江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

脱身 その1

1~11集

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 陳坤が久々にテレビドラマの主演をするというのが話題のドラマ。
 英語タイトルが「Lost.in.1949」
 その通り、1949年の元旦から話が始まりました。
 
 1949年・・・民国38年にあたるこの年、共産党が中国全土を掌握、10月には中華人民共和国が成立しています。そういう激動の時代を背景にした諜報ものと聞いていたので、さぞかしピリピリしたドラマ展開と思っていましたが、完全に予想外しました。
 
 諜報劇の一面もちゃんとあるんですが、それより韓流ホームドラマというか日本のかつてのご近所大騒動的ななんとか劇場のような雰囲気が方が強いです。
 
 陳坤演じる主人公の喬智才は1949年の元旦、経済犯として収監されていた刑務所から恩赦で出される。この彼と同じ鞄をもって、保密局から逃げていた黄儷文と「偶然」ぶつかって、鞄が入れ替わってしまう。「偶然」彼女が預かって持っていた鞄には、共産党工作員が上海に持ち込もうとしていた無線機が入っていたので、喬智才は驚愕。なんとか自分の鞄を取り戻そうとするというところからドラマが始まりました。
 
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 で、その彼女が「偶然」喬智才の家の隣に引っ越してきたセレブな住宅地に似合わないと太太たちから白い眼を向けられている林云裳の家を出ていた長女。
 
 喬智才には双子の弟礼杰がいて、こちらはスーパーエリートの物理学者。ただし、空気は読めない。しかも、妻に頭の上がらない父親の初恋の相手が「偶然」この林云裳。早速息子にラブレター届けさせてます。
 
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 ということは、この双子を「偶然」取り違えて、なんだかんだという話も忘れずに展開。一人二役で殴り合いの喧嘩まで見せてくれた白夜追凶を見せられて以来、一人二役の双子と言うと、俳優の演技もさることながら、画面処理が気になってしまうんですよね・・・ま、そういうことで、今後の「二人」の絡むシーンに期待。同じ画面に並んでるだけじゃもう満足できないよ~
 
 さらに、黄儷文の妹、費儷娜はキャバレーのスターで、未婚夫の巫云甫は空軍で共産党員。「偶然」黄儷文が費儷娜の姉だというので、連絡員にスカウトされる。「偶然」黄儷文の死んだ夫は共産党工作員だったので、彼女も協力を約束。
 
 何の訓練もなく、いきなり重要任務とか、王天風とか明台とか聞いたらひっくり返りそうだw
 
 巫云甫と曹儷娜の結婚をめぐる話とか、喬智才の母親たちが林云裳を嫌う話とかは「身分違い」でどうのこうのと韓流ホームドラマ(の番宣)でよく見かけるような話。喬智才のキャラは遠大前程の洪三元とも重なるところがあります。
 
 この二つの家族が繰り広げるコメディタッチのホームドラマにピリピリした諜報ものが被ってきます。黄儷文を監視する保密局の楚科長が「偶然なんてあるわけない、徹底的に調べろ」といってますが、まだまだある「偶然」だらけのストーリ展開にもう笑うしかない・・・
 
 対共産党を任務としている保密局の楚科長率いるチームは、黄儷文にも喬智才にも巫云甫にも目を付けていて、尾行したり盗聴したりときちんと任務を果たす主人公たちには恐ろしい一団です。でも同じく保密局の姜科長は、元々智才を投獄したという因縁もあり、黒社会と結びついて、智才にねばっこくつきまとい、彼を利用しています。この二人の科長は互いに相手を嫌いぬいてて、保密局内部の対立もこれからますます深まる見込みでいいんでしょうか。
 
 費儷娜はキャバレーで保密局の局長毛六爺に目を付けられ、彼女を「貢物」しようとした姜科長に捕らわれてしまう。その彼女が、箱に入れられて届けられた先は、喬智才の部屋。一晩預かっとれ・・・というわけですが、妹を探しに来た黄儷文を交えて、屋内ではほぼコメディが、屋外では彼らを監視する楚科長のグループがスパイドラマを展開。
 
 あれもこれもといろんな要素がこれでもかというくらい詰め込まれていますが、今のところ特に破綻もなくドラマが進んでいます。ツッコミどころは満載ですがw
 
 いきなり銃撃戦とか爆発シーンとかもありましたが、それ以後はひたすら追いかけっこしてるような感じです。これに比べるとぐっとシリアスだった偽装者でもふっとコミカルなシーンが入ってたり、画面はシリアスなのに視聴者が愉快だと感じる場面があったりしましたが、これはもうそういうシーンをどんどん入れ込んでくるので、全体のイメージがコミカルなものになっています。陳坤の持ち味と言ってもいいのかも。
 
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 黄儷文には、最近出ずっぱりの感もある万茜。彼女はひたすら真面目なキャラを演じているんですが、そのことで喬智才たちのドタバタや混乱を引き出すという役目。
 
 共産党員の唐医師には孔子春秋で孔子を演じていた朱剛日尭、喬智才たちの父喬墨耕で開封府伝奇の真宗だった趙文瑄、巫云甫には武神張子龍の馬超の超暁晨と日本で公開されたドラマでおなじみの顔も見えます。
 
 最初に予想してたよりはずっと肩の力を抜いて見られるドラマと思いますが、反面私的には苦手なハイテンションなホームドラマ展開が・・・好みの問題です。一見コミカルに見えて、実は全くコメディとは思えなかった遠大前程とは真逆ですね。
 
 滞貨一掃期間が過ぎて、一気に新しいドラマが始まってうれしい悲鳴というところ。
 
 萌妃駕到、法医秦明第2季、鍾馗促妖記はぼつぼつと見ていますが、扶搖、鎮魂はまだ手付かず。今一つ盛り上がれないのは、どうも天意超能篇に毒気抜かれてしまったせいのようです。