江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大軍師司馬懿之虎嘯龍吟 その2

11~23集

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 司馬懿vs諸葛亮の戦いのパート。
 王洛勇の諸葛亮、郭靖の面影ありません。役者はすごいです。
 
 琅琊榜之風起長林や九州・海上牧雲記に比べると、三国志というベースがあるんで、見るにはかなり楽です。ありゃ、これ誰だっけ?というときに、延々ドラマ見直すとかネットで中文にらめっこしなくても、文庫本めくればいいんですから。
 
 でも、話自体はそんな気楽じゃなくて、しっかりと二人の軍師の戦いぶりを描いていました。
 ものすごく生真面目な諸葛亮に対して、もっと食えない人物の司馬懿。勝負を迫る諸葛亮をはぐらかし続けていた感じ。
 
 今回視聴分で、一気に五丈原での諸葛亮の死と「死せる孔明生ける仲達を走らす」の故事まできっちりと。
 戦いの場面もしっかりと作られ、これまでになかったスペクタクルな展開。でも、それに負けてないキャラの立った登場人物たち。決してコメディではないのに、奇妙に笑えてしまうドラマの展開。めっちゃ楽しかった。
 
 上方谷で諸葛亮の策にはまって、父子三人ともに死ぬという覚悟を決めるというものすごく緊張感のある場面。火攻めが功を奏して勝った!と確信したところに雨が降ってきて、諸葛亮が天を仰いでなげく・・・
 
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 谷の上から司馬懿たちを見下ろしている諸葛亮、逃げ惑う司馬懿たち。上から諸葛亮に迫られ、息子たちを助ける約束で自刎しようとする司馬懿。あの状況で谷の上と下で話ができるのかどうか、というのはさておき、こんな緊張感ピリピリのシーンなのに、ラストでお口あんぐり。
 
 
 必死になって息子たちが止めているのを見て、司馬懿を逃がしてたまるかと矢が放たれ、胸に命中。でも、何事もなく助かりました。例のペットのカメさんを鎧の胸に入れてたんです。それで助かったって・・・なんともすごい展開。
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 その次には、この件の原因を作った息子の司馬師を死刑にしようとするが周囲にとどめられるという話。
 戦いに引き出そうとする諸葛亮に対し、引き延ばして持久戦に持ち込む司馬懿。女性用のピンクの衣装を送られても、それを着て諸葛亮に見せ、彼の出師表を朗々と唱えて見せる。諸葛亮、ダメージ大で吐血。
 ほんと、この司馬懿、食えないヤツです。
 
 息子を死罪にしようとしたのも本気だったのかどうか?張郃はわざと死地に追いやったんではないか?いろいろ腹の底の見えない司馬懿です。
 妄想の中での諸葛亮との対話で、ほんとは尊敬してるとか後はあんたに任せたと諸葛亮から例の羽扇をもらったりしてるのもどこまで本気?と思ってしまう。
 
 とにかく、五丈原諸葛亮が死んで、蜀軍撤退。戦いには勝ったわけですが、洛陽に戻るのはやばいと長男と妻の張春華だけを戻し、自分は病なので引退すると次男を連れて長安に。
 
 曹叡とことん信用されていませんが、まあ仕方ないです。それだけのことはしています。
 これに比べりゃ、蜀の劉禅はできないだけの普通の人に見えてくる。
 飢饉をよそに大工事を強行し、相変わらず化粧して女装した自分の姿を鏡で見ては、亡き母を慕う超マザコンぶり。それに迎合する宦官辟邪もますます本領発揮で、太后郭昭を狙ってます。
 
 こういうすさまじいまでの緩急のつけ方って、あっけにとられるけど、すごく私の感性には合ってる。めっちゃ受けてしまった。
 
 三国志ドラマはたくさんあるわけですが、同じ題材でもこうも違うのかと感心するしかない今日この頃です。 
 
 今回見た分で二度諸葛亮の出師表が読み上げられましたが、最初に劉禅に書き残した場面は諸葛亮の配音周野芒の声がとても心地好く、もう一回は司馬懿がそれを逆手にとるという場面でこういう使い方もあったかと二度おいしい思いをしました。漢文の読み下しの独特の語感も嫌いではないですが、こうやって中文で音読されるとまたわからないながらも言葉の持つリズム感に魅了されますね。
 本題ではないところでも、儲けた気分でした。