江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

清明上河図密碼 その1

1~12集

 

 2024年も終わりというころになって、見ごたえのあるおもしろい作品がまた出てきました。

 

 このドラマ、北宋の張拓瑞が描いた「清明上河図」をモチーフにした探案ものです。清明上河図というと、当時の華やかな開封の都を精微に生き生きと表現した長い巻物、本物はともかくレプリカは見たことがありますし、開封旅行の土産物としても売っていたりする超有名な芸術品です。

 その絵が見せてくれる当時の街の風景、風俗だけでなく、そこに描かれた824人の人々をモチーフにして展開するドラマです。(人数は諸説あるそうですが、ドラマ公式によってます)

 

 清明上河図の画面がCGによって立体化され、再現されてくるオープニングには目を奪われました。

 

 

ドラマの主人公となるのは大理寺の記録係趙不尤、その妻で傘屋を営んでいる温悦、彼の父趙离、弟の趙墨儿、妹の趙瓣儿の一家五人。それに開封府の左軍巡使顧震とその配下萬福、忘れてはいけないだろう清明上河図を描いた張拓瑞などがレギュラーで登場してきます。

 

 この趙不尤を演じるのが「狂飆」で一気に話題の人になった張頌文、今回は愛妻家で家族が大事な人物ですが、同時に大理寺の記録をすべて暗記しているという超絶記憶力の持ち主で正義感の強い探案の名手というキャラを軽妙に演じています。

 温悦には白百何(私は見てないけど肖戦の驕陽伴我の女主でした)、家を買うために傘を売ったお金をせっせと蓄えています。彼女は実は高い戦闘力をもっている・・・と言う冒頭では隠されている秘密もあるのですが、15年連れ添った趙不尤とはよい夫婦関係を保っています。

 

 それに弟の墨儿は「少年游之一寸相思」で左卿辞を演じた張耀、今回は何でも来いのエンジニアというところ。弟キャラが収まりよい感じです。

 

 妹の瓣兒はどこで習ったのか検死の達人。演じているのは夏夢ですが、「西出玉門」に出てましたが日本に上陸してるドラマには出てないかな?

 

 侯岩松が演じている老父趙离はちょっとした老頑童で話をかき回しているのですが、この一家でただの痴呆気味な老人というわけではないと思っている視聴者。

 

 顧震を演じているのが「大唐狄公案」で「この人、狄仁杰?」な狄仁杰を演じていた周一圍。今度は開封府で刑事課相当部分を指揮している巡使ですが、こっちはきっちりと事件解決のために奔走していて、探案ものこそ見たい視聴者は満足してます。

 

 そもそもこのドラマを実際に見るまで、周一囲主演の探案もの?CGいっぱいだと~?と悪い予感しかしていなかったのですが、良い方向で裏切られてしまいました。

 

 事件の解決がエピソードの区切りとはっきりなってはないのですが、最初のエピソードには李乃文、海一天という濃いメンバーが顔をそろえ、二つ目では張馨予がきらびやかな装いで登場してきました。

 

 初めの事件では清明上河図の中でもよく知られている(というか私でも知ってる)虹橋の下を通ろうと帆柱を倒している大きな船という場面をモチーフにしています。趙不尤たちが橋の上で見物していると突然白い煙が一体を包みその中から悲鳴が聞こえてくる。煙が晴れると船の姿は跡形もなく、頭を豚の頭と取り換えられた死体が現れる・・・というセンセーショナルな事件です。

 その捜査に乗り出したのが、大理寺の狄倫と開封府の顧震。それに大理寺で起こった火事の責任を押し付けられて狄倫から馘首された趙不尤一家や張拓瑞や弟妹の友人なんかも関わって謎解きに走り回ることになります。
 
 温悦は傘屋に現れて自分をゆすってきた小役人を簪で刺し殺してしまいます。この死体を隠し、温悦の犯行を隠ぺいしてしまおうと夫妻は必死になります。これが展開するのは宋代のアミューズメントセンターのような施設の中。

 そこに趙不尤、温悦に疑いを持つ顧震やら狄倫が配下を従えて現れ、施設の中を右往左往です。

 まあ、とにかく張頌文と海一天がへたな芝居を討ち、それを見せられているのが周一圍と李乃文というものすごいとしか言えないシーンには目を見張ってしまいました。

 詳細は省きますが、弟たちの活躍もあって15年にわたる謎が解かれます。

 

 続いて、張馨予が演じる章七娘が登場。なぜか温悦と趙不尤を取り合う形の話の裏で、陰険な企みが繰り広げられます。このエピソードで登場したのが、帽妖。この怪物?「夢華録」でも出てきましたが、その解説もこのドラマのおまけ部分でされていました。生首が飛んでるわけではなく、首だけの化け物ともまた違うようです。

 

 「我是刑警」を見てた時にも思ったのですが、緩急の付け方がうまいドラマはやっぱり面白いですね。謎解き部分の詳細は書きませんけど、シビアに展開するその部分に対して、主人公たちのほっこりできる人間関係、楽しい会話なんかが絶妙に組み合わさっているんですよね~もう次を見ないではいられないw

 

 顧震の配下で、いらんことばっかり言っては「黙ってろ!」と言われている万福もちゃんとした卓見のある人物であるとか、登場人物たちの表面に見えてる部分と奥にある部分の落差も話を興味深いものにしています。
 とにかく趙不尤と顧震が始終お風呂や役所の裏の畑で、事件の話をしたり、突っこみあったりしてる趙不尤と顧震が愉快です。でも、話してる中身がけっこうえぐい内容だったりしてます。

 

 趙不尤一家の設定には、自分の能力をオープンにしているフォージャー家@SPY×FAMILYという感じも受けました。後は老父趙离がどんなアビリティを見せてくれるか?楽しみにしています。ただの老人力だけではないと信じてますよ~

 

 しかし、このドラマ、今年中には配信終わらないでしょうね?とすると、迷子的ルールとしては今年の中華ドラマ視聴まとめには間に合わなくて、来年回しはなんかもったいない。先行配信とかないのかな~💦