江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

目中無人2

目中無人

 

 謝苗主演のネット映画「目中無人」の続編。前作を大いに楽しめたので、早速に。
 とにかく彼のキレッキレのアクションを楽しむ作品だと割り切ってみればいいというタイプの映画です。

 複数見かける海報の中で、お箸合戦を選びました。武侠劇ならこれでしょw

 

 けど、前回は結婚式で花婿を殺され、賊の集団に性的暴行された被害者の女性の復讐を助けるという話でした。最初の事件が悪辣なほど、後半の復讐劇が際立つという構成になるのは理解できても、なかなかにしんどい。

 今回は、彼に復讐の手助けを頼んでくるのは8,9歳の少女張小漁です。彼女は一家を殺され、一緒に逃げていた小さな弟までも人殺しを娯楽のように考えている男たちに遊び半分に殺されてしまいます。

 成瞎子の強さを知っていた彼女は、男たちへの復讐を頼みますが、相手にされない。しかし、とことん粘りぬいて彼に付きまとう小漁に次第にほだされていき、ついには共に生活し、武芸まで教えるようになります。

 

 前回に比べると、成瞎子が人恋しさみたいなものを感じさせています。目の見えない彼をフォローする張小漁との間は師弟というより、パートナー、親子のようになっていきます。

 というのを楽しむのもありでしょう。とにかくアクションシーンに継ぐアクションシーンです。武侠ドラマのお約束、崖落ちとかお箸合戦とかもしっかり見られました。そういうのをたっぷりと楽しむのが目当ての視聴者も十分満足。

 

 ただね~冒頭の幼児殺しの場面、一瞬とは言っても相当にショッキングで、なんか見終わってもすっきりできなかったのが残念です。悲劇を強調するためになんでもありという風潮にはなじめないんですよね~

 

 それを除けば、今回もおもしろく見られました。


演 員  角色
谢 苗     成瞎子    
杨恩又     张小渔    
黄 涛     李九郎    
裴魁山     姜大胡子    
班玛加     姚万年    
刘峰超     何猪子    
强巴才丹    白石三    
萧松原     黄老獭    
江易轩     阿梅    
张皓森     马队车老板    

 

制作人     魏君子
导 演     杨秉佳
编 剧     杨秉佳
动作指导    秦鹏飞、杜晓辉

 

大理寺少卿游 その4

28~36集(大結局)

 

 さあ、こちらもクリアしましたよ~中華ドラマタイムの時間が戻ってきてうれしい。

 いくつもの謎をそのままに話を進めてきた感のある前回までの視聴分に対して、今回の視聴分では一気に謎が明らかにされ、クライマックスを迎えていきます。

 黒羅殺の正体、小枝花の正体、彼らを操っているのは誰か、邱慶之は敵なのか味方なのか、李餅が今のような状況に陥ったのはどうしてなのか、武則天は何を考えているのか、父親が罪人となった上官擒はどうなるのか、陳拾は兄を見つけられたのか?etcetc

 山のようにあふれる「アレはどうなった」を抱えたままの視聴者は、大結局にむけて一気に謎が解かれ、隠されていた事実も明らかにされて、すっきり爽快感を味わえるという仕組みですかねw

 

 画像以下、内容に触れてますので、立ち入りご用心でお願いします。

 

 猫の姿を見た邱慶之が「李餅・・・」とつぶやいたときから、彼は見かけ以上に李餅やこの一連の事件の裏に精通していると見てました。彼は永安閣の閣老たちが一枝花を利用して長生不老を得ようとする悪事の手先になっていると見えるので、ラスボスに大化けしても悪くないなと思っていたんです。外れました。私は根性悪の視聴者w

 

 この邱慶之@魏哲鳴と李餅@丁禹兮の組み合わせもなかなかの目の保養ですな。

 

 思いがけず、不老不死となって何百年も生きてきた一枝花が、彼を捉えた邱慶之に対して仕掛けたゲームが一連の事件につながり、その中に李餅の件も含まれている形です。

 その李餅は、猫の姿で正気を失ったところを明鏡堂の面々に発見されます。李餅が一番恐れていた身バレです。ところが、彼らは李餅の秘密を知っても変わらずに「少卿大人」と呼び、これまで通りに自分たちの上司、仲間として接します。
 予想通りの反応ではありますが、これで李餅がずっと抱いていた恐怖心、後ろめたさが一掃され、彼は一挙に自己肯定感を取り戻します。
 
