江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

幻城凡世 その1

1~8集

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 いきなり冥王星に宇宙船が近づいて、地上から光が飛び出し・・・というオープニングに思い切り引いてしまって、見るつもりはなかったのに・・・つい、これをどう幻城の話に繋ぐんだ?と野次馬根性出したとたん、思い切りはまってしまったw
 オリジナルの幻城よりずっとおもしろい。
 
 近頃、時代を現代から古代に変えたり、古代や清朝から現代に移したりというパタンの続編が何本も出てきてるんですが、正直もとの作品よりよいわ~と思ったのは一つもない。
 これもどうせそんなもんだと思ってたんですが、見始めてみたら、幻城を見てていらいらした主人公のふんぎりの悪さ、うじゃうじゃした所がまったくなくなっていて、すっきり気持ちのいい主人公ぶり。
 私は常々馮紹峰という人は、なんでこういう思い切りの悪い英雄役をするんだろう、西遊記の唐僧のようにちょっとコミカルな部分もある役の方が光るんじゃないかと思ってたんですが、これはまさにはまり役じゃないでしょうか?
 
 お話は、今より少し未来の2020年。
 IT企業の社長馮索と女優洛洛の出会いから始まります。洛洛は大秦集団という会社と契約していたが、この社長の弟のプロポーズを断ったことで、兄の社長から契約を解除され、芸能界を締め出されかける。
 
 それを救ったのが、夢の中に入り込むというトータルリコールとかで見かけたような技術を開発した格凝集団を率いる馮索で、会社間のビジネス上の対立と個人的な恨みつらみがごっちゃになっているという凡世=地球パート。
 
 
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 この馮索が卡索の転生、洛洛が梨落の転生で、他にも嵐裳や潮涯などが転生しています。
 中の人たちは洛洛が宋茜から張雨稀に変わったほかはオリジナルキャストがそのまま出てます。
 
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 転生ではなく前のキャラのまま登場したのが、ずっと一人冰城を守ってきた星旧。彼はなんとか馮索に記憶を取り戻してもらおうとして、この世界に追いかけてくる。彼はオリジナルキャラそのままの生真面目な星旧なんですが、置かれた立場が違うだけでなんかコミカルなことになっています。
 
 この世界が凡人の世界、凡世ということですが、以前の幻城の世界とはパラレルワールドになっている設定のようです。前の話から、数十億年もたっている、とか卡索と梨落はもう6回も転生を繰り返している・・・とか、どうもこの辺の設定が今一つ把握しきれていません。
 
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 その二人の転生をずっと見守ってきたのが櫻空釋と艶炟。
 兄さえよければ後は世界が滅びようと自分が死のうと厭わないという究極のブラコン櫻空釋は、前作の終わりで時間を操る力をもった赤凝蓮を手に入れ、それを使って自分を犠牲に卡索を蘇らせていました。その赤凝蓮の力で幻城の冰族の世界は冥王星に、火族の世界は火星に、凡人の世界が地球になったということらしい。
 で、兄をなんとか幸せに転生させたいのに、これまで転生するたびに梨落の転生と出会い、結果項羽と虞姫、高長恭と揚雪舞のように死んでしまった。今度こそ、なんとかして梨落との間に愛情が生まれないように手を尽くしている。
 
 それにしても、この過去の転生・・・どう見ても馮紹峰のセルフパロディ。高長恭はちゃんとあのお面つけてるし、項羽はどうみても映画の項羽wまあ、ドラマ全体がそういう感じです。
 
 ところが、卡索をこの世にとどめるということは櫻空釋が死ぬということで、艶炟は櫻空釋を死なせないために手を尽くしている・・・
 
 今のところ、洛洛には過去生は夢で見る程度で梨落としての記憶はない、馮索は星旧から「王」と呼ばれ、一応の話は聞いてるんだけど自分が冰王だという自覚はない。
 
 そんなところに誘拐された洛洛を助けようとした馮索が大バトルの末に冰族の力を発揮する。
 
 徐々に過去生の記憶を回復しつつあるわけですが、星旧は妹の居場所を知りたかったら黙ってろと櫻空釋に命じられてしまい、馮索はなんか変だと思いながらも真相になかなか近づけない。
 
 櫻空釋は、この世界では絶対的な力を持つただ一人の人物として、相変わらず兄以外には酷薄な顔を見せている。
 中の人馬天宇は今度は、外見は素の馬天宇。で外見から感じるかわいらしさと反対の冷酷な魔王感、優しさと無情、弱さと強さなんかを白黒チェンジ抜きの視線と表情で見せています。
 
 ずっと卡索と顔を合わすことを避けてきた櫻空釋だけど、第8集のラストで後ろに兄が姿を見せてさあ、どうするというところまできました。
 
 彼ら二人の兄弟の再会と(どうせくるに決まっている)別れ、卡索たちの前世の記憶はどう回復するのかとか今後への興味もあります。梨落、どうでもよかったりするw張雨稀、あんまり幻仙ものとかには向かない感じですね。
 
 それにしても、脚本は同じ沈芷凝なのに、総導演が代わっただけでこんなにドラマの雰囲気が変わるものかと・・・アクション監督も馬玉成から元彬に交代。こっちもだいぶ雰囲気かわりました。
 
 前作同様CGは大いに使っています。ちょっとだけ未来の半透明に光るスマホとかタブレット端末や各種モバイルのの進化形なんかは大げさにしない分、実写部分との乖離も少なくて見やすいです。
 
 その分、冰城とかがちゃちに見えてしまうというのが難点。
 
 全体としては、卡索と梨落の時間を超えた愛よりも、やっぱり卡索と櫻空釋の関係の方がメインですね。けっこうサスペンスタッチの場面とか切ないモノローグとかもありながら、全体にはなんかコミカルなイメージがあります。この辺が、暗黒者とかのタッチを思い出させました。
 
 個人的に一番受けたのは、以前のままの姿で現れた星旧が毎晩髪を洗っては、いつまでもぬれた髪のままでいるのを卡索が無理やりコードレスヘアドライヤで乾かす場面でしょうか。そういう生活臭を一切感じさせなかった前作の世界観を踏まえつつ、微妙にぶち壊す楽しい場面でした。
 
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 もっとも星旧、この後の場面で洛洛のマネージャとおねえなスタイリストの二人に無理やり髪を切られ、すっかりイメチェンしてしまいます。
 
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 そういやこのエピソードも、洛洛とマネージャたちの関係も相愛穿梭千年とよく似てます・・・
 
 近頃は、期待してなかった作品に思いがけずはまってしまうことが結構あって、これはこれで楽しい。途中でやめるはずだったのに最後までいっちゃった孤芳不自賞というのもあります。反対に絶対途中で止まるなと思ってたらやっぱり続かなかった秀麗江山之長歌行とか芈月伝、華胥引、ついでに苦戦中の三生三世十里桃花というのも。この4つ、実はどれも同じようなところで止まってしまってるんですよね~ほんとメロドラマとか大奥ドラマは苦手。
 
 軍師聯盟、はやく来い~~