1~5集
ミステリのミニシリーズ。主要キャラと過去の事件への関わりを外枠に、現在起こっている事件の捜査を描いていく中華ミステリドラマではおなじみの構成ですが、主人公のスキル、捜査手法が目新しくて新鮮味があります。
キャストも主人公の天才画家で警察の画像師沈翊を演じる壇健次、捜査チームを率いる杜城の金世佳などキャラにはまっていて、見ていて不安を感じません。
ドラマ開始と共に出てきたのは、ダヴィッドの名画「マラーの死」
このドラマには、他にもいくつかの名画が登場するようでそれも楽しみ。もっとも中国語で表記され、中国語で発音される画家の名前や作品名を脳内で日本語にするのが大変。雅克路易大卫がジャック=ルイ・ダヴィッドだと結びつくのに時間がかかりましたw
沈翊は7年前に女性からの依頼で3歳の子どもの肖像を元に35歳になった姿を描き出す。その絵を元に警察官雷一斐が殺される。尊敬する先輩を殺された杜城は、絵を依頼した女の似顔絵を描くように沈翊に要求する。ところが、沈翊は全く描くことができず、事件は迷宮入り。
そして、現在。画家をやめた沈翊は大学で教え、警察の協力要請を受けて似顔絵を描いる。その彼が今度は杜城たちの警察署に模拟画像師として加わることになる。模拟というのはシミュレーションのことだそうで、ただ似顔絵を描く画家というわけではなく、その技能を生かしてプロファイラーとかメンタリスト的な立ち位置で捜査に関わっていきます。
当然反発する杜城たち。それを自らの能力を示すことで捜査チームの一員としての立ち位置を確保していく沈翊。
ここまでで扱われた事件は美容整形の医者が殺された事件、美術学校から見つかった頭蓋骨から10年前の少女失踪事件に迫る話の二つ。
どちらも沈翊の描く絵や分析が事件の捜査に大きな役割を果たしていきます。
今の事件を解決していく話と並行して、7年前の事件の謎を解いていく構成になるのでしょう。なぜ沈翊は女の顔だけを描くことができないのか、いったい雷一斐はなぜ殺されたのか、依頼した女の正体は?など謎はまだまだこれからと言う感じがします。
警官や法医たちの設定は、今どきの警察を舞台にしたミステリならアメリカでも日本でも中国でも大差はないように思います。大きく違うのは沈翊の設定。彼は画家として立つことを放棄しても、天才画家であることには変わりはない。目撃者のあいまいな証言やろくに顔も写っていない映像から似顔を描くのは朝飯前、頭蓋骨に粘土をつけて複願することまでやってのける。天才画家というより超能力者っぽいです。
彼はいつも鉛筆やコンテでちょこちょこと絵を描いているのですが、キャンバスの反対側とか描いてる手元しかほとんど映らないのはご愛敬でしょう。
古装では壇健次の出演作をいくつか見てるんですが、時装は初めて。自転車で走り回る場面もすごく様になってる。
この人、思ってたよりずっと小柄で華奢なんですね。彼のたたずまいは沈翊のキャラにはよくあってると思います。
沈翊に複雑な感情を持つ杜城は金世佳。河神2で李現に代わって郭得友を演じていた人ですが、少しふっくらした感じ?
沈翊の能力を見せるための冒頭のエピソードで電話で沈翊に犯人の顔を証言した宅配の配達員が蒋龍。特別出演とか友情出演?と思ってたら、ただのその他大勢なみだったのでちょっと意外でした。
古装劇に好みに合ったのが出てこなくて腐っていたところだったので、見る気にさせてくれるミステリの登場は大歓迎。ただこのシリーズ20集しかないんですよね・・・すぐまた「見るものない!」がやってくる😭