 このドラマには李餅だけでなく、邱慶之、陳拾、崔倍ら多くのキャラが持つトラウマとか劣等感を払拭していくエピソードが展開されているのが印象的です。

 私はこういうキャラ設定がしっかりしていて、他を貶めることなくそれぞれ自己肯定感を高めていくようなドラマ展開が好みなんです。なので、自分の優越感のために人を蹴落としていく後宮劇とかが苦手。

 

 原作の「大理寺日誌」とはキャラの設定も扱いもずいぶん変わっています。新しいキャラの設計もドラマ内での位置づけもきちんとされているので気にはならない感じです。原作通りなら邱慶之なんかとっくに処刑されていますし。

 

 武則天の扱いも原作とはずいぶん変わってますね。ドラマで原作のような極端な描写はできないのは仕方ないとしても、こちらの武則天まだまだおとなしい。でも、姿をはっきり現さない裏で絶対なんかやってると思うし、この武則天に「天山童姥」味を感じる金庸迷。

 

 自分たちの私欲のために戦争を起こし、兵や民を犠牲にした永安閣の閣老たちは捕らえられ、3年前から始まる一連の事件には幕が引かれました。けど、猫の自分も肯定的にとらえるようになった李餅と明鏡堂の仲間たちは原作のような関係になって、第二季も十分作れる終わり方と見ました。

 

 李餅と邱慶之の少年時代から現在に至るまでの話がひとつながりとなったのは大結局近くです。クライマックスになって、冒頭の事件で登場したでんでん太鼓をもった幼女とその叔父が再登場して陳拾を助けるとか、文字を読めなかった陳拾が見事な文字を大量に書くとか、随分遠回りした伏線の回収も行われました。

 その上、ドラマ終了後のエンドタイトルが流れるところで、「全剧终  还有几件小事・・・と出てきて、「李餅の他にけがをした小動物はいません」「阿里巴巴と王七は勝手に借りた衣服をちゃんと返した」とか「王七は司直に戻れた」「食事代を払いに行った」とかが次々に流れ、このしつこいまでの「伏線回収」というか「注意書き」がまたツボでして・・・w
 こだわりの強い視聴者、あえて言えばアンチが重箱の隅つついてくるようなところを見事に先取りした感じなんですよね~

 

 このドラマ、どうやら私の好みにピタリとはまった感じで楽しく見終わりました。きっとリピしますな

 ということで、また何がいいたいのかさっぱりわからない感想文でした。

 

 でも、ご覧になったらきっと楽しんでもらえるドラマだと思うのです。日本上陸、期待してます。

 

 

演 員     角色    配音
丁禹兮  飾  李饼
周 奇  飾  陈拾    昱霖
魏哲鸣  飾  邱庆之   孙睿扬
丁嘉文  飾  崔倍    孙路路
张奕聪  飾  孙豹
冯 满  飾  王七    张赫
娃 尔  飾  阿里巴巴  任京浩
任 敏  飾  上官檎   徐佳琦
杨皓宇  飾  袁不二
于荣光  飾  李稷
奉天  飾  来仲书
汪汐潮  飾  一枝花   李靖
杨 亘  飾  胡四    陈啟刚
孙美林  飾  胡姬    楚越
王同辉  飾  吴亦人
岳 旸  飾  吕清    孙鹏
连奕名  飾  上官琏   杨默
葛 四  飾  陆城隍
言 杰  飾  徐虎    赵哲豪
张熙然  飾  圣人    郑言
裴佳欣  飾  员外郎妹  周侗
萧松原  飾  老白    栾立胜
葛凡之  飾  秦纨    梁亚锋
洪 潇  飾  寇娘    卜群
马 驰  飾  王质    李昊甲


出品人     龚宇、李德来
制作人     戴莹、孙永焕
监 制     王晓晖
导 演     王威
编 剧     魏思远
配 乐     陈域、解男
艺术指导    邸琨(艺术总监)
动作指导    张贵博
服装设计    茹美琪
视觉特效    张卓

唐人街探案2ドラマ版 その2

9~16集(大結局)

 

 最後まで見終わりました。
 今回視聴分は「游楽園」「黄金城」の二つ。主人公は、これまでも登場してきたKIKOに変わりました。彼女の他に主人公クラスで登場したのが、あの鐘鎮涛に兪灝明です。この二人が父子役というだけで見る気十分になるわたしw



