江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

古董局中局

1~36集

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 盗墓筆記、鬼吹灯系列とはまた違った骨董品というか文化財を扱ったドラマです。前の二つの系列に比べると、冒険要素、ファンタジー味より謎解き要素の方が強い印象です。
 何の知識もなしに見始めたんですが、作者の馬伯庸って三国機密や長安十二時辰を書いた人なんですね。
 
 36集で完結かと思ってたら、これもまた第2季につながっていくようです。先に言えよな~~一応結末ついてるからまあ許すけどw
 
 ドラマの舞台は1995年。北京で骨董店を営む許愿は、日本に持ち去られていた唐代の仏頭を中国に返還するための準備を進めている一団に求められて、これに協力することになる。
 
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 この仏頭は武則天が作らせたという文化財で、許愿の祖父許一城は日本に自国の文化財を売り渡した売国奴として1937年に銃殺されていた。また、父も文革中に暴徒に襲われて死んだ過去がある。許愿は北京でインチキ骨董を売るような商売をしているが、実は家伝の骨董を見分ける絶技を身に着け、その秘伝書を持っている。
 
 さらに骨董を売り買いする名門として五脉という名家のグループが登場。ま、盗墓筆記の九門みたいなもんですね。許愿もそのうちの一つ白字門許家の現当主ということになるが、これまで接点はなかった。
 
 彼が引き合わされたのが、五脉の当主たち。彼らの意向を受けて、玄字門薬家の薬不然、黄字門の黄烟烟と共に、日本から来るこの仏頭の真偽を確かめることになる。
 
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 そして、かつて許一城から祖父木戸有三が仏頭を手に入れた木戸加奈がこれに加わり、4人で調査にあたることになるが、次々と謎が深まっていく。
 
 仏頭が返還されること自体はいいことだが、どうもこの仏頭の真贋があいまいだということでそれを確かめるために4人が冒険に挑む。
 
 謎としてはこの仏頭の真贋のほかに、祖父や父の死の謎、調査を邪魔するために次々罠を仕掛け証人たちを抹殺していく老朝奉という人物の正体があります。この老朝奉が率いる組織が五脉にも浸透し、誰が敵なのか味方なのか・・・という状況で許愿たちは窮地に陥っていく。
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 前半は許愿が見せるジャグリングのような骨董品の鑑定シーンとか、どこかに潜入しては敵に見つかって追いかけられるとか、許愿と薬不然のやりとりとかちょっとコミカルな要素も楽しめる軽快な展開でした。仏頭が発掘されたという岐山探検あたりからの後半になると、許愿と黄烟烟を中心にしたサスペンスドラマの印象が強くなりました。
 
 配役の関係もあって、わりと早い時期に裏切者は誰だというのが見えてしまったのは残念です。でも、謎解きを中心としたドラマとしては結構楽しく見られました。
 
 でも、すべて終わって「劇終」って字幕出てから、新たな謎を提示するのやめてもらえませんかねw
 
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 配役としては、マジックとスノーボードがプロ級だという夏雨がマジックの腕前を見せたとしか思えないアクロバティックな鑑定シーンを披露してます。彼、前に陳坤版の鬼吹灯の映画尋龍訣では大金牙やってましたな。
 
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 喬振宇の薬不然は、いつもファッショナブルに高価なスーツを着こなして、ちょっとした「花輪君」。何気にスーツを着た欧陽少恭の雰囲気でキャラが立ってます。
 
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 黄烟烟の蔡文静は脱身の費儷娜等で見てるんですが、目力のある俳優だと思います。
 
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 木戸加奈は日本人俳優の田中千絵が演じていて、もう一人の細川太郎役木幡龍(東方不敗主人公バージョンの笑傲江湖で粘り強く生き続けた余蒼海の中の人)との日本語のやり取りは間違いなし。ですが、逆にあんまり「きちんとした」日本語すぎて不自然なのも事実で・・・そのうえ、この二人の衣装がどう考えても戦前か、よくて1960年代初期。 
 TPOに関わりなくいつも加奈小姐の頭には帽子がのっかっていてですね~ダービー競馬場でもあるまいし。ひそかに敵の動きを見張るとかいうシーンでもはでな帽子で・・・
 とにかく加奈さん出てくるたびに帽子が気になってドラマに集中できなかった日本人視聴者。
 
 ついでに余計な情報。だいたいこんな割合で帽子が登場してたのです・・・上段はともかくなぁ💦
 
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 そういや、彼女が許愿を「許桑」しゅーさん、薬不然を「薬桑」よーさんという風に呼んでるですが、この表現最近見かける感じですが、悪くない語感ですね。
 
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 配役的には主役の三人よりも、王剛、曾江、呂中・・・と五脉の当主たちの顔ぶれが私にはアイキャッチャだった。他にも許愿の祖父で潘粤明、父で黄海冰、仏頭の謎にかかわる手がかりを示唆して、殺害されてしまう姫雲浮で湯鎮宗とかも登場。
 この顔ぶれを見て、見る気になった側面もあります。
 
 ただこのドラマ、やっぱり謎解きをメインにしたサスペンス色が濃い。その分、岩山のてっぺんにある遺跡から地下に入っていくという盗墓筆記や鬼吹灯ではおなじみの場面が力不足で。CGが相当に情けなくて、腹が立つより悲しくなりました。まさかここまで90年代を再現したの?
 
演 員     角色
夏 雨  飾  許愿
喬振宇  飾  薬不然
蔡文静  飾  黄烟烟
田中千絵 飾  木戸加奈
王 剛  飾  薬来
曾 江  飾  黄克武
呂 中  飾  沈雲琛
黄海冰  飾  劉一苇
湯鎮宗  飾  姫雲浮
林 聪  飾  付貴
鄭 玉  飾  羅局
韓燁洲  飾  黄蕉
王泷正  飾  謝少卿
呂炸炸  飾  鄭井
程思寒  飾  孫掌柜
王建新  飾  鄭国渠
潘粤明  飾  許一城
羅京民  飾  老戚
劉長生  飾  劉一鳴
李田野  飾  方震
侯桐江  飾  鄭虎
杜玉明  飾  大狗
木幡龍  飾  細川太郎
 
職員
制作人  孫合彬、楊焱、張喬
原 著  馬伯庸
導 演  五百、余慶
編 劇  劉殷実、卢源
美術設計 呉鎮
造型設計 白希珀