江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

媚者無疆 その1

1~18集

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 ドラマスタート時点で入ってきた情報が、あまり気分のいいものではなかったので、視聴スタートが遅くなりました。とりあえず全36集の半分まで見ました。
 
 原作とは切り離して、ドラマはドラマとして見るのがいつものスタンスなんで、まあ今回もほぼその線で見ています。
 
 舞台は五代十国時代。個人的には、画江湖之不良人、熱血書院に続いて3本目だし、現在仁木英之さんの「李嗣源」読書中だったりして、最近なんかこの時代になじんでます。
 
 主人公の蘇七雪は極貧の中で必死で父と弟との生活のために金を稼いでいたが、ある日無断で父親に妓楼に売られてしまう。そこの客にレイプされそうになったところを、その客を暗殺に来た姽嫿城の暗殺者に救われる。彼女に無事に脱出してきたら姽嫿城に連れて行ってやると言われて、死に物狂いで駆け付けたものの、時間切れ。ところが、姽嫿城の公子という人物に救われ、姽嫿城にたどりつくことができた。
 
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この姽嫿城というのは、女性の暗殺者集団でそこに君臨するのが城主の姹蘿、彼女の「楊蓮亭」が刑風、彼女の下に絶殺、天殺、地殺というピラミッド型の組織があって、女たちがお互いを牽制している。公子のプッシュで割り込んだ七雪は城主からあからさまに死んでしまえばいい的な扱いを受けるが、それでも地殺候補の新入試験に合格、以後晩媚と呼ばれることになる。
 
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 そして、長安という青年がこの晩媚の文武両道、化粧から踊り音曲まで指導し、なおかつ生活の面倒を見る執事で共に暗殺を実行する従者「影子」として彼女に仕えることになる。こんなになんでもできる人物がいるんならわざわざ新入り教育しなくても、直に影子を暗殺に送り出せばいいじゃないかと野暮なことを突っ込みたくなるくらい、パーフェクトにできる男長安にかしずかれてそれなりに楽しそうにやっている晩媚。
 
 ところが、初めての暗殺には行ったものの掛剣草を盗むという半分の任務だけ果たし、ターゲットはそのままにしてくる。二度目の任務でも、私には人は殺せないとかやってる間にターゲット自身が自殺してしまう。
 あんた、アサシンになったのわかってるか?とまた突っ込む・・・
 
 なんか中途半端に任務をこなしているのですが、公子がフォローしてくれてるので地殺にランクアップ。
 
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 その公子が、実は李嗣源で、病弱で目が見えず、先代の城主の息子でいわばこの姽嫿城のオーナー二代目理事長という感じ。異次元の李嗣源ですな・・・彼にだけ従う月影を含めて、現社長の城主は個人的な怨恨もあって敵意むき出し。晩媚の入手してきた掛剣草の効力でひそかに視力を回復した公子もそれは同じ。
 
 もう一人、命を助けられた恩人の一族を皆殺しにした城主姹蘿を仇と狙うのが長安こと謝歓。
 
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 公子には、弟で国王の李存勗やその配下の太傅も疑いの目を向け、命を狙っている。
 
 3番目の任務として、摘星楼の女主人を殺すように命じられた晩媚だが、長安がまさかの裏切り。実はこの女主人がかつての恩人の娘だったのですが、そんなことを知らない晩媚は捉えられ拷問にかけられる。一生守ると言ってたくせに・・・と長安への恨みを募らせる。
 
 彼女が拷問にかけられてる一方で、長安は実はあなたは李唐の太平公主の血脈と言われ、殿下!復国を!と迫られる。
 
 それでも晩媚を助けねばと、姽嫿城に戻り、公子に晩媚救出を嘆願する。公子の命で晩媚を救出した月影だが、彼女に蟲毒を仕込み、陵城に疫病を蔓延させる。この地で勢力を持っていた血蓮教の代理教主を抹殺するのが任務だったようですが、またしてもターゲット自害。
 
 場面場面でのアクションとかは悪くないんですが、いろいろびっくりさせてくれる設定とかでもう突っ込みまくってます。
 
 同じ五代十国を舞台にしてた画江湖之不良人はもう史実なんかまるで無視のゲームものでした。この媚者無疆、特に一部キャラクタの造形がその影響受けてると見えます。それに、女性主人公の武侠ドラマというくくりも見かけましたが、内力で雪を降らせたりもっと幻仙ドラマっぽいです。
 
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 ひたすら「主人」に仕えるオールマイティな「美形執事」とか・・・なんかレディコミにありそうな話だよな~と思ってしまうんですよね。そして、つらい運命に立ち向かうヒロインを支える公子と影子。どうせなら貴公子にしとけというのか、一人は不遇の王子で、もう一人は出自を知らなかった流浪の王子・・・
 
 見る前に警戒してたほどの18禁内容でもありませんが、逆に原作とは切り離してほしいという意図なのか、色っぽさの感じられないキャラが多い。みんながみんな、誰かを敵視して命を狙いあってるようなぎすぎすした雰囲気は十分にあります。そこで、人殺しはいや、でもここでがんばるとブランコに乗って喜んでいるヒロイン、ちょっとお花畑な感じで大丈夫かと思わざるを得ません。まあ、彼女が経験を積んで成長していくドラマでもあるので、この後どう転がるかには興味があります。