 兪灝明演じる昇進には関心のない真面目な刑事の息子林森、彼の昇進をなんとかしようと始終警察にやってきては捜査に首をつっこんでくる退職警官の父林栄樹を鐘鎮涛が演じています。この二人の親子関係もドラマの柱の一つです。

 それだけではないのです。夜にはコンピュータを駆使し探偵としてClimasterでナンバー5に位置付けられているKIKOのプライベートが今回描かれていきます。彼女と翁虹演じる母親とは、15年前の姉の死をきっかけに確執が生まれていますが、こちらの親子関係も今回視聴分の柱と見ました。

 

 「游楽園」では少女の死を捜査するうちに、15年前の姉の死との関連が浮かび上がり、そこから少女たちを食い物にしている組織の存在が暴かれます。さらに・・・
 この事件でKIKOを捜査に巻き込んだのが林栄樹、迷惑がりながらも彼らの協力を得ることになるのが林森というパタン。


 兪灝明というと一癖も二癖もあるキャラをよく演じているイメージですが、今回は事件さえ解決出来たら出世なんかどうでもいいというまっすぐなキャラです。父親を演じる鐘鎮涛の方は、逆に最近こいういうキャラばっかり見るような感じがあります。衣装までなんか見慣れた気がしてくるw

 

 KIKOが探っていくネットの中はディープウェブというよりまがまがしい暗黒面のようで、それが現実世界の少女たちを地獄に引きずり込んでいくのです。

 このパートでは、自殺したと言われた邵菲菲の友人だったというNEOの役で栄梓杉が登場しています。彼、最近露出増えましたね~

 
 この事件の後に続くのが同じくKIKOと林父子を主人公にした「黄金城」です。でも、その間にニューヨークと東京の事件、つまり映画の唐人街探案2と3が挟まります。何しろ映画の場面が挿入されているから間違いない。けど、演員表にもはっきり名前の出ている王宝強たちはともかく、他のメンバーの扱いどうなってるのかと余分なことが気になる性格w

 

 「黄金城」ではいきなり林栄樹がWipayの社長の殺人犯として逮捕されるというシーンから始まります。彼の無実を証明しようとする林森やKIKOはWipayに侵入し、情報を集めていきます。

 このパートでは、「Wipay」というシステムを作った三人の男たちが重要なキャラとして登場します。このWipayによって、会社を築き、社会的名声も得た彼らでしたが・・・というお話。この三人を演じるのが、連凱@喬青山、尹子維@黄海、呂頌賢@陳経漢というなんともうれしくなる顔ぶれ。
 全体にこのドラマは香港や台湾の演員が多い気がします。

 

 どうもこの殺人のトリック、「名探偵コナン」で見たような?とかつての「少年包青天3」のことを思い出していたのです。ところが中で「柯南、見てないの?」という科白が出てきて、爆笑しました。堂々とやってるんだw

 

 ここでもネット上のデータが現実世界の「マネー」につながっていく、金融世界の素人にはとらえどころのない恐ろしさを感じさせます。

 このパートだけでなく、今回の4エピソード、どれをとってもホラーというわけじゃないのに、人間がもたらす現実社会の危うさ、暗部を描いていてゾッとさせてきます。

 

 最後にKIKOが選んだのはどちらだったのか・・・気になるところです。と、見た人向けのひと言でした。

 

 で、見てもらうためにもひと言。このパート、とにかく鐘鎮涛がワンマンショーかと思うくらいギター抱えて歌いまくります、彼のファンには二度おいしいと思いますよ~と宣伝しておこう💦

 そうそう劉昊然も最後の方で登場、こちらはちゃんと友情出演で顔出し。けど、なんかふっくらして雰囲気変わったような?まあ、最初の映画が2015年だからもう十年近くになるから、当然ですか。

 

