１～８集
おもしろいです。
「風起洛陽」とは全くタイプの違う古装劇ですが、どちらも武侠風味が濃くて迷にはうれしい。迷子的には、どっしりと重めな「風起洛陽」に対して、軽妙な「雪中悍刀行」、それにこれもまたうんと暗めの現代ミステリ「誰是凶手」の３本がメインの今月の中華ドラマライフはものすごくバランスがよくてうれしい。
「風起洛陽」よりも美爺、イケおじ度、ついでに美女度も高いのもポイント高い。美男度はどうかな～とぱっと見て思ったのが張若昀やせすぎ、大丈夫か💦
ドラマはいきなり丐幇スタイルの主人公が畑の芋を盗んだと農民に責められてるところから始まりました。主人公、北惊王の世子でなかったっけ？と突っ込むところから始まったドラマ視聴です。現在８集まで見ましたが、予想通りに展開する部分もありますが、けっこううっそ～と爆笑させられています。
例えばこの北惊王の世子がボロボロの格好で食べるものもなくて芋泥棒してるのは、父親に反抗して家出してきたからかと思っていたら、父親の指示だったとか。
北惊王徐驍というのは离陽王朝の異姓の王。つまり「上陽賦」の蕭綦と同じ立場、皇帝サイドにすれば、役には立つから北惊王にはしたが不安の種。そこで公主を息子に降嫁させようとしたら、父子ともにそれを嫌って息子失踪の一幕・・・
その徐鳳年が３年ぶりに北惊に戻ってきて、話が動き出します。
徐鳳年は張若昀。慶余年の范閑にも通じる軽妙な役どころです。でも、北惊一の伊達男とかなんとか次々女性を連れ込んでるとかいう風評と本質はまるで違う。周囲を美女と美爺、イケおじがとりまいていて、なんともにぎやか。
３年も江湖をさまよった成果なのか、元からそうなのか、食事の後は他の人の分まで食器を片付ける主人公世子がかわいい。
胡軍演じる北惊王徐驍は离陽王朝から警戒されているのは承知のうえ、北惊をきっちりまとめあげ、国土を守っている。その彼には娘と息子がそれぞれ二人。娘二人はすでに結婚させ、長男の鳳年を跡継ぎにしたいと考えている。次男の方は天性の武功の持ち主である種超能力者、それがゆえに彼を次代の王に担ごうとする者もいる。これでは国が乱れると彼の力をなくして凡人にしてしまえと考える。
父子とも、世間にわざと悪い評判を立てたり、敵から非道な行いをする悪辣な親子と噂されてもどこ吹く風。実態は平和を維持するために苦心している。だけど、親子関係はいいような、悪いような・・・似ているようで息子の方が理想主義、百戦錬磨な父親はもっと現実的で息子の代の国情を安定させるために次男を犠牲にすることも必要だと思えば躊躇しない。息子の考える以上に国内外にも息子の身辺にも目配り、手配りをしていている。息子の方は文武両道極めたりしたら、命を狙われると武芸を身につけることをとことん拒絶しているが、周りは超達人そろい。
父親を「徐驍」と呼び捨て、悪口もなんでも言いたい放題、と言っても結構似た者同士で仲良しという父と子の関係が楽しい。なんと言っても、この父子、周りに次々人が集まってくるのは同じ。
二人とも極めて能力が高いのですが、ちょっと出来すぎじゃないかと突っ込みつつ、父子の丁々発止のやり取りを楽しむ。
配役も楽しいんです。張若昀の徐鳳年の周囲を固めるのが、父親徐驍が胡軍、放浪生活３年に付き合った老黄に楊皓宇、師父李義山に劉佩琦、護衛を頼まれた武芸の達人で謎の美女に張天愛、何人もいる彼の侍女の一人が最近お嬢様役しか見たことない感じだった孟子義、暗殺しようとした林探花に張天陽、弟を追って行った武当山の掌門が沈保平で次期掌門が張暁晨、徐驍の６人の義子の中の二人が高偉光と劉天佐だし・・・とここまでに登場した顔触れだけでもものすごく楽しい。
実は楊皓宇、この中で一番の注目だったりするのです・・・
架空歴史もので、国名なんかも架空ですが、武当山とかはそのまま。徐驍に滅ぼされた西楚の公主が徐驍に預けられ、徐鳳年の侍女になってるとか聞くと西楚？項羽？とか連想しますが、まるで無関係のようです。
毎回ドラマの終わりとエンディングの間に「雪中書場」という講釈の部分が挿入されているのが特徴的です。その会の簡単なおさらいとかポイントになる場面とかわかりにくいポイントの補充説明とかがされているのですが、これがまたドラマ視聴にはとても助かっています。国際版には入ってないとかでほんとうにもったいないと思います。
このドラマもあえて先に情報チェックしたりせずに先の展開を楽しみに見ています。話の展開もそうなのですが、人間関係やキャラの背景がどうなっているのかも楽しみ。
舞台は武当山にやってきましたが、武当派次期掌門は徐鳳年の姉の昔の恋人、で、姉を捨てて逃げた！と顔を合わせるなり殴り掛かるとか想定外の展開。さて、次は何が起こる？とワクワクしながら次の更新を待つのって楽しいです。
