1~8集
一度ほぼ終わりまで原稿書いたのに、なんか変な操作してしまったのか全部消えてしまった。
泣く泣く書き直してますが、めっちゃ落ち込んでおります・・・
とにかく全24集の3分の1見たところで一区切り、内容的にというより8×3でちょうどいい?というような安易な根拠です。
かなり複雑な人間関係と重め・暗めの画面作りで、「且試天下」や「玉面桃花総相逢」あたりと交互に見るのはちょうどいい、「山河月明」とではちょっとしんどかった。
虚実取り混ぜた馬伯庸原作ならではの、相当に複雑な構成のドラマで、どこまで理解して見てるのか自分でも大いに不安です。でも、こういうドラマ、好きです。
いつもは感想文のブログですが、へたに感想文を書いてしまうとネタバレになりかねない。で、今回は自分の頭の中を整理しておくためのメモがわりにざっくりとドラマを紹介。
時代背景は三国時代。舞台は蜀と魏ですが、もう劉備も曹操も世を去って、あの劉禅とあの曹叡が皇帝になっている時代。諸葛亮が漢室復興のために北伐に自ら乗り出したものの街亭の戦いで敗戦。「泣いて馬謖を斬った」ところからドラマが始まります。
諸葛亮は蜀に司聞曹という情報機関を設置、街亭でも確実な情報を得て戦いに臨んだはずだった。ところが、この情報が違っていて、蜀軍は敗退。蜀での諸葛亮の立場が悪化。
魏に入り込んで食に情報を流していたのが陳恭。コードネーム「白帝」の有能なスパイ。
情報が間違っていたのは、白帝が裏切ったからなのか、白帝が出した情報を途中ですり替えられたのか、受け取ったものがわざと違う解釈をしたのか・・・
陳恭=白帝が裏切ったのかを確かめるために、魏の天水に送り込まれたのが陳恭とは同僚であり姻戚でもある荀詡。
魏でも司聞曹と同じような情報機関間軍司を設け、こちらも諜報活動を行っている。
この二つの情報機関のそれぞれの中にも互いにスパイが潜り込んでいて、情報が漏洩している。魏から蜀に送り込まれたスパイは「燭龍」というコードネームがわかっているだけ。司聞曹の上層部の人物らしいがまだ正体不明。
というわけで、魏では白帝の正体を追う話と正体を隠して逃げきろうとする陳恭の話が進む。蜀では、司聞曹が諸葛亮の管轄から反諸葛亮の李厳の管轄に代わり、上層部を入れ替え、徹底的に裏切り者を捜査するという名目で諸葛亮を追い落とすための材料を探している。
一体だれが裏切り者なのか、どうやって情報を捜査しているのか、ドラマの展開は三国時代のドラマという北欧とかイギリスあたりのミステリを見ているような雰囲気を感じます。
加えて、陳恭や荀詡の一族はスパイの家系とか出てくると白戸三平の忍者ものを思い出してしまいます。
抑えた色調の画面に、折々に挿入されるモノクロのシーンが効果的です。BGMも緊張感を高めていてよい。
演員陣はほぼ男性。主だったところで女性は楊頴と孫怡の二人。
陳恭に陳坤、荀詡に白宇のダブル主演。司聞曹の曹椽馮膺に聶遠、久しぶりに見ごたえのある演技を見せてくれています。司聞曹に乗り込んできた李厳は尹鋳勝、追い出された楊儀は俞灏明、陳恭が主簿として潜入している天水郡の郡守郭剛が董子健、その陳恭が「白亭」ではないかと疑う間軍司の糜冲が王驍、三生三世シリーズの司命星君と打って変わった硬派なキャラです。街亭の敗戦で追い込まれている諸葛亮は李光洁。
とにかく出てくる演員がみな一癖あるキャラを演じさせたら並ぶものはないという感じの顔ぶれ。この演員リスト見ただけで、もう見る気になってました。
原作が馬伯庸ということで、歴史の中にフィクションを大胆に取り込んだストーリ展開。多少の歴史をかじっているくらいでは太刀打ちできるはずもなく、ドラマ世界に引き込まれています。
馬伯庸原作にはつきもののいろんな仕掛けや器具。白帝が司聞曹とやり取りする暗号で書かれた文書の解読するためのボード、なんかもう古装劇ではすっかりおなじみな空を飛ぶハンググライダー的な仕掛け「竹鵲」、魏の諜報機関が手に入れようとしているのが例の弩?とか、こちら方面もいろいろにぎやか。
8集まで来て、陳恭は魏と通じている五仙道に潜入。こちらの大祭酒黄預が張暁晨、そこに潜入して聖女となっているのが翟悦で実は陳恭の妻。
司聞曹では、李厳から送り込まれた李邈が馮膺を罪に落とそうと画策、内部に不調和が生まれている。そんな中荀詡の配下が殺されて、暗号解読のためのボードが盗まれるという大事件が発生したところで8集が終わりました。
誰が敵で誰が味方なのか?登場人物たちは何を企んで動いているのか?それが知られている歴史にどうつながっていくのか?興味が尽きません。何しろ主人公の二人まで、怪しく見えるw
毎日2集ずつ配信で24集、相当なスピードで込み入った話が進んでいくので、ちょっと目を離しているともう状況がかわってしまっている。これでは、ぼっとしていられません。ただ、話がいくつかの場面で同時に進んでいくのに、それほど抵抗もないし、それが原因で話が混乱するというようなことも今のところはない。脚本がよく練られているってことなんでしょうか?
演員だけでなく、話自体にも相当クセがあるようにも思いますが、ミステリファンはもちろん、スパイものとか忍者ものなんかの読者にも楽しんでもらえるんじゃないかと思います。