演 員     角色
邱 泽  飾  林默
尚语贤  飾  KIKO
熊黛林  飾  彭西
张钧甯  飾  IVY
托尼贾  飾  杰克贾
邓恩熙  飾  小爱
王宝强  飾  唐仁
傅 隽  飾  钢琴师
楼学贤  飾  院长
马浴柯  飾  安颂
王 乙  飾  樱花
肖 央  飾  坤泰
赵永洪  飾  纳文
孟芷旭  飾  小茶
恬 妞  飾  黄婆
张 世  飾  度郎
郑颖娴  飾  黄婆孙女
杨谨华  飾  阿信
翁 虹  飾  王娇云
俞灏明  飾  林森
李星瑶  飾  邵菲菲
杨添明  飾  徐家丞
钟镇涛  飾  林英树
王以纶  飾  吴志源
荣梓杉  飾  Neo
孙伊涵  飾  方思雅
杜德伟  飾  法南
张柏嘉  飾  TINA
连 凯  飾  乔青山
尹子维  飾  黄海
吕颂贤  飾  陈经汉
李 响  飾  回志杰
岳 辛  飾  乔姗姗
蒋昀霖  飾  欧阳志
刘昊然  飾  秦风


出品人    龚宇、陈胜奇、黄朔
制作人    戴莹、钱重远、尹香今
监 制    王晓晖、陈思诚
导 演    王天尉、姚文逸
编 剧    陈思诚
摄 影    王均铭
美术设计    陈为任
动作指导    杜修斌
造型设计    蒋杰
服装设计    朱燕
视觉特效    杜杰

大理寺少卿游 その3

17~27集

 

 自宅警備なんでドラマ見る時間がある~とか言っていた日々は終わり、無茶苦茶忙しい日々がやってきました。でも、それもなんとか明日で終わり、またいつもの日々が戻ってくる予定。

 こういう余裕のない状況でも、ぼつぼつと「唐人街探案2」と「大理寺少卿游」だけは見続けております。紫川は「ぼつぼつ」まで行かない「ぼちぼち」という感じ?どう違うのかは聞かないでいただきたいw

 

 ともかく「大理寺少卿游」です。もう大結局まで配信されてしまいましたが、私は10集遅れくらいになってしまいました。なかなか続けて視聴できなくて、細切れになってしまったので、ストーリ紹介というより印象的なシーンをいくつか紹介したいと思います。 

 

 今回視聴分では、大理寺の仲間たちそれぞれに関わる話も入れながら、李餅がずっと調べ続けている3年まえの事件から始まる一連の謎がだんだんと姿を見せてくる。孫豹がかつての仲間とのかかわりで投獄されるなど、彼らの周辺に魔の手が迫っています。それをチームワークと李餅の推理力、にゃんこパワーという特別な力で乗り越えていきます。 

 

 李餅は大理寺の人間たちが自分の問題に巻き込まれることを避けようと、一人で捜査に乗り出します。しかし、明鏡堂の孫豹たちは李餅が取り組んでいる謎は彼一人のものではないとそれぞれの得意分野を生かして、独自に調査を始めます。そこに上官擒が私だって大理寺の人間なんだからと明鏡堂のメンバーと共に動き始める。

 

 上官擒を演じている任敏、これまでにないシャキッとしたキャラで好感度高いです。というか「玉骨遙」のキャラがうざ過ぎたw

 

 李餅の「猫」についても、今回視聴分ではいよいよ李餅がそのサイズ感のまま猫になる、という「大理寺日誌」をそのままCG化したような場面が登場しました。このバージョンの「白猫少卿」なかなかホラー味がありますねw
 何やら「猫神さま」みたいのも出てきて、ホラー味、伝奇もの風味も濃くなってきました。

 現時点ではまだ彼の「正体」は明鏡堂のメンバーには告白していないのですが、その日も近い感じで、いよいよ李餅周辺が切迫してきています。しかし、あの壁の登り様を見て、何とも思わないのか、君たちw

 

 この期に及んで阿里巴巴が実はとある国の王子という身バレしますが、今更~と突っ込みました。けど、「父王は子どもを作るのが趣味」で爆笑、「僕は123番めで父王は僕の顔も知らない」というのでちょっと同情。

 この阿里巴巴にしても、王七や崔倍、孫豹たちも、最初のころは無能な明鏡堂のシンボルみたいだったのが、それぞれに捜査官としての自覚も能力も高めてます。

 

 崔倍は「大理寺日誌」では頭上に黒雲を乗せた不幸の配達人的な存在だったのですが、ドラマでもやはり黒雲が登場してちょっとほっと一安心しました。黒雲のない崔倍、なんか収まりが悪い感じで落ち着かなかったのですよ。ただ、崔倍のこの黒雲不幸ネタ、漫画ほどには大風呂敷広げてくれなかったのは残念です。

 

 見ていて小気味よかったのは、李餅と邱慶之の目と目で見かわす連係プレーです。続いて、李餅かばって矢を受ける邱慶之という「君たち、敵味方なの?やっぱり…?」の関係。なかなかこじれた背景が邱慶之の方にもありそうな?

