江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

少林問道 その2

 11~27集

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 青雲志にがっくり来て見始めた少林問道ですが、結局この1週間ばかり幻城も何も放り出してこればかり見ています。
 おもしろいんです!

 おもしろいとどこで一区切りつけたらいいのかわからなくなる。琅琊榜の時もそうでしたが、気に入った作品ほどブログの更新の間があいてしまうというのは以前からの私の悪い癖。何がとは言いませんが、ブログの更新回数が少ないのはよほどぺけだったという場合か、気に入りすぎて更新している暇がなかったかのどちらか。

 で、これは気に入った。

 主人公たちが、周りの状況や仇の動きによって、自分の生き方を絶えず見直さざるを得ない状況に追い込まれ、その中で必死に答えを探し続けている姿を追っていくだけでもおもしろい。脚本も余計なことを入れずに、この高剣雄、程聞道、李蓁蓁の3人と彼らに関わる友人で同志の楊秀、そもそもこの物語のきっかけを作った敵役明徳とその配下の暗殺者梁五、それに少林寺の方丈、聞道の師父になる薬僧敗火、李蓁蓁を買った青楼の女将梅姑あたりが話の骨格を作っていて、それがぶれない。
 入り組んだ話をしているようでも、けっこうついていけているのはそのあたりの作りがしっかりしているせいかもしれません。

 ともかく11集以後・・・李蓁蓁は彼女の存在がめんどくさくなった女将に密かに洛陽に転売される。彼女の行方を知る明徳はそれと引き換えに高剣雄を意のままにしようとする。

 知る者のいない洛陽で李蓁蓁を待っていた新しい青楼の女将梅姑は、蓁蓁に十一娘と名付け、お前に残されたものはその体だけだと言い聞かせる。蓁蓁も南京でのようなただ怯えた娘ではなく、彼女の初夜を競る場で琴を弾くだけの肝が据わっている。
 そこに少林寺からまた抜け出してきた聞道が現れ、楊秀の助力で得た金を使って、初夜の権利を買い取る。

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 その夜、内密に婚礼を上げる二人。しかし、乱入してきた暴漢を追い払うこともできず、結局は高剣雄に助けられた聞道。自分には彼女を守ることができないと高剣雄に託して少林寺に戻る。

 少林寺では、ようやく出家の決心を固めた聞道の剃髪の儀が行われるが、彼の本心は姿を消している少林寺の十八銅人を探し出し、仇を討つ助力をしてもらおうというもの。

 この十八銅人のうち十六人は十年前に、少林寺に現れた明徳が武僧を抱えているのは反乱を企んでいるためだと因縁をつけた挙句にどこかに連れ去ったまま、生死も不明。残りの1人は現方丈で、もう一人は口をきかない修行をしていた正行。

 方丈の正念もこのことでずっと自分を責め、怨恨を絶てないという弱みがあった。

 その十六銅人が冰窟に閉じ込められていることを知った聞道は、正行の助けを借りて、彼らを救出する。その聞道を手引きし、助けたのは、蓁蓁が身を投げ出して援助を求めた高剣雄だった。
 向かい合っているときは必死に作り笑いをしてるのに、背中に回るとがちがちに震えている蓁蓁の描写ですが、中の人の郭暁婷、花楹@仙剣奇侠伝3とか敏敏格格@歩歩驚心とかけっこう見てきたんですけど、こんなにうまかったかなあと見直しました。

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 救出はできたものの長年の監禁のために、十六人は武功も何も失い、死に瀕している。追ってきた明徳の軍と戦い、梁五の剣に刺された正行はすべての内力を聞道に与えて、世を去る。

 この裏切りで捕らえられた高剣雄と、生き残った八人の銅人の治療に必死な聞道、そして李蓁蓁は、だれがこの事件の首謀者かと明徳に迫られる。自分だと答える聞道、聞道だと答える高剣雄、高剣雄だと答える李蓁蓁・・・自分の愛情を受けいれたと思っていた李蓁蓁の裏切りを聞いた高剣雄は再び明徳の配下に戻る。
 そして、明徳が倭寇の首領の夜伽に蓁蓁を差し出しても、もはや止めようとはしない。

 この間に、敗火と梅姑が実の兄妹で、程家の息子として育てられた聞道は実は梅姑が明徳との間に産んだ子だったということが明らかにされます。でも、本人たちは知らない。梅姑から知らされた蓁蓁は、それとわかっていて、明徳を毒殺するよう聞道を説得しています。だんだん彼女の抱える闇が黒く大きくなってきました。

 聞道は少林寺の教えに感化され、師父から貰った無想という法号にふさわしい生き方をしようともするけれども、復讐心とか愛情とかが捨てきれない。

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 三人が三人とも因縁にからめとられている中、少林寺を滅ぼされたくなったら自分の治療をして、長生きさせろという明徳。この先、彼との関わりを知っていく聞道がまたどう自分を立て直すのか、悪に徹すると心を決めたらしい高剣雄が明徳が倭寇と結託していることを知らされてまた動揺しているが、これからどうするのか、倭寇の首領に背中に牡丹の刺青を入れられてしまった李蓁蓁は・・・とか話の進行が待ち遠しい。青年組のこれからだけでなく、梅姑と明徳、敗火の関わり、聞道が息子と知ったら明徳はどうするのか、少林寺を守ろうとする方丈は?とか、年長組のこれからにもわくわくします。

 会話に重点がある骨格のしっかりしたドラマって、琅琊榜、趙氏孤児案以来なんですが、突然正行が聞道に内力を与える場面で普通の武侠ドラマになって、蓮の花咲き乱れる空中にうかんでグルグルしたのには爆笑。あれは根深い伝統なんですな~
 でも、さすがに武闘シーンは迫力があって、見ごたえ十分です。