江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

猟罪図鑑 その2

6~13集

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 なんか中途半端な数ですが、内容の区切りがまあまあいいかなということで・・・実は先週配信分の14集までもう見たw
 もっともきちんとエピソードの区切りが放送分の区切りとなっているわけではないです。

 

 警察で働くようになっても大学での講義も続けている沈翊。今回視聴分の講義に登場したのは、アルテミジア・ジェンティスキの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」
 絵から当時の女性たちの置かれた状況を学生たちに理解させるというエピソード。もちろんここからも事件の解決に結びつくヒントを得るのですが、それ抜きでも結構沈老師の講義が楽しみな視聴者。
 彼女に興味のある方はこちらを。

アルテミジア・ジェンティレスキ - Wikipedia

 

 このドラマを見ていて一番うまいな~と思ったのが、ドラマのストーリ構成。中華ミステリ定番の外枠に過去からの因縁話、内側に個々の事件という構成なのですが、二つがしっくりと一つの話を組み立てていることです。

 木に竹を接いだような感じに突然昔の話が持ち出されてくる例、反対に外枠の事件に重点が置かれ過ぎて個々の事件が貧弱という例なども見てきました。

 今回のストーリでは、外枠にあたる7年前の雷一斐殺害が現在の事件にも直接に関わったり、現在の事件の捜査が7年前の事件への新しいアプローチを示したりしていきます。それが沈翊や杜城の心境に変化をもたらしもします。

 

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 取り扱われる事件は殺人事件、誘拐事件、強盗事件とさまざまですが、そこに被害者、加害者としてたくさん女性が登場。美容整形の失敗、女児の誘拐、女性の人身売買、性的暴行、DV男を殺害した妻とか女性の人権にかかわるものがほとんど。婦女節(国際女性デー)前後に配信開始したからということでなく、今社会的な課題となっているのがまさにそこなんだということでしょうか?国や民族に関わらず、女性に押し付けられている圧力や置かれている状況はもっと注目されていい問題だと思います。そこを積極的に取り上げていることも評価したいところです。

 

 事件の真相が見えてくるなかでちょっと力任せがすぎないか?と思う沈翊の謎解きに違和感を覚えても突っ込んでいる暇もないくらいのテンポで話が進んでいきます。それにしてもいくら天才だと言っても、沈翊の能力がもはや人間離れして、AIも抜き去ってるw
 
 ここまで来て、沈翊が7年前に画家の道を捨てた経緯や謎の女の姿も見えてきています。

 

 個々の事件は宝石店襲撃事件から、どんどん被害者、加害者周辺の嘘が暴かれ、沈翊の絵とともに真実が明らかになっていくストーリなどは目を離せませんでした。でも、これ以上は内緒ということで・・・詳しい話は絶対しないミステリファン。

 

 雷一斐の事件が原因で沈翊を受け入れられなかった杜城ですが、事件を共に捜査する中で沈翊の能力を認めただけでなく、自分自身の過ちを認め沈翊に素直に詫びを入れるいさぎよさがかっこいい。これ以後、二人は信頼しあえる同僚として協調して捜査に当たるようになります。

 沈翊が作品を全部焼き捨てて警察に入ったことを惜しみ、画家の道へ返してくれと言う彼の師父が現れる。この師父の要求に対して、杜城は沈翊が画家であるより警察である方が遥かに才能を生かし、人の役に立つと拒否。すっかり最大の理解者というところでしょうか?

 

 なにしろ20集しかないのであっという間にもう残り6集です。この調子で最後まで楽しませてほしいものです。