 

 彼らの前に突然現れた3年前の李餅の父を殺害した刺客黒羅刹。彼はどうやら李餅の秘密も知っている様子・・・

 

 このドラマ、「大唐狄公案」と同じような構成してるんですけどね~どこに違いがあるかと言えば、主役が実は猫、というだけではないですよね。こっちも黒幕の姿が見えなくてイライラするところは同じなんですがw

 例えば、無理にこじつけた感もありありなオリジナルキャラ上官擒、ここへ来てドラマ世界で存在感を見せ始めています。現代的価値観も付け加えたキャラ設定は無理と言えば無理なんだけど、そう不自然さを感じさせません。
 それに対して、「大唐狄公案」の女主と言えば、キャラ設定があいまいで不自然じゃないですか?琵琶の名手の妓女として登場し、事件に巻き込まれて狄仁杰といい関係になって、任地まで着いていって県衙の書記官まがいと思えば、検死までするし、最後のエピソードなんか狄仁杰そっちのけで大冒険に乗り出すし・・・全く鵺のようなキャラでとらえどころがなくて、魅力を感じられなかった。
 一人の人間に盛り込み過ぎて、しんどいのですよ。

 ととと~また「大唐狄公案」の愚痴になってしまった💦

 

 だらだらした感想文の最後に一つ。このドラマ。大理寺のメンバーの制服とかは漫画準拠なんですが、この員外郎の妹が来ている衣装がものすごく可愛くて好み。色といい、生地のふわっとした感じも、髪の結い方もめっちゃ気に入りました。

 ついでにもう一言。

 私の推し楊皓宇が演じる袁先生が退場してしまって、とっても残念。このキャラ、よかったのに~もっと見てたかった。

 ということで、「何が言いたいんだ?」と自分でも突っ込む今回視聴分の感想でした。


 

唐人街探案2ドラマ版 その1

1~8集

 

 映画版とは全くテイストの違うドラマ版「唐人街探案」の第2季。これまた突然配信開始になったような?最近、事前にチェックをしっかり入れてないんで、どれもこれも空から降ってきてるような気になってしまいます。

 

 今回は、《天使的旋律》《悪魔的呼吸》《游楽園》《黄金城》の4つのエピソードで全16集。ちょうど前半8集を見たところで、初めの二つのエピソードが終わりました。

 

 主役は、第1季に次いで邱澤の演じる林黙で、第1季や映画版に出演していた俳優がそのままのキャラで登場してきます。
 王宝強の唐仁はもちろん出てきました。でも、いつものように林黙に仕事押し付けて10秒くらいで退場。杰克賈のトニー・ジャーとか KIKOの尚語賢などはけっこう出てきてくれます。
 それにゲストがやっぱり豪華で、うれしいです。

 

 最初のエピソード「天使的旋律」では、天使療養院に精神病患者を装って潜入することになった林黙が外界との接触を断たれ、孤軍奮闘することになります。「カッコウの巣の上で」を思い出さないわけはないのですが、それはそれ、これはこれで、全くテーマは違います。
 
 この療養院は入院患者を番号で呼び、治療というより患者を管理することを目的としているようなところで、そこには高圧的な看護師、とにかく外面はいいけど裏はとげとげの院長、すさまじく暴力的な患者とかいる。
 強面の看護師長彭西を演じる熊黛臨が怖いです。

 前回とは違うキャラ安頌で登場した馬浴柯の普通っぽさも怖いですw

 

 林黙がここに潜入したのは、鋼琴師ピアニストと呼ばれる人物からの電話がきっかけだったが、そのピアニストは浴室で首をつって自死。他にもたくさんの死者が出ていることを知った林黙は、病院内を調べると同時に病院から逃げ出そうとしますが失敗。一方で彼との接触ができないことを心配した小愛や薩沙は、杰克賈を送り込みます・・・

 彼の調査で、この療養院にはとんでもない悪事が行われていることが判明します。

 

 とまあ、本家映画版と比べるとほんとダークなストーリが展開します。ほとんど笑える場面がないのです。もっとも映画の方も、唐仁のキャラがでごまかされていますが、結構ダークな話ではないかと・・・

 

