１～１５集
あっという間に「狼殿下」と「棋魂」その他を押しのけて、優先順位一番になりました。
いや、おもしろいです。ずっと大秦帝国シリーズを見てきて、第４部「大秦帝国之天下」を待ってたんですが、また原作をかってに改変したと原作者との間でトラブルがあって、結果「大秦賦」ということになったらしいです。
そのせいがどうか、第３部「大秦帝国之崛起」とは時代というか内容的に同じ部分を描いている重なりがあります。でも、これが同じ秦の昭襄王の話とは思えないくらい、タッチが違います。
各国間の政治的な駆け引きとかは歴史の本で見ればいいということにして～というか私の知識ではへたに口出ししないが吉かと～で、登場人物たちの動きなんかを中心にざっくりと。
第３部の昭襄王は張博（荀飞盏＠琅琊榜之風起長林）から、王庆祥（藺晨＠琅琊榜之風起長林）に交代。狂おしいまでの権力への執着を見せていた前回に比べるとずいぶん老成した昭襄王です。だからというわけでもないですが、第３部と重なっていても、まったく気にならない。繰り返されるとええ～い知ってるから～～とイラっと来たりもするのですが、今回は「あ？同じキャラ？そうだっけ～」となってます。
原作と違うと原作者が怒ってるそうな第２部「縦横」と第３部「崛起」ですが、この二つに共通するのは登場する人々が持つ種々の息苦しいまでの狂おしさだったと思っています。
そこから見る今回の「大秦賦」ちょっと薄味かな？という気もしますが、他のドラマに比べたらものすごく濃いｗ
ドラマは嬴政の幼年時代、趙国で人質となっていた秦の昭襄王の孫嬴異人が呂不韋の手引きで邯鄲を脱出、嬴政と母の趙姫は邯鄲に取り残されてしまうところから始まります。
邯鄲で苦難の日々を送る母と子。秦の咸陽に無事戻った嬴異人は、祖父昭襄王や父の安国公には歓迎されるが、安国公の華陽夫人とその弟陽泉君芈宸は子楚の嫡母という立場から彼を思い通りに動かそうとします。
ようやく趙国から嬴政母子が咸陽に戻ってくるとそれを阻止しようとしたのから始まって、自分にとって扱いやすい押し付けた妻韓霓の息子を子楚の後継にしようと企み続けます。
昭襄王の死後、安国公の即位、嬴異人改め子楚の立太子と続くのですが、なんと安国公＝孝文王は即位三日で急死。続いて、子楚＝荘襄王が即位しますが、その太子の座を巡って緊張が高まります。
即位して３年で病気に倒れた昭襄王を横目に、王城を封鎖し、嬴政の異母弟成蟜を太子にさせようとするが、これに嬴政や呂不韋、蒙毅らが対抗。華陽夫人勢力とそうはさせじという子楚たちの手配りという虚々実々の駆け引き、その結果の攻防戦が見ごたえありました。
これに勝利して、嬴政が太子、そしてすぐに子楚が死んで即位ということになりました。
ものの本によるとこの時嬴政１３歳とか・・・いくらなんでも張魯一では１３には見えないｗというかその前の子役でさえ、１３歳前には見えないｗ
ま、それはさておき、１３歳の秦王嬴政を補佐するのが仲父と呼ばれる丞相呂不韋と母趙姫。やる気十分な嬴政ですが、政治は任せておけと独断専行する呂不韋との間に隙間風が吹き始めています。
嫪毐、李斯、韓非といった面々も登場していますが、配役に外連味がなく手堅いと思います。
華陽夫人の邬君梅は、古くはラストエンペラーの文綉、最近では「如懿伝」の太后つまり甄嬛の演者ですが、今回の華陽夫人はとにかく一身に羋家を背負った人物で、如懿伝の太后よりもっと恐ろしさを醸し出しています。
呂不韋の段奕宏、最近では「謀聖鬼谷子」。策謀には長けている呂不韋ですが、李斯からは「やはり商人、国の丞相としては・・・」と見切られています。
趙姫を演じる朱珠は途中で放置してる「精英律師」のセクシーな秘書しか見たことがないですが、張魯一の母ですか、そうですか・・・まあ１３歳だしｗ
で、嬴政の張魯一。１３歳、頑張ってる４０歳ですｗまあ先は長いので、これからが本領ですよね。
父の荘襄王嬴子楚の辛柏青は「妖猫伝」の李白、祖父の孝文王嬴柱の冯晖は沈追＠「琅琊榜」に夏竦＠「清平楽」。
他にも趙孝成王で劉鈞（梁王＠琅琊榜之風起長林）とか平原君で金庸ドラマでおなじみの劉乃艺が出てきましたが、第３部「崛起」と同じ役で出てるのは彼だけですか？
とにかく、毎日３集ずつの更新をちゃんと追いかけてるうちにあっという間に１５集。全７８集と最近にしては長大なんですが、なんかあっという間に終わってしまいそうな気もしてきました。
こういうテンポもよくて、メリハリの利いたドラマ展開、大好きなんですよね～演員表見てても、ドロネバ後宮ドラマになりそうもないし、その点安心。う～趙姫と嫪毐か～～ま、ほどほどでお願いしますｗ
この時代ですから、戦場の描写も多く、かなりの人数を使っての本格的な戦闘シーンは迫力十分です。
各国で異なる軍装とか役人の装束のデザインも兵馬俑などを思わせるし、宮廷の衣装も無闇にひらひらキラキラしてなくて、質感も当時の織物はこうだったんだろうと思わせるざっくりした粗さがあります。
とにかく人と金と時間をたっぷり使って制作した贅沢なドラマを楽しんでます。
