開端 原作
おもしろかったけど、気になる部分も残ったドラマ開端。
原作覗いたら、そこがクリアできるかなと、また性懲りもなく原作チャレンジ。
結果。気になる部分はそのまま残ってしまった💦
けど、それ以上にこの小説のトリッキーな構成に惚れてしまいました。
ドラマと一緒に小説も日本語訳して出してくれませんかね~
ここから先、ドラマ視聴済みの方で小説にも興味があるという方向きです。ドラマの内容には必要最小限にしか触れないつもりですが、ネタバレ気になる方はスルーしていただきたいと思います。
原作の開端は大きく二つのパートから成り立っています。第1部になるのが「永不到站的公交车」これがドラマの原作になります。第2部になるのが「送不到的快递」、こちらはドラマには含まれていません。
ドラマでカットされた部分はこの「送不到的快递」だったかもしれないという話も聞きましたが、どうもそうとは思えないです。ドラマが残した疑問を補う内容じゃないと思います。
この「送不到的快递」、作者自身が自分の楽しみのために書いたと前振りしてますが、その通り思い切り楽しんで書いてるのを感じます。
まず、主人公は「開端」の主人公肖鶴雲あての荷物を届けることになった快递つまり宅配便の配達員です。もう一人の主人公李詩情は名前も出てきません。
そういえばドラマのところどころに紫の制服着た配達員の姿がありました。原作へのリスペクト?
そして、小説で使われる「主語」が二人称の你。ですから、「今日は君が初めて一人で荷物を配達する日。君は地元民でなく、退役した兵士で・・・」というようになります。二人称で語られる物語というのも実験的です。
実はこの你こと宋卜道もタイムリープに巻き込まれてしまいます。でも、それは李詩情や肖鶴雲たちとは全く別の場所で起こります。「你」と言われるたびに読者もストーリに巻き込まれていく感覚は作者の狙いどおりでしょうね。
彼は荷物を届ける先々で事件に巻き込まれ、人助けをし、大けがをしたり、英雄になったりします。肖鶴雲たちと違うのは彼の「事件」はそのたびにうまく解決できるのです。そして、それがタイムリープを繰り返すたびに雪だるま式に膨れ上がっていく・・・それなのに肖鶴雲には荷物が届けられない。主人公の「君」はなんとかして肖鶴雲に荷物を届けることができれば、タイムリープから抜け出すことができるのではないかと考え、知恵をめぐらします。
この宋卜道の話、初めの肖鶴雲たちの話と微妙にリンクしながら展開していきます。
ドラマでバスの乗客たちの人生模様がしっかり描かれていたのが印象的でしたが、その部分はどちらかというとこの「送不到的快递」の描写を受けているようにも感じます。
ただ、ドラマが乗客や警官たちの詳しい描写をしているのは、ドラマのオリジナルでしょう。5年前の事件の話は大結局(本文完)として、番外編より後に登場します。でも、ドラマほど丁寧な描写はされていません。
番外編は宋卜道のエピソードをまとめ、大結局は李詩情と肖鶴雲の話をまとめています。だから、やっぱりこのストーリのメインはこちらの二人?
ドラマのトリッキーな構成もよかったですが、原作のタイムリープの輪がもう一つ回る話の組み立てにはまた違ったおもしろさがありました。
原作「開端」にもドラマにももっといろんな仕掛けがしてあるんじゃないかと思うんですけど、それが読み取れるだけの言語力がないのが悔やまれます。文章自体は決して長い話じゃないし、そんなに難しい表現もされてないようなので、私的には短い日数で最後までクリアできました。でも、ぜったいいっぱい読み落とし、読み間違いしてるw
けど、やっぱりいろいろ気になる部分は残ってるんですよね~日本語訳できっちり読み込みたいところです。