 続く二番目のエピソードが「悪魔的呼吸」、こちらは信者を操る怪しげな宗教集団静心会と林黙たちの戦いになります。  
 不気味なアルカイックスマイルの静心会の指導者阿信を演じる楊瑾華が怖いです。

 

 はっきり言って、どっちの話も胸の悪くなるような組織との闘いです。療養院の看護師長や医者、静心会の指導者たちの薄気味の悪い笑顔から目を逸らしたくなります。

 どちらの組織も人をひととも思わず、自分たちの利益のために患者や集まってきた信者たちを利用し、邪魔をする者たちを容赦なく排除するというとんでもない組織です。

 林黙、あっちで刺され、こっちで電気ショックくらい・・・と散々な目にあっても、大活躍というのにかつての香港電影風味を感じてしまった。一応痛がってますが、ほぼ不死身w

 

 今回のドラマ、ここまでにClimasterの順位とかQとかの話が出てきてないんです。どうなるんですかね?
 ただし、林黙は子ども時代やIvyとの関係から生まれたトラウマをまだ引きずっているという描写はあるので、世界観がつながっているのは確かです。舞台が同じタイの唐人街ということだけではないと信じたいところ。

消失的她

消失的她

 

 昨日の「河辺的錯誤」の前に見てた朱一龍主演の映画です。
 こちらも純ミスというよりサスペンス風味が強い心理劇のような感じです。

 そもそもこの映画を見る気になったのは、主演が朱一龍だというだけでなく、脚本とプロデュースが陳思誠ということもあったのです。彼らの作品なら、まあ大外れはないだろうという見当です。

 結論から言うと、その見当はまあ大外れしていませんでした。


 冒頭、朱一龍の演じる何非は東南アジアのリゾートに妻の李木子と一緒に来ています。しかし、その妻が姿を消し、もう15日も帰ってこない、妻を探してくれと警察署で必死の形相で訴えています。しかし、警官たちからは相手にされず、途方に暮れています。
 その彼が、朝目を覚ますとベッドの隣に見知らぬ女性が眠っていて、私はあなたの妻李木子、私を忘れたなんてあなたこそおかしいんじゃないの?と彼をなじります。


 この見知らぬ妻は偽物だと主張しても、身分証もちゃんとしている、監視カメラに写ってもいる、スマホの中の画像にもちゃんと彼女と写っている等々、彼の主張は次々と否定され、彼は追いつめられていきます。


 そんな時にであった腕利きの弁護士陳麦に助けを求め、彼女と共にいなくなった妻を探し、今いる妻の正体を探ろうとします。陳麦の手腕で、本物の妻と何非が写っている画像データと証人が見つかります。しかし、その証人も殺され、彼らも銃撃されます。

 彼のビザの期限があと2日、あと1日とせまる中、何非が隠していた事実もあからさまになっていきます。何非は精神的にも追いつめられていきます。

 

 一体、この李木子は何者なのか?実質、この映画が取り上げてる謎はこれだけです。

 

 陳麦の小気味より謎解きぶりと、それでもどうやっても今の李木子が偽物だと証明できなくて精神を崩壊させていく何非が見どころでしょうか。

 そして、ドラマは急速に終末へと向かっていきます。

 

 これ以上、お話の続きを書くのは自粛しますが、テレビの2時間ドラマでもありそうな、あったようなテーマでした。個人的には、昨年見た演劇ロベール・トマ作の「罠」とネタ被ってるよな~と思ってました。

 

 主演が朱一龍、「河辺的錯誤」とはまた違った役柄ですが、どちらも精神状態を心配したくなるキャラです。こちらは海辺のリゾートが舞台ですが、あんまり色黒ではなかったw

 弁護士陳麦が倪妮、偽の李木子が文咏珊、本物の李木子が黄子琪。それぞれテキパキした姐御肌の弁護士、何非を翻弄するミステリアスな女性、何非を愛してしまったお嬢様とキャラが立っていています。
 メインの男性キャラはもう一人、華人警官の鄭成がいますが、この3人の女性と何非の紡ぐ物語と言っていいと思います。

 

 朱一龍の熱演は見所です。
 1990年のソ連製の映画が元ネタだそうですが、内容的にはあまり新鮮味とか意外性とかが感じられないところをラストに向かって何非と視聴者を追い込んでいく作劇はやはり陳思誠ならではでしょうか?

