江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

新蕭十一郎 その1

1~10集

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 伝統的というか、古風というか、ステロタイプというか・・・
 とにかく、いかにも武侠ドラマな武侠ドラマでうれしい新蕭十一郎です。

 主役の蕭十一郎の厳屹寛を初め、主だった配役のほとんどが30~40代のベテラン。古装劇、武侠ドラマにもよく出ている人も多くて、ツボを心得てるなあという感想。

 なんせ冒頭がこれですからw
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 古龍特有の怪しげな人物たちが次々出てきて、いかにも怪しげ、うさん臭い、秘密持ってる、裏切ってる、だましあってるというお話です。
 敵も味方も胡乱な登場人物たちが、いかにもやりそうなこと、言いそうなことをきちんとやらかしていく、それだけのことなので、ステロタイプと切り捨ててしまうこともできなくはないです。

 でも、最近のCGがんばりすぎてアニメとの境目がなくなってるようなドラマ作り、若手の人気俳優・小鮮肉の人気に乗っかりすぎたドラマ作り、それはそれで楽しいわけですが、やっぱりたまにはこういう「元祖武侠ドラマ」というか「the 武侠電視劇」が見たいわけです。

 このドラマ、そういう私の要求にぴったりはまった感じです。琅琊榜のような緻密さを楽しむドラマ、太子妃昇職記のような破天荒さを楽しむドラマではなくて、自由自在に江湖を渡り歩いている蕭十一郎や風四娘の世界観を楽しむドラマだと思います。

 主人公の蕭十一郎は、昔なじみの風四娘に頼まれて、武林を制することができるという割鹿刀を盗みに武林の盟主沈飛雲の屋敷に二人で潜り込む。
 しかし、盗み出したものは偽物、その上、当の沈家の令嬢沈璧君の家出も手伝うことになってしまう。

 璧君の母飛雲は、娘の婚約者連城璧とその仲間たち合わせて計六人の六公子に娘を連れ戻すことを命じる。

 割鹿刀を狙う怪しげな集団天宗の男装の少女「小公子」は、人殺しはもとより悪いことなら何でもこいの小悪魔。

 この連中に、風四娘に惚れた六公子の一人楊開泰、蕭十一郎の師父司空摘星、小公子に引き回されている五毒教の女たちとかが絡んで、いかにも古龍な世界の中で生き生きと動き回っている感じです

 割りに生真面目な役が多い感じの厳屹寛ですが、この蕭十一郎は、軽快な人物造形。台湾製の青春武侠ドラマの雰囲気だった呉奇隆版よりはずっと大人ですが、決して老成しているわけではない。女性たちとの関係も、昔なじみの風四娘に抱く身内感覚、偶然一緒に行動することになった深窓の令嬢へも惚れた模様ですが、ドロドロ三角関係には陥りそうもありません。

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 ヒロインは二人。
 沈璧君は甘婷婷。武林の盟主を母に持ち、18年間屋敷から出ることを許されず、母の意向で武林の名家息子連城璧との結婚が決まっている。ところが、彼女は自分にはしたいことがあると、家を出てしまう。その間に、蕭十一郎といい関係に・・・ありがちなパタン。
 とはいっても、婚約者の連城璧も悪い相手ではないというので、ますますありがちなパタン。
 その上、彼女にも本人の知らない一身上の秘密が・・・ますますありがちで、楽しい。

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 もう一人のヒロイン風四娘は、李依暁。何潤東と陳道明の項羽と劉邦で虞姫をしていた女優さんですが、今回は大化け。鉄火肌で、口は悪いけど、気のいいちゃきちゃきの江湖の姐御ぶりです。こういう姐御が出てくるのも古龍ですね。
 恋敵のはずの沈璧君と大酒飲みあった末に、姐姐~妹妹~の関係に。

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 沈璧君の婚約者、連城璧の朱一龍。若そうに見てたけど、彼も30越えているんですねえ。今のところ未来の岳母の言うとおりに動いていますが、こっちの母子にも、なんぞたくらみがありそうです。
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 司空摘星はうれしいことに元華。30代の俳優が中心で、古龍的オカンのはずの璧君の母飛雲までが、「娘」と同級生のせいで、迫力に欠けて締まりがない中、彼の存在がいいアクセントになっています。

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 話そのものよりも、こういった登場人物たちがやりそうなこと、巻き込まれそうなことetcをお約束通りにやってくれているのを楽しんでいるところです。
 ステロタイプでもなんでもいい!私はこういうのが見たかったんだ!
 頼むから途中でこけてくれるな!<去年の陸小鳳がトラウマ