江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大秦帝国之崛起 その5

37~40集

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 最後まで無事に見られました。まずは太好了というところで・・・
 
 この「大秦帝国」シリーズ、例えば日本でいうと「まんが何とかの歴史」とかで取り上げられるような歴史上の著名人を主人公にした「歴史劇」という位置づけだと思ってたんですが、この第3部、ロクな人間が出てこない。
 そこらへんの小悪党がたまたま王とか公子とか将軍なんかの権力者だったという感じの人間が勢ぞろい。初めの2集にあったような王と臣下の結びつきとか将来への見通しとか、人間の良い部分を描いたような部分がほとんどない。
 
 卑劣、卑屈、強欲でオレ様なくせに実力は今一つ、何より長けているのは他人を貶め、王に取り入り、その場しのぎで言葉を操る・・・よくもまあ、こんな顔ぶれがそろったもんだと感心するんですが、実際のところ「偉い人」=「立派な人」=「人格者」という公式はない。
 
 で、大結局までの今回視聴分。
 
 長平の戦いの後、一気に趙の都邯鄲を攻め落とそうとした白起だが、彼に手柄を立てさせたくない范雎の進言で昭襄王は軍を撤退させる。怒り心頭の白起、もうぶちっとキレたようで、この後屋敷にこもってしまいました。
 趙出身の白起の妻趙蔓は、夫が降兵を抹殺したことから、一人趙に戻っていく。
 
 趙王は信徒の講和条件として領地を差し出すとした約束を反故にする。これに激怒した秦の攻撃を受ける。しかし、趙王はうって変わったようにしっかりした君主になって、国力の回復もし、楚や魏の力も借りて、総力体制で秦軍に徹底抗戦。
 白起抜きの秦軍は大敗。繰り返し、王から秦軍を率いることを求められても、この戦いは時期を逃した、負けるに決まっていると家にこもり続ける白起。
 
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 白起にかわって軍を指揮するのが、范雎を魏で救った元トイレ係鄭安平。范雎との関係だけで将軍にしてもらい、えらそうに出ていった。これで武侠ドラマなら茅厕将軍と敵に揶揄されながらも大活躍・・・なのかもしれませんが、残念、趙軍に囲まれたとたんに引き留める副将を殺して降参してしまう。
 
 范雎はこれを推薦した自分のせいだと王に処分を求めるが、驚いたことに昭襄王は悪いのは将軍として戦場に行かない白起だと范雎を許す。
 
 これから、ぼくたち悪くないもん、戦争に行ってくれない白起が悪いんだもん~と二人は白起をディスり続け、とうとう自害させてしまう。
 
 自分を排除したい范雎、不実で仕えがいのない昭襄王に絶望した白起。黙って退場かと思ったら、思いっきり昭襄王に恨み言言ってました。
 
 こうして、白起のいなくなった秦に戦国七雄の残り六国が手を結んで攻撃をしかけようとする。
 
 今度は昭襄王が「絶対に守れ、でなきゃ死罪だ」と厳命したもう一人の范雎の「恩人」王稽が守る河東郡が六国軍に落とされてしまう、
 さすがに范雎ともども牢につながれ、後から死罪に。
 
 八方ふさがりの昭襄王の前に、亡き父恵文王が現れるという場面なんかもありましたが、やっぱり冨大龍って存在感ありますわ。
 
 で、突然、西周の天子から天子の地位を「禅譲」されることに決めた昭襄王。周王を担いで秦を攻撃しようとしていた六国の出端をくじく。秦の王を天子として認めるかどうかをかけて、汾城攻防戦開始。結局、秦が勝ったんで、昭襄王が天子になって西周滅亡というところで、56年間の彼の時代終了。
 
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 九鼎を持ち上げて兄武王が死んだことから始まった昭襄王のドラマ、九鼎を手に入れきちんと伏線回収したところで、六国の天子に「今に見てろ、滅ぼしてやるからな」と恫喝して終わりました。
 
 あまりにも中華ドラマでよく言う「卑鄙小人」ぞろいなんで、これはいったいなんだと呆気にとられているうちに40集終わってしまった。でも、これ、ほとんど史記とかにあるエピソードなんですよね・・・中国史詳しくないから、間違いあったらご指摘を。
 
 次の第四部とか第五部とか出るんでしょうか?始皇帝嬴政まで後短い二代残すだけなんですけどねえ。
 もう嬴政生まれてるし、始皇帝による中華統一まで31年とか・・・ネタはいくらでもあるでしょうが、もう無理かもしれないなあ。