１～９集
私が見る「天龍八部」ドラマ化の４作目。
何度か書いてきたように私の武侠迷事始めはチャンネルNECOで放送された張紀中制作の2003年版天龍八部です。胡軍の喬峯、林志頴の段譽、高虎の虚竹、修慶の慕容復に劉亦菲の王語嫣、劉涛の阿朱というような主要キャラは個人的鉄壁。その前の香港の1997年版の黄日華の喬峯、陳浩民の段譽、樊小皇の虚竹というのは、評価の高い作品ですが、胡軍版の後に見たので「確かに良い作品。でも、やっぱりはまれない」となっています。
まして、2013年版となると・・・頼水清が導演だし、喬峯の鐘漢良はがんばってたけど、なんか全体的にこれじゃない感が漂ってしまってね～その象徴が布切れ巻き付けたような衣装💦
そこを起点にして今回の2021年版を見ていく、ということは基準はずいぶん低かったのです。
今回のドラマは于栄光が導演というので、その点はプラス要素。ただ配役には不安も・・・喬峯の楊祐寧は最近「上陽賦」に出ていましたが、どうしても「都挺好」のような現代もののイメージが濃い。喬峯のようなキャラに向くんだろうか？外形的には行けそうなんだけどな～となんか不安。
白澍の段譽は、「雲頂天宮」見る前には、コミカル部分は行けるだろう・・・というかどうせ林志頴版には及ばないだろ・・・と「そうかそうか」と流してたんですが、「雲頂天宮」で評価だだ下がり。気の毒にマイナススタートｗ
張天陽の虚竹は彼は器用な俳優だからうまくやるだろうけど、なんかキャラが違わないかとか、どっちに向いても安心要素はなかった。
と、延々先に文句を言っておいて、視聴開始。さっさと二回目までの配信分９集を見ました。
まあ、なんですね。思ったほど悪くはなさそうです。
原作でいくと三人の主役のうち虚竹が出てくるのはずっとずっと後の方ですし、王語嫣の登場ももっと後。それを第１集で顔見世程度とはいえ主だったところはすべて登場させています。
初めの方は原作通りに段譽を主人公にする話が続いて、そこに喬峯が丐幇の幇主となる前後の話も出てくるのですが、そこに虚竹の話も出てきて、彼は少林寺からの使者について大理まで来ています。
喬峯は宋軍と協力して遼の軍営を襲ったりして大活躍、ちゃんと康敏に目をつけられています。アクション場面は結構迫力があっていいです。
段譽は次々に娘たちと出会っては、妹と発覚して大ショック。確かに白澍は軽妙でコミカルなところは悪くないんですが、今一つ「王子様」っぽさが足りないというかなんというか・・・「雲頂天宮」の呉邪よりはずっと彼のキャラにあっているし、生き生きもしているとは思う。
段正淳は次々の昔の恋人たちと再会して、なんか嬉しそうですが、鐘霊も実は娘でして・・・と兄に告白するこの場面で吹いた。段正明は沈暁海、「陳情令」の金光善の中の人。どの口が言うかと突っ込みたくなる感じで、弟に説教してます。なお、段正淳は邱心志で、配役逆だとおもしろすぎだっただろうと突っ込んでました。この場面、ここまでで一番のお気に入りｗ
木婉青の劉美彤、「慶余年」では北斉皇帝の戦豆豆を演じていました。ここまでの展開では女主１ですし、十分それに応えています。
康敏が朱珠というのはなるほど納得。今ならこの人でしょうね。「大秦賦」の趙姫の中の人です。
話は今更追っかけなくてもほぼ原作通り。ただ葉二娘の赤ん坊攫いの話がマイルド化していたり、閉じ込められた段譽を助けるために段延慶と碁の勝負をする黄眉和尚の話が省かれていたりはしています。
碁の勝負がなくなった分段正明と段延慶の武打シーンが長かったように思います。
各所に出てくるアクションシーンがそれぞれちょっと長めなのは于栄光導演にはわりと多い？
今回段譽が凌波微歩を練功する場面、めっちゃ長かった気がするｗ
ここだけは期待大だった衣装については、デザイン的には言いたいことがないわけでもないけど前回のドラマ化のような悲惨なことにはなってませんでした。きちんと仕立てられた衣装はキャラにあっていて、そこは高評価。
実は心配だったんです。今回のドラマ制作の新丽传媒って、前回ドラマと同じ布切れ巻き巻き衣装の映画「誅仙１」も作ってるｗ
ついでに、この新丽传媒、「慶余年」や「闘破蒼穹」も制作しているので、配役がかぶっています。
とまあ９集までの視聴報告です。
やっぱり「天龍八部」はよいですわ～
