風味が強かったのに対して、こちらは宋阿糜の夫殺害の犯人捜しより寒州城戦に至るまでのかけひきとかにポイントを置いていると思っています。同じドラマの中でもかなりタイプが違って、どっちもおもしろかったんですけどね。


 読みにくかったのは、冷狐朔がどこまで暗黒面に落ちているかあたりですか?しかし、いかにもやり手な印象で登場したこの人物、みかけほど賢くないかも・・・中の人は師子尋、「天舞紀」に出てたそうですが、ドラマごと記憶に残ってません💦

 

 裏切り者もいたけど、結構切れ者が揃っていた寒州の役人のみなさん、誰がいい人で誰が悪い人なのかというのもそれなりに楽しみでした。

 

 なんでこのエピソードが「通天犀」なのかは、上の海報でお察しくださいw