江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大秦帝国 その12

中文版 第43~48集 あと少し~~


 ほんと後3集なんだけど、長くなってきたので、一区切り。

 太后は死に臨んで、贏一族の長として後継者の渠梁と荧玉に「国難のもとになるから贏虔を殺せ」という遺書を残す。衝撃を受けながらも、その遺言を実行すべく私兵を動かす孝公。

 太子は、秦公病篤しの情報を得て、様子を見に来た六国の使節を相手に一歩も譲らず、堂々たる外交デビューを飾る。

 自分が殺されることを危惧した虔は、仮死薬を怪しげな金髪男から入手。孝公の手のものが向かった時には、すでに「死んで」いた。しかし、どんな顔して生き返ってくるつもりだ?

 孝公は、自分の死によって、贏鞅を恨む貴族や公子虔らによって彼が殺されることのないよう、先手を打って彼らを暗殺しようと図る。しかし、衛鞅はそれも承知の上で、暗殺をすれば秦は法治国家ではなくなる、変法を完成させるためには自分が死ぬことも当然と孝公を留める。

 順調にスタートを切った太子には、かつて彼が世話になった親子の悲劇が怪しげな商人によってもたらされる。自分を長年にわたって、ストーカーしていた人間の存在を知って、太子は怖気をふるう。

 巡視に出かけた先の函谷関で、孝公が死ぬあたりは、ほぼ原形をとどめています。
 衛鞅は、孝公の死後、命をかけても秦の変法を守ることを誓う。ここで自分の死と引き換えに貴族やら旧体制の生き残りを合法的に排除することを考えているわけ。だから、ここからは甘龍たちが自分のたくらみが成功しているとほくそ笑んでいるのが、衛鞅の術中にはまっているということでしょう。
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 甘龍は老年の自分が生き残ったことを誇り、孝公が死後に残した政治体制を覆し、衛鞅を抹殺、権力を取り戻そうと張り切る。しかし、いつも髪の毛を若い娘に梳かせているいけすかない爺さんだ。

 孝公の死を知った魏では、信じられないくらいの無能トリオ(魏王、太子、公子昂)が喜色満面。早速奪われた領土の回復をたくらんでいる。

 贏虔の「遺児」を預かっている新公贏駟は、娘の口から贏虔が生きていることを知り、会いに行く。そこで、君主として今後なすべきことを相談するわけですが、テレビで抜けてたこともいくつか。太子が、追放される原因となった事件の黒幕は甘龍であったこととか・・・贏虔も無駄に20年近くこもっていたわけではなく、彼なりに時局を冷静に分析してたんでしょうねえ。

 この二人の会話と並行して、旧勢力たちが姿を現した公孫賈、それにかつて民衆の蜂起という事態に無能無策で死罪となった兄を持つ趙良とが、権力の奪回と衛鞅の抹殺を画策してる。

 景監は敵を根こそぎにするためには、誘い出せという衛鞅の助言によって、新法によって罪に問われた貴族たちの復職を贏駟にさせる。
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 衛鞅は公主とともに、孝公が衛鞅と変法を守るためにと残した秘密の軍を解散させる。甘粛たちは衛鞅が私軍を動かしたと訴え、衛鞅を捉えさせようとするが事態を察した車英と公主のために失敗。日本版で「私軍を・・・」と言ってるのはこの件のことでしょう。

 次に衛鞅がしたのは、孝公がまさかのときにと衛鞅のために作らせた封邑。秦の誰ひとりとしてここには手をつけられんと言う特権まで与えてられていたのを解散させようと乗り込む。
 そこへ、衛鞅を咸陽に連れ戻すという口実で殺しに来た貴族たちの軍がやってきて、住民たちと戦いになる。そこへまた、衛鞅を助けようと子岸の軍がやってきて戦いになる。そこへまたまた贏虔が新君主贏駟の頼みで衛鞅を殺させまいとやってきて・・・という4つ巴の状況。
 これが、勝手に私有地を作って、人民を先導して乱を起こさせ・・・というところになるわけです。
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 貴族たちは、衛鞅が魏に逃れることを懸念し、魏王に手を回す。魏王に衛鞅を助けない条件として、せっかく魏から奪った土地をあっさり引き渡すことまで約束。

 衛鞅が自分の死後に自立できるようにと孝公が計らったことを、それでは法治国家を作るという秦の変法がだめになってしまうと、自分の首を絞めることを承知でご破算にして回っていた衛鞅。
 
 子岸の自害で一時の自由を得た衛鞅は、荊南を白雪のもとに赴かせ、斉に逃げて、息子は墨家に預けるよう伝えさせる。

 そして、自らは一人で咸陽に戻っていく。