 で、ただ今ドラマ版「唐人街探案2」視聴中なのです。

 

演 員     角色
朱一龙  飾  何非
倪 妮  飾  陈麦(沈曼)
文咏珊  飾  假李木子
杜 江  飾  郑成
黄子琪  飾  真李木子


出品人     陈胜奇、李捷
制作人     钱重远
监 制     陈思诚
导 演     崔睿、刘翔
编 剧     陈思诚、顾舒怡、殷雄
摄 影     何山
美术设计    郑辰
动作指导    胡利峰
造型设计    郑辰
视觉特效    许明军、许彤晖

 

河辺的錯誤

河辺的錯誤

 これも二月に見た映画です。
 朱一龍主演と聞いていたのですが、この主人公の刑事が彼に見えなくて困惑するところから始まりました。

 朱一龍というと古龍ドラマで見たのが多分最初、最近では「鎮魂」の沈巍ですっかり顔なじみです。他のドラマや映画でも見てるんですが、これ、ぱっと見じゃわからなかった。え?って感じです。「鎮魂」関連で趙雲瀾役の白宇とインタビューか何かに出ていて、さんざん白宇が「龍哥~毛人~」とからかっていたのを思い出しましたが、あの猿人メイクより、今回のメイクの方が出来がいいというのか、なんというのか💦

 とにかく、私の見た中で一番色黒な朱一龍w

 

 

 ストーリはタイトルの通り、川辺で老女の死体が発見されるところから始まりました。それを捜査するのが、馬哲をリーダーとするチームです。この馬哲は、表情に乏しく、人間関係が良好とは見えませんが、事件にのめり込むタイプの捜査官です。
 
 警察を舞台にした探案ものとも言えるんですが、もっとなんというか「この映画、何が言いたいんだ」とか「結局どうなった」などという書き込みがされるようなタイプの映画でした。私はわりと好きw

 

 馬哲たちは発見された証拠を追い、関係者を見つけていきますが、事件はますます混迷していきます。家庭も顧みず、寝食も忘れて捜査に取り組み、被疑者も割り出しもします。しかし、決め手のないまま、被害者も相次ぎ、馬哲は焦りの色を隠せません。

 

 映画は、この馬哲の視点で描かれ、現実の中に、彼の見ている幻想が混ざってきて、どこからが彼の幻想なのかわからなくなっていきます。被疑者たちや被害者たちの一通りではないキャラも、馬哲の幻想に拍車をかけ、彼と視聴者をますます落ち着かなくしてきます。

 

 そもそも、映画の冒頭で、閉鎖される映画館に捜査チームが移転するという話が出てくるところからそういう雰囲気をもたらしているように思います。がらんとした映画館の舞台で捜査官たちが証拠調べをしたり、議論したりしている。そんなところから、この映画の描く世界そのものがつくりものの「映画」ではないかというような感覚をもたらします。

 

 証拠品として発見されたカセットテープから流れる歌は「花」の中国語版だし、テーマはベートーベンの「月光」だし、耳慣れた曲が流れることが、かえって音楽方面でもどこか落ち着かない別世界感がしてたまらないのです。

 

 そういう何か地面に足のつかない刑事馬哲は、妻が現在妊娠中であるという現実にも直面しています。子どもを産むのか、あきらめるのか、夫婦の間で交わされる激論は結論を出さないままに、話が進みます。

 

 やがて、事件は終わりを迎え、時が流れます。

 ラスト、馬哲と妻は幸せそうに赤ちゃんを風呂に入れています。
 しかし・・・この赤ちゃん、見ようによっては「ローズマリーの赤ちゃん」並みにぞっとしました。現在のAI技術のなせる技なんですかね?で、このラストが強烈で、映画の印象が刑事ドラマではなくなってしまいました。

 

演 員     角色

朱一龙  飾  马哲
曾美慧孜 飾  白洁
侯天来  飾  局长
佟林楷  飾  小谢
康春雷  飾  疯子
王健宇  飾  许亮
莫西子诗 飾  王宏
刘白沙  飾  钱玲
曹 阳  飾  幺四婆婆
周庆昀  飾  河边小男孩
曾 淇  飾  小婷
黄 俊  飾  小赵

出品人    李国庆、唐虓珲、李婵、曾继媛、傅若清、孙力、韩梅
制作人    唐虓珲
原 著    余华
导 演    魏书钧
编 剧    康春雷、魏书钧
摄 影    程马志远
美术设计    张梦伦
造型设计    苏超