江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

風起洛陽 その3

13~20集

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 次は20集で一区切りとか言ってしまったら、それが「呪」になってしまいました😂

 今回の視聴分、主人公たちの動きが大きくなるし、立ち位置も変わるし、何かと目を離せなくて困りました。<喜んでます。

 何を書いてもネタバレ、いや原作読んでないし、なるべく中華サイトも先行して見ている方のツイートなんかも見ないように心がけてるので、ネタというほどのネタをつかんでないはず。ただ、この伏線だらけのドラマ、何がどこでどうつながってくるのか予断を許さないのです。

 

 ということで、今回は配役含みでキャラの話中心に・・・ともにゃもにゃしてるあらすじ紹介の言い訳を先にさせてもらったw


 登場してくるキャラ、みんな胃が痛そうとか肩こりとか頭痛持ちに違いなさそうに見えてくる。そんな中でわりに平気な顔してるのが柳然ではないかと思うのです。メインの主役三人に彼女が入ってないのは、探案方面に活躍しないからだろうかと思っていますが、彼女の存在は小さくないです。

 

 決して少なくはない登場人物たちが同時にいろんな場所でいろんなことをしてるので、ちょっとよそ見してるとこの人何してたんだっけ?となってしまう。

 その上、また細かい描写がよいのです。例えば、そもそもの告密者の父娘が住んでいた奁山に百里弘毅が一人で出かけた、命が危ない!と高秉烛と武思月が馬を飛ばしていく場面。ちゃんと馬を駅で取り換えてるんですよね。こういうところがおろそかにされていないのがまたうれしくなってしまう。

 もちろん俳優陣の演技からも目を離せないし、早送りしようとか夢にも思わせないドラマです。

 

 

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 さて・・・高秉烛は武思月らと共に不良井での春秋道の非合法活動を暴き、それを仕切っていた宋涼を捕らえます。そこに春秋道の暗殺者十六夜が現れ、大追跡劇の末に取り逃がしてしまいます。
 春秋道の一員となっていた王登成は高秉烛の母や武思月を人質にしますが、高秉烛の母が妹を探せと言い残して自害、彼の思惑は失敗します。高秉烛と苦難を共にするうちに彼への思いを高めている武思月ですが、そんな妹を案じた兄武攸决はすべての罪を高秉烛に追わせて死罪にしてしまおうとしています。

 この社会において武思月は聖人の一族、高秉烛は最下層の不良人、身分違いの恋心を兄は見抜いているし、本人も特に隠そうとはしていない。

 

 高秉烛は自らの身を守り、春秋道を追いつめて弟分たちの仇を討つために公子楚こと東川王の率いる聯坊に身を投じます。この組織、一旦入ったら死ぬまで出られない、七情六欲を捨て、ひたすら職務を履行するだけ・・・というものですが、まあ結構良く聞く気もする。早速殺された韓冬青の後任に任じられ、聯坊内の裏切り者を見つけ出せという命を受けています。

 

 百里弘毅は不良井に高秉烛たちと共に潜入するとか積極的に捜査に取り組んでいますが、柳然が妻であるという意識も自分が夫であるという意識もない。柳然の方はとにかく夫婦になったんだからと百里弘毅に付きまといます。迷惑顔の百里弘毅ですが、決定的に振り払うというわけでもない。要はどうやって他人と付き合ってよいかがわからない百里弘毅が事件の捜査と柳然たちとのかかわりの中で成長していく話でもあるようです。

 

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 柳然は誰もが情がないという百里弘毅をそんな人じゃないと言ってますが、どうも彼女が正しいようです。でないと、危険な状況から彼女を遠ざけようと悪口雑言を言いつのったりはできない。ただ自分のそういう面を全く理解してないというか・・・やっぱり鈍いのか?
 まあ魏嬰に対してしか変容しなかった「陳情令」の藍湛よりはずっと大きく変わっていくのだと思います。でもないと同じような無表情キャラ二連発では王一博もおもしろくないはず。

 

 柳然の宋軼は「慶余年」の范若若と同じくひたむき、でもはたから見ると何か滑稽に見えるというこの柳然を嫌味なく演じているのが好感。

 

 百里弘毅と同じように成長していくキャラなのは武思月もそうでしょう。高い地位の生まれでありながら、内衛の月華君として職務に飛び回っていた彼女が、高秉烛と出会い自分の視野を広げ、恋心を育て、傷ついていく。知らぬうちに聯坊の高官になっていた高秉烛を涙ながらに真正面から非難しますが、自分の矜持を失うことはしない。

 高秉烛は彼らより年長で遥かにつらい人生経験を重ね、生きる目標をしっかり持っている。そのためにはこれまでの人生を捨てることも厭わない。黄軒はただ復讐に燃えるだけの人物ではない、内面にある繊細な本質を見せてくれるのがすごいです。

 

 春秋道の一味を誘い出すために自分を餌にした百里弘毅、それをバックアップする武思月たちですが、肝心な時に内衛を引き上げられてしまう。その引き上げた張本人は聖人の弟晋王武三兪。彼は聖人から宋涼の事件を調べるように命じられています。が、怪しい。このとにかく怪しげで性根の悪そうな晋王を演じるのが寧文彤、「琅琊榜」の紀王の中の人。紀王のイメージを引きずっているような配役が続いていましたが、今回は全く違うキャラです。

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 とにかく、委細省略で、春秋道の暗殺者十六夜を追った高秉烛はその意外な正体に唖然とします。

 ほんと、むだな登場人物はいない馬伯庸原作。目が離せませんが、今週は「雪中悍刀行」も始まって忙しくなりました。