江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大唐狄公案 その1

1~8集

 

 期待していただけのことがありました。目いっぱい楽しんでます。で、もう二回りしてしまいました。

 ロバート・ファン・ヒューリックのディー判事シリーズを原作にした狄仁杰ドラマを周一圍で制作すると聞いたのは、もう数年前でしょうか。それからずっと待ってた。

 

 ミステリファンと言っても、ディー判事シリーズを呼んだのはずいぶん昔。もう記憶もあいまいなところで、このドラマを見たら、いろいろびっくり。まずは、主役の周一圍演じる狄仁杰がものすごく強い!冒頭から匪賊相手に大立ち回りを演じてあっさりやっつけたり、襲ってきた賊にも剣を振りかざして大活躍。

 

 と、こういう狄仁杰を見るのは初めて、さすが周一圍だけのことはある~とか妙な感動覚えました。が、しかし!手近にあった早川ミステリの「東方の黄金」を再読したら、なんと原作キャラ設定ほぼ準拠でした。でも、ここまで強くはないな💦

 

 この作品もドラマも、狄仁杰がまだ任官する前から始まっているんですが、内容はかなり違うみたいです。なんか曖昧なのは、随分前に読んだのとこれ以外のポケミスを発掘できてないからです。白状するとあまり熱心な読者ではなかった。当時は、中華ドラマ見てなかったんですよね~

 

 私の「狄仁杰」は梁冠華の「神探狄仁杰」、中でもこのシリーズの第1季はもう神劇の域ではないかと思っている迷です。胖版狄仁杰とか言われてますが、こっちが基準なので、今回の周一圍も、劉徳華や趙又廷、少年版の黄宗澤、任嘉倫らの演じたのは異次元の狄仁杰という感じでしょうか?

 狄仁杰を囲む、狄家に仕えてきたいわば親代わりの洪亮、街のごろつきから狄仁杰の配下となる馬栄、喬泰の3人は原作通り、ただし馬栄が女性キャラになっています。
 注目するのは、この洪亮を演じているのが尤勇智。「射鵰英雄伝」は張P版が一番!な私には西毒王陽峰のイメージが染みついています。この狄仁杰なら、管家もこのくらいの濃さでないとつりあわないよな~と納得してしまいました。

 

 配役というと、このドラマは全32集で9つの事件を扱う構成ですが、それぞれのエピソードごとの出演者がめちゃくちゃ豪華、私基準ではキもはやラキラしてます。この先でも張若昀とか李乃文、余皚磊なんかも出演してるようで楽しみです。
 ただし、陳宝国、王勁松の名前も演員表にありますが、すぐに頭に思い浮かぶあの人この人とは別の俳優さんなのでご用心w

 

 見終わった8集では二つの事件を解決、三つ目にかかったところです。

 狄仁杰デビューとなる「鳳印案」では張嘉益@九州縹渺録、言杰@琅琊榜、劉端端@慶余年、 張晞臨@以家人之名、王梓権@開封奇譚、何中華@馭鮫記、二つ目「屏風案」では印小天@盛唐幻夜、楊明娜@安楽伝、まだ冒頭だけの三つ目「黄金奇案」では李晨@軍師聯盟、楊皓宇@宇宙探索編輯部らがこれでもかと登場してきて、これをキラキラと言わずにいられましょうか!

 

 キラキラした配役に目を奪われながらの視聴です。このメンバーの演技を見るのもうれしい。筋肉質、腕自慢の狄仁杰だけど、頭の切れ方も尋常ではない。そういうある意味パーフェクトなキャラを謎解きに集中する名探偵を見せつつ、「上等だ!かかってこい!」とばかり啖呵切ったりもしつつ、なんかかわいらしく演じて見せてくれる周一圍はやっぱりいいです。

 

 原作のどれから来ているのか確認できていませんがストーリも起伏があって面白いです。美術方面でもセットや小道具の作り込みも大変時間と手間をかけたのが見ていても伝わってきます。夜の場面も多いのですが、落ち着いた配色にアクセントに切り込んでくる光とか炎の演出が好みです。それに刃物で喉笛を切られるというような血なまぐさい場面はなんちゃって演出になりがちなのですが、今回きっちり皮膚が割れるところから見せていたのが印象的でした。

 とにかく作り込みが細かい、書道をする人間としては筆が現代の筆とは違うのもうれしかった。紙の質も違いましたね~細かい。好き。

 

 大規模なセットを組んでいる一方で、撮影場所にも横店など懐かしいところがたくさん使われている。最近、外形だけはたくさん出てきても内部を使っているのはちっとも見なかった横店のこの四海帰一殿。この内部をそのまま使って殿試の会場にしていたのもうれしい。ここが出てきたのって、いつ以来だろ?と記憶をたどっても、もはや懐かしすぎる2002年の張衛健の「斉天大聖孫悟空」しか出てこなくて・・・まさか、そういうわけでもあるまいとは思う💦

 

 最初の事件は、科挙を控え西域から戻ってきた狄仁杰が洪亮に尻を叩かれながらも、やる気があるんだかないんだかという風にしながらも、ごあいさつ代わりに最初の謎解きを鮮やかに披露するところから始まります。
 彼は都で再会した友人賀大荊たちと旧交を温めています。ところが賀大荊とたまたま入った妓楼が出火、彼だけが生き残り、放火犯として囚われてしまう。
 魏無疾の計らいで、自ら犯人を捜し事件を解決し無実を証明するために10日間の猶予を得た狄仁杰は洪亮や馬栄、喬泰と共に捜査に乗り出します。

 この事件は皇后の印が盗まれたという事件ともつながって、宮廷がらみになっていきます。

 

 今回は皇帝が劉端端、皇后が鐘楚曦というこちらも若い配役で、全体的に「少年狄仁杰」の雰囲気です。皇后がワイルドカードを握っているのは、狄仁杰ものではおなじみのパタンなんですが、今回も?こんどもなかなかなキャラ設定と見ましたw

 

 二つ目の事件の前に狄仁杰は、蓬莱県の県令として赴任することになり、洪亮は参軍、馬栄と喬泰は護衛として同行します。赴任途中で発見した男の死体の謎と詩人滕坎が妻を殺したと自訴してきた事件と取り組むことになります。ここで捜査に協力する曹安とはこれから「お付き合い」が深まるはず。中の人は王麗坤。琵琶の名人設定ですが、あまりにも指遣いがあってなくて、細かい作り込みされてるドラマだけに残念です。

 

 始まったところで、次回待機になったのが「黄金奇案」で今度は海辺の町での話が始まりました。で、早速登場したのが狄仁杰の友人侯兪の李晨です。何か難しい立場のようですが・・・

 このキャラ、「東方の黄金」にも出てきていますが、きっと他のキャラも別の原作に出てると思われます。ちゃんとポケミス探せよと脳内の自分がせっついてきますが・・・読む時間より探す時間の方がかかりそうです。

 

 と言うことで、毎度要領を得ない感想文でした。